Culture Center

中華メニューの解読法 魚香

 

2012/5/11初回up 2017/1/16updated

辛み煮込み

【魚香】yú xiāng (ユィ シャン)
◆中身 にんにく、ねぎ、しょうが、豆板醤、醤油、甘酢(砂糖、酢、酒)


魚香といっても、魚の匂いがする料理ではありません。


中国のほぼ真ん中にある四川省。

魚香とは、豆板醤と大蒜(にんにく)、ねぎ、しょうがの薬味に、軽い甘酢を合わせて作られる、四川省の調味法のこと。豆板醤ではなく泡辣椒を使うこともあり、ちょっと酸を感じるスパイシーな香りが、たまらなく食欲をそそる味付けです。

名前の由来は、魚を焼く時の材料を使って作った味噌(魚香醤)を、魚以外の料理に合わせるようになったことから。魚介はもちろん、肉、内臓系、野菜など、どの食材とも相性がいいため、料理のバリエーションも豊富です。中国語の料理名は、「魚香」+「茄子(なす)」、「魚香」+「肉絲(肉の細切り)」というように、「魚香+食材名」で表現されているので、魚香がどんな味かを知っていれば、単に「辛み煮込み」と言われるよりも、具体的に味をイメージできるようになるはずです。

恐らく、日本で最もメジャーな魚香料理は、魚香茄子(ユィシャンチェズ)。実はこれ、麻婆茄子の原型でもあります。麻婆茄子は、魚香茄子を日本人が食べやすいようにアレンジして作った料理。ですから、中国には基本的に麻婆茄子という料理はありません。中国で麻婆茄子を注文したい時は「麻婆茄子(マーボーチェズ)」ではなく「魚香茄子(ユィシャンチェズ)」と注文してくださいね。


「魚香」な料理


参考文献 『中國名菜譜西方編』中山時子 著(柴田書店 1973年)

text by 小山田早苗


>「メニュー解読法」一覧へ

カテゴリ:
Culture Center

記事公開日: 2012/5/11

※情報は掲載時のものです。内容は後日変更される可能性がありますので御了承ください。

同シリーズの記事