寒さが厳しく、身体の冷えやすい冬は、なんだか身も心も縮みがち。つい、活動することがおっくうになってしまうこともあるのでは…。

そこで、今回のC’s kitchen(シーズキッチン)スペシャルセミナーでは、冬でも暖かい身体で伸びやかに過ごすための“養生のコツ”をご紹介。前回同様、営養薬膳大師・古月オーナーシェフの山中一男先生と、HAS YOGA髙橋ちひろ先生のコラボレーションによる「食の座学×食養生ランチ×ヨガ実践」の3本立てでお送りします。

【食養生×ヨガ】東洋の叡智で身体をキレイに!冬編

講義1:寒さから身を守り、腎をいたわる冬の養生とは? 料理2:営養薬膳大師・山中一男先生の冬の食養生レシピ ヨガ3:凝り固まった心身を緩める呼吸法&ヨガポージング

ここでは前ページの「補腎益精食材」をベースに、家庭でもできる冬の食養生レシピをご紹介。いずれも東洋医学の観点を取り入れた、厳寒の季節におすすめの中国料理です。

和えもの和えもの 炒めもの炒めもの 煮込み煮込み
中華粥中華粥 デザートデザート 茶


小海老と胡桃、黄ニラのピリ辛和え(胡桃拌韮黄蝦)

小海老と胡桃、黄ニラのピリ辛和え

食材を下処理してたれで和えるという、素材のおいしさを活かした前菜です。中国料理に欠かせない海老と黄ニラは、どちらも補腎益精 (ほじんえきせい=腎の機能を高め、精を補う)。食感を豊かにし、ビタミンEを豊富に含むクルミは散寒(さんかん=寒邪を追い出す)、補陽(ほよう=温めると同時に機能を高める)の働きがあり、冬にぴったりの一品です。

 

くるみ タレ

(写真左)クルミは薄皮をむいたものを使用します。皮が付いている場合は、軽くゆでて竹串などで取り除きます。(写真右)ネギとショウガの薬味たっぷりのピリ辛だれ。ラー油の分量は好みで調整してください。

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帆立と銀杏、山芋の炒め(山薬炒扇貝)

帆立と銀杏、山芋の炒め

帆立、銀杏、山芋の補腎益精 (ほじんえきせい=腎の機能を高め、精を補う)食材3種を使った炒めもの。さらに滋養強壮食材として知られる山芋と銀杏は、固精(こせい=精の流失を抑える)の特質も。絶妙の歯ごたえに加熱した帆立、ホクホクした山芋、プリッとした銀杏の食感バランスも楽しい一品です。

 

豆豉

各素材の色を損なわないよう、豆豉は最後に入れています。豆豉の味とバランスをとるため、砂糖は気持ち多めに入れているのがポイントです。

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鹿肉と里芋の煮込み(紅焼鹿肉芋)

鹿肉と里芋の煮込み

冬の味覚として近年人気の鹿肉は、補腎益精 (ほじんえきせい=腎の機能を高め、精を補う)食材。今回は、脂身をほどよく含み、くせの少ないバラ肉を、補腎益精活血(かっけつ=血の流れをよくする)の働きを持つ里芋とともに煮込みました。じっくり煮込まれた玉ネギとニンニクの自然な甘みが広がる煮汁も美味。

 

煮汁

玉ねぎやニンニクをしっかり煮込むと、最後には煮汁と渾然一体に。

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鮑とスミイカの中華粥(墨魚鮑片粥)

鮑とスミイカの中華粥

アワビを丸ごと使った、海の香りに満ちた贅沢粥。アワビ、イカ、クコともに補腎益精の食材で、食べるそばから身体が喜ぶような滋味深い味わいです。

アワビ イカ / width=

(写真左)鮑は2mm程にスライス。(写真右)イカの飾り包丁は、味が絡みやすくなるだけでなく、噛みやすく、食べやすくなります。

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白玉入り松の実汁粉(湯圓松子露)

白玉入り松の実汁粉

補腎益精 (ほじんえきせい)の松の実をふんだんに使った、クリーミーで香ばしいお汁粉。温めても冷やしてもおいしくいただけます。

 

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サンザシとシナモンの養生茶(山楂桂椒茶)

さんざしとシナモンの養生茶

気と血の流れをよくして、寒気を追い払う冬の養生茶。サンザシはバラ科に属し、甘酸っぱく赤い実をつける植物で、乾燥させた実は理気(りき=気の流れをよくする)、活血の生薬として使われるもの。洋菓子でもおなじみのシナモンは、理気・活血に加え散寒の効果も。麻婆豆腐でおなじみの花椒は、補陽活血の働きがあります。

 

さんざし シナモン 花椒

(写真左)サンザシ[中国語表記=山楂 日本語表記=山査子] (写真中)シナモン[桂皮/肉桂] (写真右)花椒

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さて、いよいよ最後はヨガレッスン。食養生との共通キーワード“生命エネルギー”を高めながら、冬の寒さで固まりがちな身体をときほぐし、身体が芯から温まっていく自分自身をヨガで体感してみましょう。

 


 

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TEL 03-3820-0030 担当:笠原(株式会社中華・高橋)
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TEXT 吉谷環
PHOTO 佐藤貴子(ことばデザイン)