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食材狩人 米粉100%のビーフンを求めて③

目から鱗!蒸したて生ビーフンの風味とは…!? 100年前から食される、台湾新竹伝統の味をご紹介!


2014/8/18up

目から鱗!蒸したての生ビーフンの味とは?

ここまで約4時間の作業を経て(米の浸し時間を除く)、ついにビーフンらしい見た目になったお米の粉。

蒸す前のビーフン


これをそのまま天日干しにすればビーフンのできあがり…! そう言いたいところですが、さらに大事なもう一工程が残されていました。それは再度、この麺を蒸し上げる作業です。

というのも、最初に米を練るために蒸したのは三分蒸し。つまり、現時点では生米の状態が七割のため、今度は中まで加熱しなければならないというわけ。押し出した麺がくっつかないうちに、タワー型の蒸し器に手早く入れて、麺を一気に蒸し上げるのは、未来の四代目の仕事です。

断面
昨年までは、杉材で自作した蒸篭で蒸していたそう。


ここから麺を取り出したら、再び一家総出の力仕事。扇風機で強風を送りながら、熱々の龍の髭のような麺を一気に広げて伸ばす伸ばす!

お母さんビーフンをのばす

お父さんビーフンをのばす


蒸したてのビーフンからもうもうと湯気が上がるため、ご主人も奥様も作業中は汗だく。しかし、これを一気呵成にやらないと、軟らかで水気の多いビーフンがくっついてしまい、さらには乾燥して固まってしまうため、一秒たりとも休むことはできません。

ふたりビーフンをのばす


この作業が終わったら、そのままビーフンをハサミでカット。食べるのに適した長さにあらかじめ切ってから、小さくまとめて天日干し作業に入ります。

ビーフンカット


途中、お邪魔してできたてのビーフンを口にしてみると、これが想像以上にむっちりとした弾力。しっかりとしたお米の味が口に広がり、ビーフン独特のコシも感じられます。

まさか、これが米と水だけでできているんなんて…。塩も砂糖もつなぎも一切入っていない、混じり気のないビーフンは、クセがなく、ついついつまみ食いが止まらない、後を引くうまさでした!

生ビーフン


ちなみに朝が早かったということで、奥様がこの生ビーフンを使った餡かけビーフンを朝ごはんにご馳走してくれました。

カップの中は生ビーフンに若干のスープをかけ、豚肉、揚げネギ、香菜と甘じょっぱいたれをかけたもので、ひと口すすればまさに台湾の味! ビーフンは意外に汁気を吸わないので、さっぱり、するっと食べられます。

お母さん曰く、「市販しているビーフンは胃もたれする人もいるらしいんだけど、うちの米粉100%のビーフンだと胃もたれしないから、って買っていく常連さんがいるのよ」とか。

カップビーフン
奥様がスクーターで近所の名もなき屋台から買ってきてくれた一杯。


また、日本ではなじみがありませんが、台湾ではこの生ビーフンの状態で仕入れる店もあるそうで、カットされたビーフンはひもで結ばれ、乾燥しないよう布をかけて、この後竹東の市場へ。

生ビーフンひもでしばってある


そして残りは、この地に伝わる「三分日曬・七分風乾」という言葉通り、三割が天日、七割が風に晒されることで上質な新竹米粉に。

乾燥米粉


「1日250kgの生米を仕込んで、できあがるのは20kg。でもそれで十分。これからも100%お米から作ること、家族みんなでやること。この2つだけは絶対に変えません」。

そう語る郭さんの目には、新竹に100年伝わる伝統の味を担ってきた誇り、そしてこれからも継承していく意志が光っていたのでした。


東徳成米粉工廠

東徳成親子
三代目ご主人・郭連進さん(右)、奥様の林美津さん(左)、
未来の四代目・郭春賢さん(中)。

東徳成とは、東洋人が徳を以って物事に当たれば必ず成功するという意味を込めて初代が名づけた屋号。その想いを継承し、今も手づくりのビーフンを作り続けています。

住所 新竹市北區延平路一段317巷3弄47号
電話 03-523-3530

台北市内での販売、国外への卸販売はしていませんが、工場で直接買い求めることができます。価格は小120元、中230元、大460元。中で1袋約600g入っています(約780円/2014年8月現在)。
お出かけ前には電話で営業の確認をすることをおすすめします。会話は北京語または台湾語のみです。

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取材・文・撮影 佐藤貴子/ことばデザイン

カテゴリ:
Food Travel

記事公開日: 2014/8/18

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