刀削麺(とうしょうめん)を目の前で実演&体験!この感動を句にしたためます。

真っ直ぐに鍋へ飛びつく刀削麺

●麺で一句

いよいよ〆の料理は刀削麺(とうしょうめん)です。こちらは辛くて酸っぱい魚のスープに入れて供される湖南風の味付けとのこと。

期待が高まりますが、その前に、刀削麺のマメ知識を少々よろしいでしょうか。

ということで、ワゴンで運ばれてきたのは、ガス台・大鍋・麺生地。それはつまり、目の前で調理された熱々の刀削麺がいただけるとういうこと…!
見れば、中国人の職人さんがシュッシュッと麺を削り入れていきます。

刀削麺

真っ直ぐに鍋へ飛びつく刀削麺 漁太

鍋の中に一直線に収まっていく麺は、まるで自ら鍋にダイブしているようでした。動きを活写した、躍動感溢れる一句です。

そして、まじまじと見ていた私たちに「やってみますか?」とお声がけいただき、まずはまりもがチャレンジ!

刀削麺_まりも

ところがこれが意外と難しいんですね。麺がけっこう重い。そして意外に飛ばないんです。

刀削麺_ぴざ子

四千年歴史削られ鍋の底 ぴざ子

「実際やってみたら、思いのほか麺を削るのが大変で、生地の重さに中国四千年の重みを感じました」とぴざ子。塊(生地)を四千年の歴史に見立てたのがポイント。

刀削麺_泥頭

刀削麺空手チヨツプのごと打てり 泥頭

泥頭は逆エビ固めに次いで、空手チョップで攻めてきました。「やってみたら逆手打ちのような動きだったので思い付いた」とは本人談。ちなみに「力道山はこの技でプロレス界に確固たる地位を築き、『大きな外国人を空手チョップで倒す力道山』というスタイルで日本全国にプロレスブームを巻き起こした」そうです(wikipedia情報)。

そして、この実演プレゼンテーションにも驚いたのですが、もうひとつ驚いたことが。
実は、鍋の中に沸騰していた液体がお湯ではなく…、

刀削麺_手元

「スープです」とのこと!!!
贅沢だ!スープでゆでる刀削麺(一応五七五)。

刀削麺_盛り付け

こうして一同、ひとしきり麺チョップを堪能したところで、湖南風・酸辣風味のスープに鮮魚がたゆたう「湘水煮魚刀削麺」のできあがりです。

見てくれの悪い麺もいとうまし 木杓

刀削麺

自分で手をかけた麺。そのおいしさは言うまでもありませんね。そして、料理は最後のデザートへと参ります…!

≫つづく:円卓を囲むほろ酔ひ同士かな

≫中華句会の遊び方
≫第1回中華句会「チャイニーズテラス ルウロン」編


Text:佐藤貴子(ことばデザイン)
Photo:佐藤貴子(ことばデザイン)、小杉勉