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惚れる!中華のサービス vol.2-4 前田藍さん(古月 新宿)

夫婦で店をやりたい人必見!夫婦二人三脚で店を切り盛りするのに大切なこととは――?

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2016/12/5up


サービスこそが、
料理をよりおいしく仕上げてくれる

「当時は夜、予約制のコースだったので、想定外の追加オーダーが入るのが嫌だったんです。せっかく追加オーダーを取ってくれたのに、それはないですよね。態度も悪く、その当時のことは反省しています。

でも、今の自分の役目は、厨房とホールの動きを把握して調整することがメイン。レストランでは厨房の力が強い店も多いと思いますが、そこでの経験がある自分が間に入ることで、スムーズな流れになることにやりがいを感じます。

また、シェフが心を込めて仕上げたお皿は、その時点でそれ以上の完成はありません。料理をさらにおいしくするのは、サービス次第なんです」

最終的な味の仕上げは、サービス。この自覚があるかどうかで、サービスのモチベーションは大いに変わってきそうです。では、藍さんが店のマダムとして、スタッフのモチベーションを上げるために心がけていることはなんでしょう?

前田藍さん



「ただでさえ接客中は、処理しなければならない情報や作業がたくさんあるので、細かい指示は出さないように気をつけています。あとはできるだけ成功するように準備をすること。

でも、まずは何といっても、食養生のお料理や自家製ドリンクなど、魅力的なメニューを用意して、スタッフが自信をもっておすすめできるように心がけています」

「例えばうちでは、食養生コースの最後に、お客さまのテーブルで中国茶を淹れるのですが、スタッフが興味を持ってくれて『中国茶の講座に通いたい』と相談受けたんです。そこでこちらでも支援をし、学校に通ってもらい、最終的には中国茶アドバイザーの資格を取得することに。

メニューに詳しくなると、お客さまへの説明もスムーズですし、会話が弾みます。長く働いてもらっているスタッフが、楽しそうに接客しているのを見ると、こちらも嬉しくなりますね」


前田藍さんのおすすめ
季節の養生スープ

季節の養生スープ

養生スープは、高級営養薬膳師・前田克紀料理長が作る古月のスペシャリテ。空気が乾燥する晩秋から冬にかけて、整えたいのが呼吸器官。豚の肺、いちじく、クレソンを取り合わせ、肺を潤すスープです。
豚と鶏からとったベースの湯(タン)は、素材の風味を引き立てるため、濃厚にせずスッキリと。体中に、滋味溢れる旨みがしみ込んでいきます。
※養生スープは「季節の食養生コース」で提供されます。




夫婦二人三脚で、歩んでいくということ

そして、夫婦だからこそ叶う阿吽の呼吸もあれば、時には衝突してしまうこともあるに違いありません。そのあたり、どのようにバランスを取っているのでしょう?

「私はわがままですから、主人に気を遣ってもらっている気がしています(笑)。お互いに不満を言い始めると止まらなくなってしまうので、何かカチンとくることがあっても、疲れていたのかなと思うようにしていますね。

そして、ミスが発生した時はお互いのせいにしないこと。これは、スタッフに対しても同じです。ミスって大概、2つ以上の原因が重なって起きるように思います。1つだとどこかで止まるはず。防げなかった時は、誰かのせいにするのではなく、どこで気付けなかったのか考えます」

ちなみに、藍さんも克紀さんも、日ごろから「今日もうまく回してくれてありがとう」「忙しい時に電話に出てくれてありがとう」など、お互いにねぎらいの言葉をかけてコミュニケーションを取っているそう。それは、お店の経営に限らず、人間関係そのものを円満に導くのに、大事なやりとりかもしれません。

養生酒



自身を取り巻く状況を、穏やかに飄々と受け入れてきたかのように見える藍さんですが、実際にサービスを受けてみると、そこには、つかず離れずの細やかな気遣いを感じます。こちらの会話の流れを遮らないサーブ。何かお願いしたいと思った時にパッと目が合うタイミング。

しかし、藍さんの気配りが始まるのは、実はすでに予約の電話をかけた時から。ハッとしたのは、「予約は電話ではなくwebに切り替えたら負担が減りそうですが」と、水を向けた時のことでした。

「うーん…、webも便利だとは思いますが、私は、お電話での会話の雰囲気で、配席を決めるようにしています。例えば、声が大き目の方でしたら、静かな雰囲気を楽しまれるお客さまの席とは離します。そうなると、やはり、お電話でのやり取りは外せません」

なるほど!藍さんのこうしたさりげない配慮が、居心地のよさを作り、リピーターを生んでいるのでしょう。サービスの師匠がいない手探りの状態からスタートし、独立して4年。美しい人の美しいサービスは、これからもまだまだ進化するに違いありません。

前田藍さん



前田藍さんのいるお店

古月 新宿

古月 新宿

東京都新宿区新宿1-5-5 2F(地図
TEL 03-3341-5204
ランチ 11:30~14:00L.O.
ディナー 17:30~21:00L.O.
ティータイム(日曜日のみ)14:30~17:00L.O.
定休日:月曜日(毎月1~2日間不定休あり)



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TEXT 浅井直子
PHOTO 丸田歩


カテゴリ:
Chuka Lovers

記事公開日: 2016/12/5

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