ビールのつまみにぴったりの揚げワンタンは、春巻同様に人気がある中華点心のひとつ。どちらもクリスピーな食感が魅力ですが、実はプロの料理人は、春巻を「パリパリ」、そしてワンタンは「サクサク」になるよう、揚げ分けしていることをご存知でしょうか。
今回は、そんなサクサクの揚げワンタン作りのコツをご紹介しましょう。

ポイントは3つあります。まず1つめは、餡を包んだらすぐ揚げること。包んでから時間が経ってしまうと、餡の水分が皮に吸収され、サクサクと揚がりにくくなるので要注意です。

次に油の温度コントロール。ワンタンを入れる前は170℃(ワンタンの皮を油に落としたら少し沈んで浮き上がってくる程度)にし、揚げている間は温度を下げ、最後に160度くらいまで戻すこと。そうすると、餡の中までしっかり火を通しつつ、サクッと仕上げることができます。

そして最後に、肉餡か海鮮餡かで包む量を変えること。餡に肉を使う場合は、海鮮に比べて火が通りにくくなるため、10g以下に抑えるとバランスがよくなります。

海鮮入り揚げワンタンのマンゴーソース

写真の揚げワンタンは、餡に芝海老や白身魚のすり身などを用い、マンゴーソースを合わせた一品。材料は、マンゴーピュレにレモン汁、マヨネーズ。隠し味には甘さとまろやかさを加えるコンデンスミルクと、味を引き締めるマスタードを使用しています。軽やかなワンタンにフルーティーなソースを添えれば、軽やかな夏のひと皿のできあがりです。

料理:成毛幸雄(神田 雲林
撮影:2013年5月 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:芒果醤炸馄饨(máng guǒ jiàng zhá hún tún / マン グゥォ ジィァン ヂャ フン トゥン)


text 近江文代
photo 西田伸夫