Cooking & Recipe

家で中華SPECIAL 自家製干し肉“腊肉”を作ろう②

冬の味覚!中華の干し肉こと腊肉(ラーロウ)。塩と花椒、干し時間がナチュラルな旨みを作ってくれる塩燻製バージョンを「麻布長江 香福筵」の田村亮介オーナーシェフに教わりました。

2017/3/9up

自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



ほのかな燻香が食欲をそそる!
プロに教わる塩燻製腊肉

塩漬けタイプの腊肉は、肉本来の味を生かしやすく、使える料理の用途が幅広いのが魅力。

調味する材料は店によってさまざまですが、今回教わる「麻布長江 香福筵」の田村亮介オーナーシェフは、控えめの塩と花椒というシンプルな材料で、肉本来の風味を生かす作り方。そのまま蒸して、薄切りにして食べてもしょっぱくない、ほどよい塩加減が魅力です。

ここでは最後に燻製して仕上げる、塩燻製タイプの腊肉をご紹介します。

材料(※豚バラ肉1本あたりの分量)

・豚ばら肉ブロック…300g前後
・塩…肉の重量の1.5~2%(4.5~6g)※ここでは「伯方の焼き塩」を使用
・花椒…15粒

燻製材料
・烏龍茶…5g(リーズナブルなものでよい)
・生米…10g
・砂糖… 5g
・花椒…10粒

※写真では3本分仕込んでいます。
※制作日数の目安は、漬け込み3日、乾燥約2週間、合計約17日間です。



塩燻製腊肉の作り方

塩漬けと乾燥

① 肉に小さな穴をあける

まず、バラ肉をミートソフター(写真)やフォークなどでまんべんなく刺します。これは、刺すことによって肉や皮に細かな穴があき、肉の中まで均一に味を染み込ませるため。皮付きを使う場合、皮が硬いので意識的にしっかりと刺します。




② 塩を煎る(3本以上作る場合におすすめ)

鍋に塩と花椒を入れて煎ります。この工程は、塩の水分を飛ばしてサラサラにすることで、肉への浸透をよくするためのもの。煎ることで、花椒の香りもほのかに立ってきます。

終わったら、冷ましてバットにとり、粗熱をとりましょう。熱いまま塗り込んでしまうと、肉に火が通ってしまうので、必ず冷ますこと。
※レシピ通りに1本だけ作る場合は、塩の量が少なく煎りにくいため、この過程は省略します。花椒だけ軽く煎っても。




③ 塩を塗り込み、冷蔵庫で3日置く

さきほど煎った塩と花椒を、手で肉に揉み込みます。塩の分量は、肉の重さの1.5~2%。「この濃度はそのまま食べられるくらいの控えめの塩分です。1.5%ならそのままおつまみで食べられる程度。2%なら煮込み料理などに適しますね」と田村シェフ。





④ 3日置いて、水分を取る

下の画像が3日漬け置きした肉。塩を揉み込んだことによって肉の水分が抜け、肉の表面に水が浮いてきますので、厚手のキッチンペーパーで拭き取ります。花椒はこの段階で取り除いておきましょう。







⑤ 干す

ここまで来たら、いよいよ干す段階へ。叉焼用フックに肉を刺して、吊るす準備をします。

吊るす場所のは、風通しのよい場所に2週間ほど。人や犬およびカラスによる盗難の心配がなければ、ベランダ等の屋外でも大丈夫です。ただし、雨に当たらないように注意しましょう。




ちなみに皮付きの場合、硬い皮の方から刺した方がスムーズに入ります。ご家庭で1~2本干す場合は、クリーニング等でもらうワイヤーハンガーを使うと便利ですよ。


ハンガーの先に肉を差し込みます。三角形の底辺を引っ張って伸ばすと、物干し竿などに通せます。


⑥ 干し上がり

下の画像が2週間干したもの。触ってみて、周りが硬くなりつつも、芯に柔らかさを感じる段階が仕上がりの目安です。この状態で、塩味の腊肉としてはいったん完成。20分ほど蒸した後(皮付きは40分ほど)、薄切りにして食べると、まるで風味のよいハムのよう!

なお、干す日数は5日~でも大丈夫です。干せば干すほど肉は硬く締まっていきますので、まずは2週間で作って状態を確認してから、次回以降は好みで調整してもよいでしょう。




燻製もやっちゃうぞ

先ほどの状態でも十分おいしいのですが、今回は燻製方法も教わりました。田村シェフが燻材にしているのは、烏龍茶、生米、砂糖の3種類。そこに今回は花椒の香りをまとわせます。

燻材にはそれぞれ目的があり、「米は香ばしさ、烏龍茶は香り、砂糖は色付けのために使います」と田村シェフ。

「それぞれ配合のバランスを変えてもよく、米が多めなら『米薫〇〇』、お茶が多めなら『茶薫〇〇』というように中国料理名を変えることもできます。烏龍茶は高級なものでなくて大丈夫ですよ」。




燻製するときは、鍋が焦げないようアルミホイルを敷き、燻材を乗せ、その上に網を張って、腊肉を乗せます。




煙が出ていることを確認したら、ふたをして、燻しはとろ火で40~50分。冷燻のイメージで、肉の中までしっかり、じっくり燻製香をまとわせます。




ついに完成!塩燻製腊肉

燻製が終わったらついに完成!この状態で冷蔵庫で1か月ほど保存できます。

そのまま蒸してスライスして食べてもおいしいですが、いろいろな料理に使えるのが腊肉の魅力。簡単でおいしい、田村シェフおすすめの腊肉料理は続くページで(3月13日公開予定)。香り高い醤油漬けの腊肉レシピは次ページでご覧いただけます。


NEXT>味も香りもリッチテイスト!
香辛料入り醤油で仕込む本格腊肉


自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



Text 佐藤貴子
photo 丸田歩、佐藤貴子(ハンガー)

カテゴリ:
Cooking & Recipe

記事公開日: 2017/3/9

※情報は掲載時のものです。内容は後日変更される可能性がありますので御了承ください。