Cooking & Recipe

家で中華SPECIAL 自家製干し肉“腊肉”を作ろう⑤

腊肉(ラアロウ)ではないけれど、中華風味の干し肉もまた、家に肉を干す愉悦が味わえます。初めての方でも失敗しない作り方をご紹介します。

2017/3/14up

自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



手抜き万歳!
ビギナー向け中華干し肉

腊肉(ラーロウ)レシピの最後にご紹介するのは、漬け込まない、そして蒸さないで食べられる干し肉です。プロの作る腊肉とは、風味、食感、作る際に配慮するポイントなど諸々異なりますが、炒めものや煮込みなど、幅広い料理に使えるという点では一緒かと思います。

これで干し肉独特のうま味が味わえるのはもちろんのこと、一番の魅力は、家に肉が干されている愉悦が味わえること。それほど、家に肉がぶら下がっているのっていいものですよ…。

この作り方なら、面倒くさがりの方でも大丈夫。細かいところはこだわらずにやってみてください。

材料

・豚バラ肉ブロック…1本250g
・塩…大さじ1杯(しょっぱめに仕上がります)
・五香粉…大さじ1杯(十三香または「羊名人(ようメーじん)」大さじ1杯)
※材料の写真は「羊名人」のパッケージです。



作り方

① クッキングシートまたはバットの上に肉を乗せる

意外と大切なところがココ。肉に塩やスパイスを塗り込もうとすると、どうしても下にこぼれてしまうため、まずはそれらを受け止めるモノをスタンバイ。ここでは「クックパー®」を使用しています。




② 肉に塩を塗り込む

豚バラ肉に塩を塗り込みます。その際、肉の中でしょっぱいところとそうでないところがなるだけ偏らないよう、肉の太いところには多めに、細いところには少なめにするといいでしょう。また、肉は冷蔵庫から出したてよりも、しばらく出しておいた方が、塩が馴染みやすくなるようです。

なお、この干し肉はやや多めの塩分量で、塩気が強めです。それは、肉の腐敗を防ぐため。塩分を控えたい方は、そこに留意して加減してください。




③ 肉にスパイスを塗り込む

中華の香りづけにスパイスを塗り込みます。使いやすいのは五香粉や十三香。香りが気分を盛り上げるので、重要な要素です。
こちらの写真では「羊名人」を使用。「羊名人」にはあらかじめ塩分が含まれているので、最初に塗り込む塩をやや控えめにするのがおすすめです。







④ 「肉ハンガー」を作る

道具を作るといっても30秒もかかりません。肉を物干し竿に通す前提で、ワイヤーハンガーを変形させましょう。ハンガーを手に持ち、三角形の底辺にあたる部分をぐっと引っ張ってつき出し、物干し竿に通せる形にします。




⑤ 肉を「肉ハンガー」にかける

ハンガーの先をアルコール等で消毒し、肉にぶすっと差します。ワイヤーハンガーは、かつてはクリーニング店などでもらえましたが、最近はプラスチック製のハンガーが主流のよう。写真は100円ショップで購入したもの。10本入りでしたので、一度に最大10本肉が干せますね。



⑥ 肉を干す

1週間~2週間干します。干すのに適しているのは、風通しのいい場所です。屋外に干す時は、カラス、猫、人による盗難に注意してください。室内の場合は、湿気が少なく、気温の低い部屋を選びます。

ここでは、晴れた日は屋外の物干し竿、夜間は玄関の蝶番(ちょうつがい)にかけて干しました。写真はちょうど10日間干したもの。このくらい時間を置くと、スパイスの香りは飛んでしまいますが、肉にしっかりと染み込んで、風味の一部になっています。


手前の茶色い肉が五香粉バージョン、奥の朱色の肉が「羊名人」バージョン。



⑦ 完成!

肉を触ってみて、硬いけれども中はキンキンに硬くない感じであれば食べごろです。写真は12日間干したものの断面。肉は薔薇色、脂肪は白の美しい層が確認できます。
保存は1週間くらいであれば冷蔵庫へ。長く保存したい場合は、一度に使い切れる長さに切り(5~8cmくらいですと使いやすいです)、ラップをして冷凍庫に入れておき、使うたびに解凍するといいでしょう。


五香粉を塗り込んだ干し肉の断面。



「羊名人」を塗った干し肉の断面。



おすすめの食べ方は、スライスしてシンプルに焼く!

さあ、いよいよ食べるときがきましたよ。こちらは腊肉と違って、いきなり炒めても大丈夫。

一番のおすすめは、5~7mmにスライスし、フライパンに油を入れずに干し肉を入れ、弱火で加熱し、脂を出しながらこんがりと焼いておつまみにすること。干し肉の脂で干し肉を炒めるようにすると、香ばしくサクサクの食感になります。

なお、周りに粒のスパイスが多くついていると焦げやすくなるため、気になる方は粒を払ってから炒めましょう。




また、これをあっさり系塩ラーメンの具にするのもオツ。焼いた干し肉を具に、干し肉からにじみ出た脂で野菜を炒めて乗せると無駄がなく、風味よく仕上がります。


写真はサッポロ一番塩ラーメン。カリカリに炒めた干し肉と、干し肉の脂で炒めたキノコと白菜炒めを具にするだけで本格的な味わいに!


***


実は10年近くこの干し肉を作っていたのですが、「中国に行くと干してあるあの肉はどうやって作るんだろう」「プロのちゃんとした干し肉はどんな工程なんだろう?」ということから発展したのがこの腊肉企画へと繋がりました。

実際に腊肉を作ってみると、この干し肉はとてつもなく手抜きです。しかし、まずこちらから作ってみると、ステップアップして腊肉を作ってみたくなる…というのもあるかと思い、このレシピのご紹介に至った次第。

ちなみに、二者の大きな違いは香りと色合い。特に香味醤油漬けの腊肉は、酒のような独特の芳香があって深みのある色。干し肉は、周りに塗ったスパイスの香りがつき、断面はローズに近い色に仕上がります。

また、腊肉は一度蒸してから使うため、調理前の工程がワンステップ増え、蒸すことによってぷるんとした食感も生まれます。一方干し肉は、切ってすぐに炒められる手軽さが魅力。それぞれによさがありますので、ぜひどちらもトライしてみてくださいね。


フライパンでこんがり焼けた干し肉。



最後に、腊肉と一口にいっても地域性があるというお話を。食文化系の話がお好きな方はぜひ次のページをご一読ください。


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自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



text & photo 佐藤貴子

カテゴリ:
Cooking & Recipe

記事公開日: 2017/3/14

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