一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼やおやつに食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」&「おやつ中華」です。

今回は2015年下半期の7月2日~12月16日の間にご紹介した「ひる中華」と「おやつ中華」、のべ63軒の中のから、リーチ数でベスト8をランキング。あなたが「いいね!」と思ったランチやおやつは、ランクインしているでしょうか?

 

8位

千代田区有楽町「ザ・ペニンシュラ東京」のヘイフンテラス特製 月餅(8個)3800円 2800リーチ

中秋節前限定販売!もらって嬉しいハイセンス月餅

ザ・ペニンシュラ東京

 

まず8位は「おやつ中華」より、中秋節(2015年は9月27日)の約1か月前から売り出す、「ザ・ペニンシュラ東京」の月餅がランクイン。

目を見張るほど鮮やかなオレンジ色の餡は、カスタードと鹹蛋黄(アヒルの卵の塩漬けの卵黄部分)風味で、コクがありまろやかでいて、重たくないのが身上。昔ながらのクラシックな月餅が苦手な方は、これを食べたら月餅観が変わるかも…! 気になる方は来年の中秋節を狙いましょう。

2015年9月4日掲載:サトタカ訪問


 

7位

千代田区神田神保町「川府 点心」のロオジャーモー(肉夹馍)定食  850円 2855リーチ

現地ではメジャーながら日本ではマニアックな料理を定食で

わかば食堂

 

7位は中国の古都・西安の小吃・肉夹馍と、四川省の小吃・酸辣粉がセットになった定食がランクイン。同店はランチタイムには花椒入りの汁に漬けられた味玉食べ放題というサービスがあるのも見逃せません。

肉夹馍は、スパイシーに味付けした「肉(ròu)」を刻み、ナンのような中国式パンこと「馍(mó)」に「夹(jiā)=挟」んだサンドイッチ。その歴史は古く、戦国時代(秦の始皇帝が中国を統一する前。日本では弥生時代)まで遡れるという、永遠の定番メニューです。

一方、酸辣粉は酸っぱ辛いスープに、サツマイモで作ったコシのある春雨を入れたスープ麺。どちらも日本ではあまり知られていませんが、現地ではメジャーなメニューですので、未体験の方はぜひお試しを。

2015年10月22日掲載:コスギ訪問


 

6位

福岡市博多区「四川料理 巴蜀」の四川牛肉麺1000円
2896リーチ

旨み、辛み、痺れが時間差で訪れるスープ麺

四川料理 巴蜀

 

6位は「四川料理マニアックス」シリーズでおなじみ、荻野シェフが切り盛りする「四川料理 巴蜀」の四川牛肉麺がランクイン。

スープは15種類ほどの香辛料を牛脂で煮出しており、それをベースに唐辛子や花椒を足して調味。まず旨み、続いて舌を通り抜けたのち喉に来る辛味、ひと呼吸置いて花椒の細やかで華やかな痺れが口中に広がります。

麺は特注の平打ち縮れ麺で、コクのあるスープの中でも麺そのものの旨さはしっかり。具には湯葉、青菜、よく煮込まれた牛スネ肉がたっぷり入って、食べごたえのある一椀です。

2015年9月29日掲載:サトタカ訪問


 

5位

豊島区巣鴨「台湾」の角煮定食1000円
3058リーチ

おばあちゃんの原宿で密かな名物、角煮界のビジュアル系

台湾

 

5位は「ひる中華」史上、最も巨大な角煮を提供しているであろう「台湾」の角煮定食がランクイン。どーんと鎮座した角煮に、あなたはきっと台湾の故宮博物院にある「肉形石」を見たときより大きなインパクトを受けるでしょう。

角煮は甘味のあるタレで煮込まれており、スプーン1本で容易に捌ける至極柔らかな仕上がり。その横には、同じタレで黒光りするまでに煮込まれた「鉄玉子」も付いています。

「おばあちゃんの原宿」と呼ばれる街で、長年これを提供し続けているというのもなかなかすごい。小食の方にはすすめられませんが、ガッツリいきたい方はぜひとも。

2015年10月6日掲載:コスギ訪問


 

4位

江東区木場「陳建一麻婆豆腐店 木場店」の麻婆豆腐セット(大辛)1080円 3126リーチ

芯の通った麻婆に、2種類の花椒粉で好みの香りと痺れをプラス

陳建一麻婆豆腐店

 

日本の中国料理界で最も有名なシェフと言えば陳建一さん。4位は、そんな巨匠の名を冠した店の看板商品「麻婆豆腐」のセットです。

麻婆豆腐はいかにも辛そうな赤々としたビジュアルですが、我慢大会になるほどではないのが嬉しいところ。卓上に用意された2種の花椒粉「かおり」と「しびれ」で、自分好みの麻辣加減にアレンジできる余地を残しつつ(写真は「かおり」を多めに振りかけた状態)、ぶれることのない、1本芯が通ったような辛さはさすが専門店。

ライス、スープのおかわり自由で、汗をかきがちな料理だけに水の追加サービスも完璧。イーストサイドトーキョーの貴重な麻婆補給スポットとしてぜひ覚えておきましょう。

2015年10月1日掲載:コスギ訪問


 

3位

港区西麻布「海鮮名菜 香宮」の柊コース6480円
3684リーチ

最上級ランチは蒸しスープと蒸し魚が決め手!

香宮

 

3位は広東料理店「香宮」のランチ最上級コースがランクイン。同店はランチに麺飯セット、3240円の「楓」、6480円の「柊」を用意していますが、「楓」との大きな差は、蒸しスープの内容と、丸ごと一匹の蒸し魚です。

スープは季節によって変わりますが、夏場は三浦の小冬瓜を使い、たっぷりのふかひれ、巨大な干し貝柱、冬瓜、蓮の実やクコ、そしてキレのいいスープがなみなみと入って、これ一つで見事なご馳走。魚も季節によりますが、この時はイトヨリの「夏仕様」で、タレに塩レモンを入れ、旨甘さっぱりとした風味に仕立てていました。

このコースは、昼にしっかり時間をかけて食事を楽しめる方、夜よりリーズナブルに楽しみたい…という方におすすめ。日本のいい食材を、広東料理の技法で調理したらどうなるのか――?その答えがここにあります。

2015年8月19日掲載:サトタカ訪問


 

2位

中央区銀座「銀座アスター 銀座南店」のアスター麺1620円
3954リーチ

昭和32年に誕生した贅沢味を、平成の銀座で味わう

四川料理 巴蜀

 

2位は昭和32年の誕生以来、長く親しまれている「アスター麺」がランクイン。醤油味のスープに自家製麺、さらにエビ、豚肉、白菜、椎茸などを味噌風味で炒めた餡をのせた、銀座アスターのオリジナル麺料理です。

その歴史から、どれだけ昭和な味がするのかと思いきや、実はこれが古さを感じさせないコク旨な味。具の調味には日本の味噌と中国の味噌、両方の味噌を合わせているのがポイントで、まろやかな醤油味のスープにこの餡が溶け込むと、なんとも後を引く味になっているのがニクい。

店舗によって値段が変わりますが、今回はおひとりさまが多く、アラカルトでの注文が多いという銀座南店を訪店。サービスも心地よく、「昭和の贅沢味を平成の銀座で味わう」というプレイをするには最高の店だと思います。

2015年7月24日掲載:サトタカ訪問


 

1位

港区西麻布「海鮮名菜 香宮」のおまかせ
4211リーチ

REDシェフの本気を見た!広東料理の魅力ここにあり

香宮

 

そしてなんと、2015年後半の1位は、3位にも登場した「香宮」で、おまかせのランチでした。「香宮」といえば、日本最大級の料理人コンペ「RED U-35 2015」のグランプリを獲得した篠原シェフが腕を振るう店。その直後のポストということもあってか、大きな反響があったようです。

特に印象に残ったのは、石鯛に大頭菜(コールラビ)の細切りを乗せて蒸した一皿。皿に張っているのは魚のスープで、塩味でさっぱりと鯛の淡白な風味を生かしつつ、リッチになりすぎない味にまとめていました。

料理は最終選考の2週間前にいただいたもので、見た目はいつもの雰囲気ながらも、味はさらに仕上がっている…、そんな進化を感じさせれくれたのは、“RED”がもたらした効果かもしれません。高級料理から家庭料理まで、幅広く広東の味を取り入れ、洗練されたキレイな味わいを描き出せるのが篠原シェフの持ち味。益々の飛躍が楽しみですね。

2015年12月2日掲載:サトタカ訪問


 

さて、2015年下期のひる中華ランキング、いかがでしたでしょうか。ラグジュアリー系、現地系、日式中華と、非常にバリエーションに富んだ内容だったと思いますが、いずれも「語ることのある」料理でしたね。

そして今回、REDシェフは強かった…! 80C(ハオチー)Facebookのユーザーは、中華のプロの料理人が多いこともあり、こだわりのある正統派の料理は、多くの料理人の支持を得て「リーチ」や「いいね」に繋がっているように思います。また、9位以降はコスパのいいランチが充実。こうした「ひる中華」は、twitterで人気が高い傾向です。

2016年の「ひる中華」も、なるべくいろんなお店をご紹介していきたいと思いますので、ぜひ引き続きご愛読を。皆様の推薦するお店情報もお待ちしております。

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「ひる中華」「おやつ中華」は、80Cスタッフが昼時に食べた中華料理を、Facebookでレポートしています。昼前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら、食べたい中華・好みの中華を見つけていただけたら幸いです。推薦したいお店がございましたら、お問い合わせフォームまたはFacebookメッセージにてお送りください。


Photo & Reserch 小杉勉、佐藤貴子
Text 佐藤貴子

 


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