一日三度の食事の中で、最も外食の機会が多いランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。

2016年下半期は、7月5日~12月26日の半年間にご紹介したのべ47軒の中のから、リーチ数でベスト8をランキング。いつもご覧いただいている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったのは、どんなランチだったのでしょうか?

 

8位

豊島区西池袋「四川飯店 池袋東武店」の担々麺1100円 3150リーチ

池袋は現地系だけじゃない!定番の担々麺を欲する時に

 

8位は日本が誇る中華のブランド「四川飯店」の担々麺がランクイン!

こちらの担々麺は日本式の汁ありタイプ。スープはサラッと軽い食感ながら、飲めばゴマのコクと香ばしさが口に広がり、上質な芝麻醤(ごまペースト)の力を感じさせてくれるもの。辛さは極微辣で、その裏側にはあるのはほどよい酸味です。

店は昨年リニューアルした「池袋東武レストラン街 ダイニングシティ スパイス」にあり、駅直結の手軽さも魅力。食べたくなったら迷わず直行エレベーターを上がりましょう。

2016年7月22日掲載:サトタカ訪問


 

7位

世田谷区北沢「美食天堂 金威(カムイ)」の激辛土鍋焼き麻婆豆腐セット1000円 3524リーチ

2016年6月オープン!名店の味を引き継いた麻婆豆腐

 

7位は下北沢に誕生した新星の麻婆豆腐がランクイン!

こちらは神田須田町の人気店「神田 雲林」から独立した若き料理人・福田篤志シェフの店。人気の麻婆豆腐は、さらっとした餡に挽き肉がたっぷり入っており、豆腐は軟らか。唐辛子は辛さが最も引き出される色合いに加熱されており、”麻”よりも”辣”がしっかりした印象です。

定食なので、辛口モードになった口を癒すごはんやスープがセットになっているのもうれしいポイント。既に下北沢でリピーターを獲得しているのも納得です。

2016年7月5日掲載:コスギ訪問


 

6位

千代田区九段南「逸品坊(いっぴんふぁん)」のよだれ鶏のまぜそば900円 3757リーチ

よだれ鶏×麺のありそうでないコラボレーション!

 

6位は麻婆豆腐や担担麺のやすうま系人気店で、ありそうでなかった麺料理がランクイン!

棒棒鶏冷麺は時々見かけますが、こちらはよだれ鶏×温かい麺のコラボレーション。鶏肉もタレもほんのり温かみを残しており、冷たく締まった鶏よりも、軟らかな食感が楽しめます。

食べた直後は辛さはほどほど。しかし、食後は胃がカッカとして、ボディーブローのように効いてきます。辛さに弱い方は、訪店前にヨーグルトを飲むなどの対策が効きますよ。

2016年7月19日掲載:コスギ訪問


 

5位

大阪市西天満「Chi-Fu(シーフ)」のランチ8000円(10品) 4307リーチ

食をいろんな角度から貪欲に楽しみたい方に!

 

5位は中国料理の技術をベースに、コンセプチュアルな料理を提案するChi-Fuのコースがランクイン!

同店のコースのメニューは詩のタイトルのようで、これから出てくる料理を想像するとわくわくさせてくれるもの。料理はお皿も含めてひとつの造形となっており、第一印象、口にした実感、食後にひろがるもの…と、それぞれに五感を刺激してくれます。

麺飯は店のルーツでもあるバーツァン(肉粽)とビーフンで、これが美味なるストーリーの着地点。飲まれる方はぜひ、ワインのペアリングも楽しんで。

2016年7月11日掲載:サトタカ訪問


 

4位

中央区銀座「黒猫夜 銀座店」の黒猫風特製涼麺1000円 4349リーチ

麺のそびえ立つ肉の塔…!崩せば肉じゅうたん(笑)

 

4位は怪しい魅力で私たちを誘惑する「黒猫夜」の、肉てんこ盛り麺がランクイン!

これまで80C(ハオチー)では、冷し麺の盛りのよさ、稜線の美しさを富士山に例えてきましたが、これはもはや垂直、肉の塔…!メニューにはローストビーフ200gと書かれていたものの、「実は300gに増量したので、男性のお客様でも食べきれない方もいますよ」という盛りのよすぎる1皿です。

食べやすいように肉の塔を崩したら、今度は皿一面「肉・肉・肉」で、ローストビーフの下に麺が敷いてあったかな…というビジュアルに。同店は時折こんな目玉ランチが出るので見逃せません。

2016年7月12日掲載:コスギ訪問


 

3位

港区西麻布「麻布長江 香福筵」の白い麻辣麺1200円 4523リーチ

白で麻辣!田村シェフの遊び心とアイデアが光る一杯

 

3位は麻辣(マーラー)=赤、というイメージを覆す一杯がランクイン!

なぜ白いか?というと、スープそのものに麻辣を溶け込ませているから。ベースの辛さは花椒と泡辣椒(唐辛子の漬物)。スープを煮立てて乳化させていることもあり、口当たりはまろやかですが、舌の上は華やかにチリチリ弾ける感覚がたまりません。

具の主役は大根で、スープでくたっと煮込んで味が染みているのがまたおいしい。昼も夜もいただける、同店の人気メニューです。

2016年12月6日掲載:サトタカ訪問


 

2位

横浜中華街「純廣東料理 徳記」の豚脚麺(とんそくそば)1030円 4569ーチ

名物女将と名物麺、両方楽しんで吉!

 

2位は横浜中華街に来たらぜひ食べたい、ニュルリ、トロリととろける豚脚麺(とんそくそば)がランクイン!

食感の秘密は、豚足に味を含ませる前に、まず煮ては休め、煮ては休めて…と手間暇かけて下ごしらえをしたているため。見た目は濃い醤油色ながら、食べてみると重くないのが魅力です。

店の訪れる際の心構えとして、①早すぎor遅すぎる時間帯は避ける ②注文は最初にまとめて行い、追加はしない。③食べ終わったらサッと出る、などのポイントがありますが、心していれば大丈夫。

その昔は「中国のサービスをそのまま日本に持ち込んだよう」と言われたものですが、それをも楽しむ意気でいきましょう。

2016年7月25日掲載:ミゾグチ訪問


 

1位

中央区銀座「厲家菜(れいかさい)」のランチコース「凝香」9680円(税サ10%込)4957リーチ

西太后に提供していた秘伝のレシピが今、銀座に蘇る!

 

そして「ひる中華」1位は、西太后の食事を監督していた厲家の宮廷料理店「厲家菜(れいかさい)」のコース料理(全15品)でした!

同店は以前六本木ヒルズにありましたが、2016年6月、世界唯一の北京本店直営店として、装い新たに銀座に誕生。ランチは4800円からで、昼から宮廷料理がしっかり楽しめる内容になっています。

西太后が毎日食べても飽きず、かつ健康によいものとして考えられた料理は、いずれも見た目がシンプル、風味はあっさりとして、技のあるものばかり。

名物の「翡翠豆腐」や、豌豆(エンドウ豆)を薄い層に仕立てて揚げた「炸餎炸」、にんじんの細切り炒めをにんじんの油で炒める精進料理「炒咸什」など、それぞれの料理のエピソードや背景も説明してもらえますので、歴史を食べるような楽しさもここに。中華好きならぜひ一度は訪れたい場所のひとつです。

2016年7月20日掲載:サトタカ訪問


 

2016年下半期の「ひる中華」ランキングは、8店中なんと5つが麺。老舗の担々麺、豚脚麺(とんそくそば)に加え、新派の白い麻辣麺、よだれ鶏のまぜそば、ローストビーフ300g乗せ麺など、インパクトのある創作麺も注目されました。

また、新店は「神田 雲林」から独立したシェフが切り盛りする「美食天堂 金威(カムイ)」がランクイン。そして「厲家菜(れいかさい)」が復活とはいえ、北京直営店としての新店としてトップに。名店強し!

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「ひる中華」は、80Cスタッフがランチに食べた中華料理をFacebookでレポートしています。ウィークデーの昼時に更新していますので、ぜひフォローをよろしくお願いします!


Photo & Reserch 溝口豊、小杉勉、佐藤貴子
Text 佐藤貴子

 


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