一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。
そこで頂戴した「いいね!」とコメント、シェア、リーチ数をポイントに換算にして、5月16日~6月14日に掲載したひる中華ベスト8を算出したのが当コーナー。さて、いつも応援してくださっている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったランチとは…?

 

8位

御徒町(上野5丁目)「ちょもらんま 御徒町店」の紅大陸担々麺880円  544ポイント

まず8位は「世界一になりたい!」というキャッチフレーズが外観に踊る、際(きわ)グループお得意の担々麺です!

ちょもらんま

同店が提供する担々麺は5種類。黒胡麻、白胡麻、トマト、汁無しときて、「これぞ本場の味」という宣伝文句で売り出しているのがこちらの「紅大陸担々麺」。

オーダーすると、店員から「辛いですよ」と念を押されて気が引き締まるものの、激辛担当としては大陸を制覇しないわけにはいきません。赤黒いスープと香辛料の香りは、挑戦者の闘志を燃やすに十分。

挑んでみると、見た目ほど唐辛子のパンチはなく、じわじわと効いてくるのは爽快な花椒のシビレ。日ごろの鍛錬のせいか、汗水垂らして食べる事態に陥ることはなく、サービスライスと一緒に食べ進め、最後の一滴まで飲み干して参りました。

2013年6月10日掲載:コスギ訪問


 

7位

神田須田町「神田 雲林(ゆんりん)」のレディースランチセット1200円 617ポイント

続いて7位は、食いしん坊の皆様にはおなじみの「雲林」のランチがランクイン!

雲林

 

人気店とあって早めに訪れたのですが、オープン15分後の到着というのにウェイティング。しかも列はどんどん長くなっていく…。

しかし皆さん、待って損はありません。このビジュアルをご覧いただいてもおわかりになるかと思いますが、見た目は美しく品数は多く、それぞれが一品一品手作り。この日のレディースランチは週替わり麺2品から1品、小鉢2品、鴨とカシューナッツのサラダ、焼売、ゴーヤのジュレ、フルーツと充実の内容です。

中でもメインとなる週替わり麺「五目具材の胡麻だれ冷やし麺」は、くらげの頭、巻き海老、帆立、叉焼など華のある具に、粒を残した香ばしいごまだれ、全粒粉の麺…と、折り重なる素材にこだわりが表現された一皿。素材がよくて、仕込みが丁寧。ランチを食べて夜にも行きたくなる店って、その2点が大きいなあと改めて感じたひる中華でした。

ちなみにこの界隈は13時を過ぎると空いてくるようですので、ゆっくり召し上がりたい方は遅めの訪問がよさそうです。

2013年5月30日掲載:サトタカ訪問


 

6位

内神田「神田天府」の牛肉の四川煮(水煮牛肉)定食850円
628ポイント

6位は「四川」を意味する中国の古語、「天府」を店名に冠した店の、代表的な四川料理がランクイン!

神田天府

 

こちらは辛味が苦手な人なら激辛レベル、辛ラー(辛味愛好家)なら限界値手前で旨辛が感じられるレベルという、麻辣偏差値の高い一品。
ひと口目でいきなりむせるような辛さで、ラー油の底に辣粉(らーふん=唐辛子粉)が淀んでいる感じ。それに負けないよう、モヤシとキャベツでインターバルを取りながら食べ進めるテクニックが求められます。

花椒の痺れ感もハンパないのですが、激しいムチの後に甘くやさしく癒してくれるのが、〆に登場する杏仁豆腐のココナッツミルクがけ。ツンデレのバランスが見事にとれたランチセットです。

なお、同店は円卓個室もありますので、夜の宴会、中華句会にもおすすめです。

2013年5月27日掲載:コスギ訪問


5位

神田鍛冶町「味坊(あじぼう)」の孜然羊肉(羊のクミン炒め)定食1100円 634ポイント

5位にランクインしたのは、羊好きのあなたにぜひ召し上がっていただきたい、中国東北部の郷土料理です!

味坊

「羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)レポート」でもご紹介した「味坊(あじぼう)」は、羊の串焼き、羊肉餃子、羊炒め、火鍋など、さまざまな羊料理が食べられる店。
中でも孜然羊肉(羊のクミン炒め)はランチでも提供している羊料理。串に刺したら10本以上ありそうな羊肉の小山を見れば、羊肉好きなら即アドレナリンと唾液とが涌き出ること必至の一品です。

一見刺激が強そうですが、孜然(ズーラン)ことクミンは胃の漢方薬にも使われる食材。実は胃腸があまり強くない私ですが、山盛り食べても終日胃は軽やかでした。また、羊肉は脂肪を燃焼させるカルニチンが豊富に含まれることでも知られますので、とりあえずたくさん食べても安心感はあります(笑)。

ちなみにこちらは店で最も高価なランチメニュー。量があるので、友人とシェアしていただくのもおすすめです。

2013年6月5日掲載:サトタカ訪問


 

4位

内神田「Sea Dragon」のセレクトランチ(4品から2品選択)
880円 781ポイント

続いて4位は、広東料理系で修業したシェフが鍋を振る、おトクすぎるランチがランクイン!

Sea Dragon

 

「Sea Dragon」は2013年2月にオープンしたばかりの店。シェフは翠園酒家、エドモントホテル、赤坂離宮などを経験された広東料理畑の松原氏で、夜は焼き釜で焼いた叉焼や、鶏の丸焼きなどが楽しめます。

ランチのメインは3種類ある「セレクトランチ」。こちらは4つのメニューから食べたいものが選べるセットで、メイン1品なら680円、2品で880円、3品になると1080円というおトクすぎる価格設定になっています。

写真は2品で、海老とカシューナッツの炒めもの(手前)&鶏肉のしょうが炒め(奥)。シェフは厨房を1人で切り盛りされているため(訪問時の状況です)、2皿は時間差で登場、食べ手は熱々を首尾よくいただけるのもありがたいところ。海老の炒めものはズッキーニやマコモなど野菜が豊富で、2皿完食しても胃もたれしませんでした。

場所は神田駅ド真ン前、メインは中華鍋で煽りたての2品が普通盛り、小鉢、お替わり自由のごはん&スープ&ドリンクでこの価格は、立地と手間を考えるとかなりリーズナブル。広東系のシェフなので、ランチに焼き物どんぶりなど登場したらうれしいですね。

2013年5月23日掲載:サトタカ訪問


 

3位

日本橋久松町「福」の豚角煮チャーハン750円
796ポイント

3位は肉々しくパラパラ…、こんなチャーハンを待ってました!

福

 

こちらは浜町駅、東日本橋駅、人形町駅の間のトライアングルゾーンに位置する昭和な中華屋。ラーメン、ワンタン麺など、メニューにニッポンの定番中華料理が並ぶ中、チャーハンは「豚角煮」と「XO(エックスオー)」という変化球で、思わず目に留まりました。

そのひとつである豚角煮チャーハンは、チャーハンマウンテンを崩すたびに、厚切り肉が何切れも掘り出されるという「宝の山」のような一皿。 米粒がパラパラしていながらも、適度に水分を残した炒め具合がなんとも絶妙です。

また、13~15時まではコーヒーが無料サービス。おかわり自由のセルフサービスで、ほっとひと息つけるのもうれしいところ。一方で、ちょっと気になったのが謎のメニュー「パカポ丼」(写真右上)。どうしてこういう名前になってしまったのか、次回訪問時に取材してみようかと。

福メニュー

2013年6月11日掲載:コスギ訪問


 

2位

神田錦町「紅楼夢(こうろうむ)」の翡翠冷拌麺1300円
817ポイント

2位は、5月早々から始まっていた冷やし中華がランクイン!

紅楼夢

 

「紅楼夢(こうろうむ)」は、神保町駅にほど近い「学士会館」内にある、伝統ある中国料理店。重厚な外観は、一見入りにくそうですが、入ってしまうとそんなことはありません。オールド上海のような雰囲気の店内は、おひとり様が思い思いにくつろぐランチパラダイス!

ご覧のとおり、こちらの冷やし中華は、ストレートの翡翠麺(生麺使用)と具を好みで取り分け、酢の効いたゴマだれ、ショウガ風味の醤油だれの両方でいただくというスタイル。具に湯引き海老、くらげなどを揃えたところは中華の冷菜を思わせ、熟成感のある叉焼の味付けは「おっ」と思う存在感がありました。

2013年5月17日掲載:サトタカ訪問


 

1位

神田神保町「揚子江菜館」の獅子頭カレー1000円
861ポイント

<pそして堂々の1位は、創業明治39年「揚子江菜館」の創立107年特別サービスメニューでした!< p=””> 揚子江菜館

 

神保町すずらん通り沿いにある「揚子江菜館」は、京劇のお面の看板がひときわ目を引く中国料理店。冷やし中華の元祖と謳われる富士山型の「五目冷やし」や、池波正太郎が愛したという「上海式肉焼そば」など、歴史的な名物料理がたくさんある店です。

そんなクラシックな上海料理店で、こんな変化球が来るとはいったい誰が想像したでしょうか。しかも「最近は獅子頭を出す店がめっきり減ったなあ…」と思っていたところ、まさかカレーに鎮座して眼前に現れるとは。一度揚げてから蒸したというむっちむちの獅子頭は、なんと重量200g!なかなか高密度ですので、食べに行かれる方は心して取り組んでください。

実食して思ったのですが、これは“獅子頭でカレーを食べるメニュー”ですね。白飯はむしろ添えものと思ってもいい(笑)。現在は同店創業107年記念メニューということで、1780円→1000円の大サービス価格で提供中。勇者のみなさん、ぜひ足をお運びください。

2013年5月21日掲載:サトタカ訪問


 

今回のひる中華ランキングは、神田須田町、内神田、神田錦町、神田神保町と、神田界隈に集中した模様です。

ちなみにその中の一店、「揚子江菜館」では、なんと毎月2組に5000円相当のお食事券をプレゼント中。神保町で学生時代を過ごしたコスギ特派員が応募してみたところ、見事当選してしまったという後日談が!(個人的に応募しました)。一連のコースで特に印象的だったのは、〆の上海式肉焼そばですね。独特の麺の香りと、どことなくジャンキーなテイストが後を引く一品です。

上海式肉焼そば
池波正太郎が愛したという上海式肉焼そば。

また、先月より各店冷やし麺が続々投入されていますので、Facebookの方で引き続きご紹介していきたいと思います。では、来月もどうかご愛読を!

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「ひる中華」は、80Cスタッフがランチに食べた中華料理を、Facebookで連日レポートしています。おひる前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら、食べたい中華・好みの中華を見つけていただけたら幸いです。みなさまも、どうかお近くにある気になる中華料理店のランチがあったら、ぜひ編集部までお寄せくださいね。


ポイントの算出方法
Facebookの「いいね!」「コメント」1件につき3ポイント、「シェア」等その他アクション1件につき3ポイント、リーチ(タイムラインに流れた数)を1ポイントとして換算し、その合計点で算出しています。みなさんの「いいね!」やコメントがポイント増に繋がります。


取材:小杉勉、佐藤貴子(ことばデザイン)
文: 佐藤貴子(ことばデザイン)
写真:小杉勉、佐藤貴子(ことばデザイン)

 


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