08|茂園 伊勢佐木町店(台湾点心)【お土産購入】伊勢佐木町3-106

食後はイセザキモールの「茂園」で手作りの台湾点心をゲット。鳳梨酥(パイナップルケーキ)、蛋黄酥(塩漬けのアヒルの卵と餡入りまんじゅう)、肉まん、あんまん、焼売など種類が豊富なのがうれしい。

パイナップルケーキ。どの点心も保存料や着色料は不使用。

粽は台湾北部スタイル。今はなき「永楽製麺所」のレシピで作る伊府炸麺(揚げ麺)もここだけの名品だ。

永楽製麺所復活版「伊府炸麺」
09|金鴻運(香酥牛肉火焼)【お土産・買い食い】★伊勢佐木町4-117

さらにイセザキモールを進むと、中国で人気の小吃、香酥牛肉火焼(パリパリ牛肉パイ)が楽しめる「金鴻運」へ。小ぶりサイズで1個110円はなかなかお値打ち。店内では白濁した羊湯(羊のスープ)定食などが食べられる。

「金鴻運」の香酥牛肉火焼(パリパリ牛肉パイ)。店頭(外)にケースを置き販売。
10|五条人糖水舗【STAGE2:実食2軒目】★長者町6-94

デザートは糖水(広東スイーツ)専門店。定番のお汁粉や亀ゼリーなど、いずれも350円前後で財布にやさしい。我々は「スイーツ火鍋」なる一品に注目。【別ページでご紹介しています

スイーツ火鍋。おいしい、おいしくないはどうでもよくなりそうなインパクトあるビジュアル。
11|玉泉亭【チェックポイント】★伊勢佐木町5-127

ここからはお腹を減らすべく、元気に2.3kmの横浜散策スタート。横浜橋商店街に向かう途中にある「玉泉亭」は、横浜名物「サンマーメン」発祥の店として知られる。

「玉泉亭」外観。

サンマーメンを考案したのは二代目の井田辰雄氏。店頭のガラスケースをのぞくと、横浜の古い店のメニューで見られる「巻揚げ」が健在。料理サンプルも味わい深い。大正7年(1918年)創業の老舗。

店頭サンプル。「うまい!!」と言われると頼まなければという気になる。
12|横浜橋商店街【通り抜け】

蒔田に向かって歩いていくと、戦前から生活用品や食料品などを売っていた横浜橋界隈へ出る。全店舗中、食の店舗はおよそ6割。現在は昭和の風情を残すアーケードに、中国語表示が並ぶ魚屋、中華惣菜店、韓国食材店が点在。いい感じの混沌に惹かれる。

横浜橋商店街入口。伊勢佐木町の「五条人糖水舗」からgooglemap上で800m、徒歩約10分。

気になる中国料理店は総じて現地系庶民派。1パックの手軽な惣菜があるかと思えば、北京ダックが丸ごと一羽店頭に並んでいたり。魚屋は簡体字表記が基本だ。

中国東北料理店「延明香」。吉林省延辺朝鮮族自治州の方がやっているのか、マッコリもある。豚耳、豚足、豚の頭などの卤味が充実。
魚屋の魚介類は漏れなく中国語表記(簡体字)。こういう店が何軒もある。
13|酔来軒【チェックポイント】★南区真金町1-1

商店街を抜けると、横浜橋界隈の老舗町中華「酔来軒」がすぐそこに。店の名を冠した「酔来丼」は、お値段なんと400円。

叉焼、ゆでもやし、刻みネギ、メンマ、玉子焼きをのせ、特製のタレとからしを溶いてかけるどんぶり飯。これを目当てに、遠方から来店する方もいる看板料理だ。

俳優の瑛太出演のCMロケ地としても有名になった「酔来軒」。名物は店の名を冠した「酔来丼」だ。
14|廣東楼【STAGE3:実食3軒目】南区榎町2-62

伊勢佐木町から歩くこと約30分。2回目の昼食は、70年超の歴史を刻む「廣東楼」。場所は密かな中華の名店が点在する「裏中華街」こと蒔田(まいた)だ。

現在のシェフは二代目で、自家製麺に使うのは「特別な水」。この表記が気になり、お土産に焼売だけ買う予定が、麺も食べることにする。そして食後、水の秘密が明らかに…!【別ページでご紹介しています

廣東楼の店内。座敷に円卓。畳に絨毯。年代物のポスター。
15|廣東厨房 鴻【STAGE4:実食4軒目】★石川町1-13-12

「廣東楼」で盛り上がり過ぎてしまい、急きょ電車で石川町へ。1度目の夕食はオープン同時の入店を狙って、リセンヌ小道沿いの「廣東厨房 鴻」。

鍋を振るのは、ANAインターコンチネンタルホテル東京、もとい前身の全日空ホテル時代より「花梨」に20年勤め上げたベテラン料理人。ここでは「広東人のおふくろの味」をリクエスト。【別ページで近日公開】

臘肉。店でも使うが、販売もしてくれる。
16|南粤美食【STAGE5:実食5軒目】★山下町165-2

そして2度目の夕食は、広東省中山出身のシェフが腕を振るう「南粤美食」。テレビ版『孤独のグルメ』に出てからというもの、いっそう行列が伸びている模様。場所は横浜中華街朝天門のすぐそばだ。

オーダーしたのは定番の塩鶏に、順徳で食べたミルク炒め、鹹魚(ハムユイ:発酵干し魚)と干し貝柱の炒飯など。直球の広東料理で実食フィニッシュ!

「南粤美食」にてミルク炒めをオーダー。
17|大珍食品【お土産購入】★山下町130-3

だが、これで終わりではない。ラストは横浜中華街の老舗「大珍楼」の点心をはじめ、都内高級ホテル等にOEMで点心を製造販売する「大珍食品」のファクトリーを訪問。

毎週末、午後限定のアウトレットセールで売り出されるのが一般購入の狙い目だが、この日はツールドチャイナ横浜のために、夜特別に開けていただいた。

大珍食品社内。突如爆買いモードに突入。

こうして各人それぞれの収穫を手に、家路へ就いた「ツールドチャイナ横浜」。今回は廣東料理店を中心に回ったが、横浜には老舗の町中華もあれば、他の地域の中国郷土料理もある。

まとめると、チェックポイントは17か所、お土産購入店は2店、実食した飲食店は5店。健啖家なら、今回一行が訪れなかった店も数件追加できるだろう。

それではこれから「ツールドチャイナ横浜」でいただいた店と料理を、順にご紹介していきたい。

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TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)