ネパールカレーを食べ、お土産に叉焼を買う「金陵」

昔から焼味の専門店として知られている「金陵」は、一度は食べておきたい横浜中華街の味。店の裏の路地を通ると、甘ーい肉の焼けるいい匂いが充満していてたまらないものがあります。

現在は関帝廟通りに移転し、店舗はピカピカ。

こちらは「重慶飯店 本店」よりもさらに近い場所から焼き場を見られる設計です。噂によれば、今の腕利き焼物師はネパールの出身とか。外から撮ると、ガラスが反射してしまうので撮影は難しいですが、目の前でいろんな焼味が見られるのは貴重ですね。

肝心の叉焼は、甘さしっかりめの蜜汁叉焼。脂身がじゅわっとしており、おかずになるタイプです。また、香りはたしかに広東料理ながら、ネパールに行ったときの記憶を掘り起こされる香りが少し入っているように感じるのは気のせいでしょうか。

叉焼をお願いすると「脂多めがいい?少なめがいい?」と聞いてくれます。

そういえば、ネパール中部のポカラにいる義理の伯母の父上は、香港でグルカ兵として勤務していたことがありました。そんなこともあり、義理の叔母の家では香港風の料理が出てきましたが、ネパールと香港の関係は案外近いので、もしかしたら人材の交流も多いのかもしれません。

ここは、ランチタイムに行って、叉焼を注文してから、焼物師が作るネパールカレーを食べ帰るのも贅沢です。叉焼をお願いすると「脂多めがいい?少なめがいい?」と聞いてくれるサービスのよさもこの店ならでは。

金陵のネパールカレー。売り切れが早い店なので、食事の前に叉焼を確保しよう。

また、甘さしっかりの叉焼と対照的に、さっぱりとしているのが豚耳。丁寧に毛を処理してある豚耳には、繊細なニュアンスを感じます。お店でもらうタレに合わせてもいいですが、わさび醤油もお試しあれ。

豚耳は見た目通りさっぱりとした風味で食べやすいです。

保冷剤は「安田屋」の冷えたビールでキマリ!

さて、叉焼を買い込んだところで、持ち帰りにはやっぱり保冷剤があると安心です。家から保冷バックにスタンバイしてくるのもありですが、おすすめは関帝廟通りの酒屋さん「安田屋」へ行くこと。

ここは中華街のレストランを支える業務用のお酒が揃う店。しっかり冷えた青島ビールの全ラインナップや、最近日本で販売を始めた哈爾浜(ハルビン)ビールも入手できます。

中国在住経験者にとって、哈爾浜ビールは夏の旧友。青島ビールや台湾ビールもここに。

「保冷剤代わりに…」という言い訳をしながら、手近なところで入手できない青島IPAやハルピンビールをクーラーバッグに放り込めば、叉焼のパートナーは完璧。あとは家に帰って風呂に入り、テイクアウトの叉焼や、豚耳などを心ゆくまで楽しむだけです。

★次月、叉焼続編もあります。お楽しみに!


今回ご紹介したお店

翠香園
住所:神奈川県横浜市中区山下町148(MAP
TEL:045-661-1266
営業時間:11:30~21:00
月曜定休

重慶飯店 本館売店
焼味メニューはこちら
住所:神奈川県横浜市中区山下町164(MAP
TEL:045-651-0820
営業時間:11:00~19:00
不定休

金陵
住所:神奈川県横浜市中区山下町131(MAP
TEL:045-681-2967
営業時間:11:40~売り切れ次第終了
月曜定休


text & photo:ぴーたん
ライフワークのアジア樹林文化の研究の一環として、台湾・中国・ベトナム・マレーシアを回って飲食文化も研究。10数年前の勤務先で、江西省井岡山に片道切符で送り込まれたことを機に、中国料理の魅力に目覚め、会社を辞めて北京に自費留学。帰国後もオーセンティックな中国料理を求めて、横浜をはじめ、アジア各国の華僑と美味しいものについて情報交換をしている。