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食べたくなったときが漬けどき!中国地方菜研究会・愛吃さんの酸豆角
「旅するように中華を食べ歩こう」をキャッチフレーズに、「中華地方菜研究会」を主宰する愛吃(アイチー)さん。
80C(ハオチー)では月に1回、主に中国人が経営・料理する“現地系”の店と料理を紹介。独自のリサーチと行動力で、中華好きに刺さるユニークな店を探し出す嗅覚力はピカ一だ(記事はこちら)。そんな愛吃さんも、この夏、酸豆角を漬けているという。
材料となる十六ささげは、「そろそろ収穫時期かな…」という頃から、中華食材店の青果コーナーをチェック。「でも今年はしばらく、目に留まるものがどれもクタっと萎れ気味で購入に至らず…。7月末に新大久保のインド惣菜兼八百屋で、ようやくシャキッと元気なささげを発見しました」
材料と漬け方は以下の通りだ。
<材料> *イオンPB「HOME COORDY(ホームコーディ)」の保存ビン、IKEAのガラス容器、ジップロック®(底マチあり)など ・十六ササゲ(いんげんを使うこともある) ・塩水(4%) ・花椒、八角、月桂樹の葉(ローリエ)、氷砂糖 各適量 ・生姜(薄切り)数枚 ・唐辛子 好みで ・白酒(汾酒) |
<漬け方>
① ささげをさっと水洗いして乾かす。
② 水に対して、4%の塩水がつくれる量の塩を用意する。
③ 花椒、八角、月桂樹の葉・氷砂糖をそれぞれ“適量”入れる。おおよその目安は、1リットルの水に、花椒小さじ1杯、八角2個、月桂樹の葉2枚、氷砂糖1.5〜2cm径の小塊2~3個程度。きっちり決めているわけではない。
④ 湯が沸騰したら、塩と③を加え、3~4分煮て火を止め、冷ます。
⑤ ささげを容器の直径に合わせてグッと巻きつけながら詰める。
⑥ ササゲを詰めながら、薄切りした生姜も入れる。今年は入れなかったが、好みで唐辛子を加える。昨年は入れた。
⑦ 冷ました漬け水をスパイスごと容器へ注ぐ。
⑧ 白酒を少量注ぎ、蓋をする。
漬ける日数2週間〜1か月程度。1週間くらい経ち、発酵が進み、漬け汁がより白濁してきたら冷蔵庫へしまっている。
テクニック的なコツは特にないそうだが「この時季が来たら気軽にじゃんじゃん漬けることが、酸豆角を楽しむコツ」。なぜなら「「酸豆角のおかずは、おかわりが止まらなくなるうまさ」だからだ。
食べ方で圧倒的に多いのは、酸豆角炒肉末。「最強のごはんの友です。辣油と刻みネギを加えて和え麺にもしてもいいし、ビーフンやパスタもイイ! 酸豆角のカットをちょい長めにして、酸豆角炒肉絲(発酵ささげと肉の細切り炒め)にしたり、じゃがいもと炒める酸豆角炒土豆も合いますね」
ちなみに「ささげが入手できない、でもあの味食べたい!という欲に駆られたときは、インゲンでも漬けちゃいます!」。さらに手軽に漬けたいときは、以下のような漬け方もあるとか。
① ささげの両端の硬い部分を切る。
② 鮮やかな緑色になる程度30〜40秒くらい、サッとゆでる。
③ 表面の水分を乾かす。
④ 漬け汁をつくる(前述のレシピ同様。香辛料は花椒と塩だけでもOK)。
⑤ ジップロック®へ、ささげ、生姜、漬け汁、白酒を入れ、空気を抜いてチャックを閉める。
⑥ 漬け始めてから4~5日で食べ始められる。
「初めて食べたのは、湖南省長沙市へ旅したとき。その店で作り方も初めて聞ききました。今は、遠い味と話の記憶、訪ね歩いた数々の中華料理店で食べた記憶をベースに、いろいろな動画を観て、自分好みの作り方が定まってきました」
何度も漬ければ、好みの加減も見えてくる。こうして5人の酸豆角づくりを教えていただいたところで、次回は“みんなのコツ”をまとめ、総集編としてご紹介しよう。
続編>とことん知りたい!酸豆角(スァンドウジャオ)の作り方総まとめ&酸豆角炒肉末レシピ
TEXT サトタカ(佐藤貴子)
PHOTO&取材協力 塩谷卓也、リンセイ、田中慈、北村浩司、愛吃(以上ページ順)、サトタカ