おいしさひとしお!自家製酸梅湯で自分だけの夏バテ予防ドリンクを作ろう

作ること自体はとても簡単な酸梅湯。市販の濃縮タイプやペットボトルタイプはすぐに飲めて便利ですが、自分で煮出して作ると、とてもおいしく感じます。

とはいえ、必要な材料を揃えるのは少々面倒ですよね。そんなとき便利なのが、材料が1包にまとまった酸梅湯キット。中華食材店が集まる池袋では『友誼商店』や『海羽日光』などで購入でき、遠方の方はオンラインショップで買うことができます。

砂糖以外の材料がまとまった乾物キット。

中華食材店で買った写真の台湾産酸梅湯キットは、砂糖がついてないので、自分の好きな分量だけ追加できるタイプ。25分間煮出すだけで、簡単に酸梅湯を楽しめます。

烏梅、山楂、甘草、洛神花、陳皮入り。

完全自作は烏梅の手配がポイント。薬膳専門店や漢方薬局に当たってみよう

キットも試して、いよいよ自分好みの味を作りたい!となったら、材料を揃えてトライしてみましょう。組み合わせはさまざまですが、私が作っているのは烏梅、山楂、甘草、陳皮、洛神花(ローゼル)、桂花(金木犀)を煮出したものです。

この中で、中華食材店で手に入りにくいのが烏梅。食材としてはあまり使われないので、薬膳材料を販売しているオンラインショップなどから購入する必要があります。ちなみに漢方薬局から取り寄せる場合は500gからと単位が大きいことが多いです。

また、酸梅湯の原料は中国産や台湾産のものが多いですが、日本国内では奈良県で烏梅を作っているところがあります。

製法は文化庁の選定保存技術になっているそうで、遣唐使の時代に奈良にもたらされたのだとか。奈良では伝統的な染色に使われているほか、烏梅茶、酸梅湯の原料として使う方も。こちらもオンラインショップで購入できます。

参考までに、私のレシピはこちらの通り。

<はっしーの酸梅湯レシピ>
烏梅 3粒
山楂(山査子) 20g
洛神花 10g
甘草(リコリス) 3g
桂花(金木犀)  3g
陳皮 2g
水 1,000cc
氷砂糖 100g

作り方のポイントは3つあります。

・桂花以外の材料は一度水洗いしてから煮込むとよいです。
・煮込んでいる最中に蓋をしないと水分がどんどん減ってしまうので注意してください。
・最後の方で甘みを加え、濾したらできあがり。トータルで1時間ほど煮ます。

烏梅を多めにすると漢方らしさが全面に出て、山楂や洛神花を多くすると甘酸っぱくなります。烏梅、山楂、甘草以外はプラスアルファの風味づけになりますので、好みで増減してみてくださいね。

酸梅湯キットでつくる酸梅湯。25分間煮出します。好みで棗を加えたり、山査子を増量しても。photo by Takako Sato

1週間ほどいろいろな酸梅湯を飲み続けていたのですが、毎日暑い中、体調がよいです。もしかすると、酸梅湯が効いているのかも…? 酸梅湯は汗のかきすぎを防ぐといわれますが、もしかしたら胃腸を整えてもらえたのかもしれないと思っています。感じ方は個人差があると思いますが、バテずに猛暑を乗り切るために、さっそくこの夏試してみてはいかがでしょうか。

[ご注意] 酸梅湯に使われる材料には、食材でもあり、漢方薬として配合されるものもあります。妊産婦の出産前後をはじめ、持病のある方は事前に禁忌を確認するようにしてください。


文中でご紹介したお店

街角饅頭店 吉祥天
東京都杉並区西荻北3-11-18(MAP
TEL 03-6913-5659
営業時間 11:00-15:00 ※ディナーは予約制17:30-21:30(要問い合わせ)
不定休
オフィシャルサイトInstagramFacebook

古月 新宿
東京都新宿区新宿1-5-5 御苑フラトー2F(MAP
TEL 03-3341-5204
営業時間 ランチ11:30-14:00 ディナー17:30-21:00
月火定休
オフィシャルサイトInstagramFacebook

東華 涮肉(東華しゃぶしゃぶ)
東京都豊島区北大塚2-11-4 三浦屋ビル(MAP
TEL 03-5980-9046
営業時間11:00-23:00
無休(臨時休業あり)

楼上 重慶火鍋 西葛西店
東京都江戸川区西葛西5-5-17 西葛西駅前ビル6F(MAP
TEL 03-6808-6482
営業時間12:00-22:30
無休(臨時休業あり)
オフィシャルサイト

DAYLILY(デイリリー)
オフィシャルEC(濃縮酸梅湯店舗一覧)|InstagramFacebookTwitter

酸梅湯本舗
神奈川県横浜市都筑区川向町1361-1(静水社)※BtoBの企業です
取扱小売店:日本橋古樹軒(EC楽天市場店)、横浜中華街の中華食材店など


参考サイト
老北京酸梅湯(さんめいたん)は誰が発明したのか?(『北京観光』2022年05月20日)


TEXT&PHOTO:はっしー
学生時代に中華圏の近代史を学び、中華POPSを愛聴。上海および香港在住を経て、現在は日本在住。中華料理は食べる専門だったのが、作るほうにも目を向けるようになったのはここ数年。上海界隈から南の沿岸部、香港、マカオ、台湾の味が好み。>過去記事はこちら