近年日本でも増加中!水より飲めるふるふる物体「冰粉(ビンフェン)」の作り方

そもそも冰粉(ビンフェン)とはなにか?というと、ナス科オオセンナリ属の大本炮仔草(Nicandra physalodes)の種子から作るゼリーのことだ。

冰粉(ビンフェン)のもと。

では、このつぶつぶをどうやって固めるのだろう? 作り方をご紹介しよう。

[冰粉の材料 ※半量でもOK]
・水 1,500cc
・冰粉籽(ビンフェンの原料となる種子) 50g
・消石灰 5g
・消石灰に加える水 250cc
・布袋と紐(さらし(布)、ストッキングなど、冰粉籽を入れ、口を閉じるもの)

[1]消石灰(水酸化カルシウム)に水を加えて20~30分放置する

消石灰(水酸化カルシウム)。こんにゃくを固めるときなどにも使われるアルカリ性の食品添加物だ。

いきなりだが、この白い粉は消石灰(水酸化カルシウム)である。消石灰は白色の粉末状で、強アルカリ性の食品添加物。コンニャクを固めるときなどにも使われている。

まずはこれを小さなボウルに入れ、水を注いでかき混ぜた後、20~30分ほど放置する。消石灰は水に溶けにくい性質をもつため、しばらくすると沈殿した粉と、透明な水に分かれる。

計りの上で水を入れると失敗がない。

詳しくは後述するが、この澄んだ液体が、冰粉を上手に固める鍵を握っている。

[2]冰粉籽(ビンフェンのもと)を布袋に入れ、袋の口を閉じ、水に3~5分ほど漬ける

次に、冰粉籽を布袋に入れる。袋があれば便利だが、袋がなければ布に包んで「てるてる坊主」状にするなど(写真上)、揉みやすいかたちにする。包んだら、水(分量外)に3~5分ほど浸し、全体を潤しておく。

こういう袋があると便利。

[3]清潔なボウルに水を入れ、袋に入れた冰粉籽を10~15分ほど揉む

さて、ここからがおもしろいところだ。ボウルに水を入れ、冰粉籽を包んだ袋を中に入れてもみもみする

このとき、中の種をこすり合わせるように揉むと、水が次第にもったりととろみのついた触感に変化し、布袋の表面はぬるぬるとしてくる。これは、揉むことで冰粉籽に含まれるペクチンが水中に出てくるからだ。

ペクチンとは、植物に含まれる食物繊維の一種。植物細胞をつなぎ合わせる働きを持ち、水と親和してゲル化する(ゼリー状になる)作用をもっている。

どんな植物にもペクチンがあるが、とりわけ冰粉籽はペクチンを多く含む。そのため、このように揉むだけで、水にとろみがついてしまうというわけだ。

[4]冰粉籽の袋を取り出し、石灰水の上澄みを3のボウルに加え、よく混ぜる

ペクチンでとろみがついたはいいが、このままでは「フルーチェ」よりゆるい。そこで消石灰(水酸化カルシウム)を水に溶かした水溶液(石灰水)の出番である。

なぜなら、ペクチンはカルシウムと結合してゲル化する性質を持っている。石灰水はカルシウムイオンを含んでおり、石灰水を加えると、冰粉籽から抽出されたペクチンのカルボン酸と結合して、ゼリー状に変化するのだ。

なお、石灰水を冰粉籽を揉み出した液に加える際は、透明な上澄みのみを少しずつ加え、手早くしっかり混ぜる。ここで上澄みを一気に入れてゆっくり混ぜたり、沈殿した粉の部分を入れてしまうと失敗する。

こうしたミスを少しでも防ぐためには、あらかじめ透明な液体のみを、注ぎ口がついているカップに映しておくといい。入れる速度をコントロールしながら、スムーズに注ぎやすくなる。

[5]1~2時間ほどおいて固める

ボウルのまま、または深型バットなどに入れて1~2時間ほど置くと、ほぼ液体だった冰粉がぷるるんと固まる。常温でもいいが、冷蔵庫に入れると冷たく仕上がり、食べやすいのでおすすめだ。2時間経っても固まらなかったら、冷蔵庫により長めに置くと固まりやすくなる。

[6]好みのソースとトッピングをたっぷりかける&のせる

器にすくいとった冰粉。ぱっと見、固まっているのか固まっていないのかよくわからない。

無事に冰粉が固まったら、大きめのスプーンなどですくって器に入れる。ぱっと見あまり固まっていないようでも、トッピングをのせると固まっているかどうかが一目瞭然。

例えば、サトウキビを絞って煮詰めた汁(ボカ)をかけるとこのように。下の写真だと固まっているのが少しわかりにくいが……

黒蜜をかけてみた。

トッピング(シャインマスカットと白玉団子)をのせるとこのように。ちゃんと上にのってますね。

また、黒蜜を甘酒やフルーツソースに変えてもいい。白ごまや砕いたピーナッツなどのナッツも非常によく合う。

甘酒&シャインマスカット&白玉団子に白ごま、ピーナッツバージョン。

こうなると、完全においしそうな夏の中華スイーツのできあがりだ。

ところで、ここまで読んで「冰粉と愛玉はそっくりだけど、そもそも何が違うんだ?」と思った方もいるかもしれない。そこで次のページでは、愛玉子と冰粉の違いについてややねちっこくご紹介したい。

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