【食養生×ヨガ】東洋の叡智で身体をキレイに!秋編
1:秋の不調はこれでケア!家庭でできる東洋医学的養生法
2:営養薬膳大師・山中一男先生の秋の食養生レシピ
3:心を整える呼吸法&ダイニングでお手軽椅子ヨガ
ここでは前ページの「肺を潤し、きめ細やかな肌と巡りのいい身体をつくる3つの食品群」をベースに、家庭でできる秋の食養生レシピをご紹介。いずれも東洋医学の観点を取り入れた、家庭で手軽にできる中国料理です。
レシピ | 養生スープ | 炒めもの | デザート① | デザート② | 茶
牛すね肉とクレソン・しいたけの養生スープ(西洋菜炖牛肉)
潤肺止咳(じゅんぱいしがい=肺を潤し咳を止める)のクレソン、益気血(えっきけつ=気を高めて血を増やす)の牛肉、ふっくらと戻したしいたけが主役のスープ。だしは干し貝柱と干ししいたけの風味で滋味深い味わいに仕上がっています。牛肉は、すね肉を3時間かけて煮込むのでほろほろとやわらか。クレソンの青みが鮮やかです。
Recipe:
牛すね肉とクレソン・しいたけの養生スープ(西洋菜炖牛肉)
材料(4人分) |
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牛すね肉 |
… |
100g |
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クレソン |
… |
1束 |
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干し椎茸 |
… |
4個 |
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干し貝柱 |
… |
1個 |
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水 |
… |
1リットル |
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塩 |
… |
適量 |
手順 |
(1) |
干ししいたけは一晩水に漬けて戻す(戻し汁は使わない)。 |
(2) |
牛すね肉は一口大にカットし、お湯でさっとボイルしてアクを取り除く。 |
(3) |
クレソンは茎と葉の部分に切り分ける。 |
(4) |
鍋に(1)、(2)と、(3)の茎部分、干し貝柱を入れて弱火で2~3時間、牛すね肉が柔らかくなるまで煮込む。 |
(5) |
仕上げに、(3)の葉部分を加え、5分加熱し、好みで塩で味を調える。 |
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スミイカと銀杏・ユリ根の炒めもの(百合白果炒墨魚)
滋陰養血(じいんようけつ=血を増やし、栄養と潤いが全身に行く)のイカと、温肺益気(おんぱいえっき=肺を温め、身体にエネルギーを与える)の銀杏、ユリ根の炒めもの。いろんな食感が楽しめ、彩りも美しい一品です。
Recipe:スミイカと銀杏・ユリ根の炒めもの(百合白果炒墨魚)
材料(4人分) |
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スミイカ |
… |
1杯 |
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セロリ |
… |
1本 |
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ユリ根(生) |
… |
1/2個 |
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銀杏(殻付き) |
… |
8粒 |
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白ネギ、ショウガ |
… |
各少々 |
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サラダ油 |
… |
適量 |
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調味料 |
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ナンプラー、日本酒、老酒、中華スープ |
… 各小さじ2 |
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オイスターソース |
… |
少々 |
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水溶き片栗粉 |
… |
小さじ1 |
手順 |
(1) |
スミイカは掃除をし、包丁で切れ目を入れて一口大にカットし、水溶き片栗粉をよく絡ませる。 |
(2) |
ユリ根は汚れを取り、一口大にカットする。銀杏は殻をむいて熱した油に通し、薄皮をむいておく(水煮を使用する場合はこの工程は不要です)。白ネギは1cm幅、ショウガは薄切り、セロリは3cm幅にカットする。 |
(3) |
(1)と(2)のユリ根、セロリを油通しする。 |
(4) |
フライパンに油を少量ひき、(2)のネギ、ショウガを炒めた後、(3)の材料を加え、調味料を一気に加えて炒める。 |
調理のポイント
味付けはナンプラー、日本酒、老酒、中華スープの同割で合わせたものにオイスターソースを少々。ここに匂い消しに香菜を刻んで加えるのがポイントです。ここでは生のスミイカを使用しているので、下味に塩は使わず、水溶き片栗粉をからめるだけでOK。イカに松笠の切り目を入れているので、セロリにも隠し包丁を入れ、噛み切りやすくするとより丁寧な仕上がりになります。 |
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杏仁豆腐 肺を潤すフルーツ添え(杏仁豆腐)
潤肺止咳(じゅんぱいしがい:意味)の南杏(なんきょう)を使った杏仁豆腐は、弱った肺をサポートしてくれるデザート。空気が乾燥する時期に、肺の潤いを保つといわれるナシと、養血の働きをするドラゴンフルーツも入っています。
Recipe:杏仁豆腐 肺を潤すフルーツ添え(杏仁豆腐)
材料(4人分) |
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南杏 |
… |
100g |
|
水 |
… |
700ml |
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砂糖 |
… |
50g |
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ゼラチン |
… |
15g |
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粉寒天 |
… |
3g |
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アーモンドエッセンス |
… |
適量 |
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季節のフルーツ |
… |
適量 |
|
シロップ(砂糖1:水2) |
… |
適量 |
手順 |
(1) |
南杏は一晩水に浸けたあと、ミルで砕き、700mlの水を加えてひと煮立ちさせる。 |
(2) |
(1)を布でこして、500mlの汁をとり、砂糖、寒天を煮溶かす。火を止めてゼラチンを加えて容器に流し入れる。 |
(3) |
器にカットした(2)と(3)を盛り、フルーツを飾り付け、シロップ(※)を注ぐ。 |
(※) |
シロップの作り方:分量の砂糖と水を火にかけて溶かし、冷蔵庫で冷やす。 |
上の写真が杏仁豆腐のもとになる南杏。「さぁ本物の杏仁豆腐を食べてくださいね」と山中先生が南杏を見せてくれました。白い杏の種の仁(=核)を見るのは初めてという人も多かったよう。これを一晩水に漬けたのち、ミルで粉砕して水を加えて煮立て、漉して使った本物の味は、杏仁霜やアーモンドエッセンスを使ったものとは風味が格段に違います。また、滋陰潤肺(じいんじゅんぱい=肺に栄養と水分を与え、呼吸機能を正常に戻す)効果のある白キクラゲを添えると、より季節に合った一品に仕上がります。
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白キクラゲ入り緑豆あんの白玉団子(銀耳緑豆糯米滋)
祛風清熱(きょふうせいねつ=風邪を除き、身体の内部の熱を冷ます)の働きがある緑豆は、中国ではアイスキャンディーになっているほどメジャーな食材。滋陰潤肺(じいんじゅんぱい=肺に栄養と水分を与え、呼吸機能を正常に整える)白キクラゲは美肌効果も期待できます。
Recipe:白キクラゲ入り緑豆あんの白玉団子(銀耳緑豆糯米滋)
材料(約50個分) |
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<緑豆あん> |
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緑豆 |
… |
1カップ |
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砂糖 |
… |
1/2カップ |
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水 |
… |
2カップ |
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ラード |
… |
少量 |
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(なければ入れなくても大丈夫) |
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<団子生地> |
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白玉粉 |
… |
150g |
|
砂糖 |
… |
70g |
|
水 |
… |
110ml |
|
ラード |
… |
35g |
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浮き粉 |
… |
30g |
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熱湯 |
… |
45ml |
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<シロップ> |
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砂糖1:水2 |
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白キクラゲのシロップ煮(※) |
… |
適量 |
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(※)白キクラゲは水で戻したあと、シロップで柔らかくなるまで煮ておく。 |
手順 |
<緑豆あん:仕上がり量約500g> |
(1) |
緑豆1カップは一晩水に浸けておく。水けを切って鍋に入れ、水2カップを加え煮立てて、柔らかくなるまで弱火で煮る。 |
(2) |
柔らかくなった緑豆に砂糖を加えてさらに煮詰め、ラード少量を加えて練るように混ぜる。バットにあけて冷ます。 |
<団子生地> |
(1) |
浮き粉に熱湯を加えて混ぜ合わせ、蒸らしたあと、麺台でよく練る。 |
(2) |
白玉粉に砂糖を加え、水を入れてよく練る。 |
(3) |
(1)、(2)にラードを加えてよく混ぜ合わせる。 |
<仕上げ> |
緑豆あんを団子生地で包み、沸かしたお湯でゆで、浮き上がってきたら冷水にとる。水けを切って器に盛り、白キクラゲを添え、シロップを注ぐ。 |
調理のポイント
白玉粉だけでなく、つなぎとして浮き粉を入れるのがポイント。浮き粉は小麦粉のでんぷんですが、生地に入れることで扱いやすく、しっとりした食感に仕上がります。浮き粉を練るときは必ず沸騰した湯を使うことを忘れずに。 |
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ラカンカとビワの葉茶(羅漢果枇杷葉茶)
まるで黒砂糖のような甘味を感じさせるお茶。枇杷(びわ)の葉と甘味料にも使われる羅漢果(らかんか)には、清肺止咳(せいはいしせき=肺の熱を持った状態を改善する、咳を止める)効果があります。
(写真右:球状のものが羅漢果。緑の葉がビワの葉です)
Recipe:ラカンカとビワの葉茶(羅漢果枇杷葉茶)
材料 |
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羅漢果 |
… |
1/2個 |
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枇杷の葉 |
… |
3枚 |
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水 |
… |
1リットル |
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手順 |
(1) |
羅漢果と枇杷の葉を大まかに手で砕き、水と一緒に弱火で15分ほど煎じる。 |
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西太后の湯
今回のセミナーはなんとおみやげ付き!肌のキメを整え、かゆみを除くという、まさに秋の肌トラブルを解消する生薬配合の入浴剤「西太后の湯」です。
西太后といえば悪女、清王朝の権力者というイメージかもしれませんが、実は美肌の持ち主で73歳まで長寿を全うした人物。こちらは実際に西太后が入浴剤に使っていたといわれる生薬の一部、桑の葉、野菊花(シマカンギク)、ハトムギ、ツルドクダミの根を山中先生が配合されたものです。帰宅後も肌をいたわるお土産付とあって、とっても得した気分になれました!
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さて、食べているだけでは健やかにはなれません。続いては「心を整える呼吸法」と、座ったまま手軽にできる「椅子ヨガ」で、心身をリフレッシュする方法をご紹介します。
≫NEXT:ダイニングやオフィスでも手軽にできる!呼吸法&椅子ヨガとは?
C’s Kitchenのご紹介
2013年5月にできたC’s Kitchenは、中華食材の専門商社、株式会社中華・高橋が運営する「日本の中華をもっと楽しく」するキッチンスタジオ。
プロユースの厨房施設と開放的なダイニングを揃えており、中国料理と異なるジャンルとの融合から生まれる新しい種(Seeds)の出発点として、今回のようなイベントも随時開催しています。
なお、次回の「食養生×ヨガ」コラボレーションイベントは2014年2月4日(火)に開催予定。「冬の食養生-”腎“をケアしてアンチエイジング-」がテーマです。
▼C’s kitchen・イベントに関するお問い合わせ
TEL 03-3820-0030 担当:笠原(株式会社中華・高橋)
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>C’s kitchen オフィシャルページ
TEXT 吉谷環
PHOTO 小杉勉