牛すじとろとろ、スープはガツン! 料理下手でも失敗しない川式牛肉麺の作り方
この手の料理は、少量を煮込んで作るよりも、大量の肉をしっかり煮込んだ方が圧倒的においしくなる。出汁となる食材の総量が多い方が、汁に抽出されるうまみも大きいからだ。レシピはまあまあ細かく書いてあるが、大雑把でも手抜きをしても、おいしくできることを約束する。

<材料(小さめのどんぶり4杯分目安)>
・牛すじ 650g
・水 2.2リットルくらい
・筍 お好みで
・青菜 お好みで
調味料
・豆板醤 150g(塩分による。120gくらいでもOK)
・黒糖 小さじ1強
・菜種油 適量
香辛料(すべてホールのまま)→一部代替・省略可→五香粉小さじ2杯でも可(香りは減る)
・八角(スターアニス)2個
・草果(ブラックカルダモン)大1個 ※グリーンカルダモンで代替する場合は8粒
・丁香(クローブ)1粒
・月桂樹の葉(ローリエ)10枚程度
・桂皮(シナモン)5g(細1本)
・花椒 大さじ3分の2程度
・陳皮(乾燥みかんの皮)1片
香味野菜
・生姜 20g(スライスして10枚程度)
・にんにく 2~3個
・葱の青い部分 2本分程度(なくてもよい)
薬味(仕上げ用)
・小ねぎ 適量
麺
・細めのうどん、そうめん、中華麺など
川味牛肉麺の調理プロセス
1:牛すじのアクをとる。
牛すじを沸騰した湯に入れ、強火にして出てきたアクを一気に取り除く。あまり出てこなくなったら、牛すじをザルに上げる。



2:スパイスを炒めて香りを出す。
中華鍋やウォックパンなど、やや深さのある鍋に油を気持ち多めに入れて弱火にし、まだ油がぬるいうちにスライスした生姜、叩き潰したにんにく、陳皮を除く香辛料(八角、草果、丁香、月桂樹の葉、桂皮、花椒)を入れる。


なお、炒めるプロセスが面倒な方は、前ページで触れた通り、スパイスをお茶パックなどに入れ、煮るときに入れてもよい。その場合、生姜とにんにくは豆板醤の前に炒める。ホールスパイスを使わず、五香粉で作る方は、牛すじを煮るときに振り入れよう。
3:牛すじを炒める。
弱火でじっくりと焦がさないように香辛料を加熱し、香りが出てきたら、①の牛すじを入れて一緒に炒める。全体に香りが移ったら火を止める。

4:豆板醤を炒めて香りを出す。
鍋に油を入れ、大き目の鍋で、豆板醤と陳皮を焦がさないように弱火でしっかりと炒める(2リットル以上の水を加えるため、大きめの鍋がいい)。豆板醤はゆっくりと油で炒めて香りを出すのが鉄則。火を強くすると、焦げる上に豆板醤が飛び跳ねる。

5:スパイスと牛すじを分ける
煮る前のひと手間となるが、牛すじと一緒に炒めたスパイスをお茶パックなどに移してから鍋に入れると、取り分けるとき邪魔にならない。花椒は長時間煮過ぎると苦みがでるため、花椒とそれ以外のスパイスを分けてもいいだろう。そうすると、花椒のパックだけ途中で取り除くことができる。いずれも気にならない方はそのままで。

6:すべてを煮込む。
炒め終わった豆板醤の鍋に水を注ぎ、牛すじと黒砂糖を入れて弱火で2時間ほど煮る。筍を入れるときはこのタイミングで入れよう。さらに葱の青い部分や香菜の根を入れると、スープに香りが加わる。



7:麺をゆでる。
麺は細めのうどんや冷麦がおすすめ。中華麺でもよいが、現地の気分として、縮れのないまっすぐな麺がいい。

8:いただきます!
麺を器に盛り、牛すじや一緒に煮込んだ筍などをトッピングし、煮えたぎるスープをざざーっと注ぐ。食べる直前に小ねぎを散らして一気呵成にどうぞ!
繰り返しになるが、レシピにあるスパイスが全部揃わなくても牛肉麺はできる。手持ちの食材で作ってみて、気に入っていただけたら、恐らく貴宅の豆板醤はこれからガンガン減るようになるだろう。そうしたら、また新しい豆板醤を買おう!
★もしもスープが余ったら、または少なくなったら
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RECIPE・TEXT・PHOTO サトタカ(佐藤貴子)