同じ米の酒でも、「米酒」と「黄酒」はどう違う?

さて、「紅塵再(ホンチェンザイ)」で食事のあと、安昌古鎮を散策しました。平日でしたが、地元の人々と観光客とが入り混じり、人の往来が多く、人気の高さが窺えます。

ここでも紹興名物、臭豆腐の香りがぷんぷんと漂います。路地を入っていくとさらに路地が。脇道に逸れてみるのも楽しい!
端から歩いていくと、自家醸造として売られている中国酒が至る所に並んでいました。ラベルやメニューには黄酒とは書いておらず「米酒」や「糯米酒」と記載されています。

これらは黄酒と何が違うのでしょうか?
米酒・糯米酒とは、一般的には熟成していない新酒をいいます。糯米を発酵させるための糖化発酵剤には酒曲(米麹)。米が濾されていないものもあり、日本でいえば、濁り酒やどぶろくに近いです。
一方、黄酒は一般的に熟成している酒を指し、発酵には麦曲(麦麹)や紅曲(紅麹)を使用します。黄酒の中には酒曲を使うものもあるので、熟成の有無が大きな違いといえるでしょう。
なお、この米酒という名称は蒸留酒である白酒でも用いられることがあります。例えば、広西チワン族自治区では、蒸留酒・醸造酒ともにこの名称が使われていました。
振り返ると、中国では地域によって酒の呼称が認識が統一されていない印象もあり、お酒のジャンルについてあまりこだわりを持っていないようにも感じられます。今後、もっと中国酒文化を深めていくためには、同じ造りの酒の名称を統一することも課題のひとつなのかな、と勝手ながら思いました。

さて、話は戻って米酒の味ですが、米らしい甘味と爽やかでフルーティな酸味がほどよく混じり合い、おいしい!日本酒が好きな方にはきっと親しみやすい味わいです。
ご興味のある方はぜひ「紅塵再」への訪問と共に自家醸造の米酒を巡って散策してみてはいかがでしょうか。米酒を使ったジュースなどもあり、お酒が弱い方もきっと楽しめるはず!
ホンモノの古鎮には、まだまだいい酒が眠っている
中国は全国各地で都市化・観光地化が進み、昔ながらの古い街並みも減少傾向にあります。まだ素朴な雰囲気を残す安昌古鎮も、いつまでこの姿を留めているかはわかりません。今、こうした風情ある街を訪れ、ぶらりと散策するのも、きっと良い思い出となることでしょう。
今回の酒旅は、私自身まだまだ見知らぬ黄酒があると痛感した旅でもあり、「もっといろいろな場所に行きたい!」という思いが強くなった旅でもありました。
今年もまた中国へ行きます。またユニークで面白い中国酒との出会いをお伝えしていけたらと思っております。中国酒好きな皆さん、乞うご期待!今年もよい酒ライフをお過ごしください。下次见!
※追記
国稀酒業の黄酒は「国稀-GOHI-」というブランドで展開しています。まだ流通はしていません)。記事でご紹介している黄酒は全て「国稀-GOHI-」ですが、度数などタイプ毎に名称がつけられているので、その名称を記載しています。
TEXT&PHOTO 門倉郷史(かどくらさとし)
中国郷土料理店に9年在籍し、黄酒専門ECサイト「酒中旨仙(うません)」の仙長を兼任。退職後、中国酒専門ブログ「八-Hachi-」を運営。黄酒が楽しめる店、ひとり呑みができる中華料理店を紹介するほか、各種イベントを主催。2023年9月、日本初の黄酒ガイドブック『黄酒入門』を上梓する。







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