都内近郊で台湾各地の魯肉飯巡り!台南・屏東編

【台南の味】甘蔗糖の甘味にきゅん!『Taiwan Bee』の魯肉飯

銀座線末広町駅からほど近い、『コロンホテル』の1階にある『Taiwan Bee』。店は2022年3月にオープンしたばかり。こちらでは、日本人向けになっていない台南の魯肉飯(現地でいうところの肉燥飯)が楽しめます。

『TaiwanBee』の魯肉飯。

台南の料理は甘蔗(サトウキビ)からとった砂糖がポイントで、甘めの味付けの料理が多いです。こちらの魯肉飯も、そんな台南風味そのままに、甘くトロトロのお肉が特徴のひとつ。さらに嬉しいことに、滷汁もたっぷりかかっています。

台南出身のシェフ・方さんに話を伺うと「日本にはない台湾の甘蔗糖を使っていて、日本の砂糖ではつくれない、台南の味を出しています」とのこと。小さなお碗での提供されるため、より現地らしさも感じられますね。

メニューはラインナップが多い上、日本ではあまり見かけない料理が並んでいるので、「これは通わねば」と思って足を運ぶこと数回。ひとりでも行きやすい小皿料理が充実しており、味付けは全般的に濃いめで、お酒にも合う料理も多々。

『TaiwanBee』内観。モダンですっきりとした内装です。

テイクアウトにはしっかりした器を使っていて、安心して持ち帰りもできそう。また、注文はスマホでQRコードを読み込むシステムで、支払はスマホ内のクレジット決済でも、旧来通りカウンターで現金払いもできます。

シェフの方さんはご実家が飲食店を経営されており、料理について話を聞くと止まらないほど話題が豊富。ホールのスタッフも台湾出身の方々で、皆さんフレンドリーで居心地のよい空間です。いっそのこと、ホテルに宿泊して台湾料理を楽しむのもアリですよ。

『TaiwanBee』でテイクアウトした魯肉飯。
『TaiwanBee』は『コロンホテル』の1Fという立地。カフェ利用やランチ、一人飲みにも。

【屏東の味】かつおだしが決め手!『街角饅頭店 吉祥天』の魯肉飯

西荻窪の神明通り沿いにある『街角饅頭店 吉祥天』は、台湾最南端の屏東県で育った邱さんの店です。ご両親が客家人で、幼いころに暮らした屏東だけでなく、台北の萬華にも住んでいたことから、南北どちらの台湾料理にも精通しています。

『街角饅頭店 吉祥天』の「滷肉飯弁当」。台湾式の弁当スタイルで提供中。昼限定です。
鉄道弁当スタイルもかわいいのです。

店で提供しているのは屏東、そして客家の味という魯肉飯です。蓋を開けると、海の香りを感じるのは、かつおだし(鰹出汁)を使っているため。「故郷は屏東の海岸も近く、漁港もあり、海の幸が豊富なんです」と邱さんは話してくれました。

魯肉飯が食べられるのは、ランチタイムに台湾式の弁当スタイルで2週間に1度ぐらい。やはり南部の味わいとあって、魯肉飯も焢肉も甘めですが、濃くない味付けで食べやすいです。

また、八角は入っていません。必ずというわけではありませんが、南部の魯肉飯は香辛料が控えめ、もしくは入っていないため、台湾の香辛料に慣れてない人にもおすすめです。

『街角饅頭店 吉祥天』外観。神明通りでひときわ目を惹くポップな外観です。

魯肉飯で台湾周遊!味の世界を旅しよう

当初はあまり深く考えていなかった台湾各地の味の違いですが、改めて意識して食べてみると、エリア別で選んだ魯肉飯はこんなにも違いがあるのか!と本当に驚きました。

また、「魯肉飯のことを話してほしい」と頼むと、もともとおしゃべりな台湾出身の方々は、さらに話が止まらなくなる…ということも新たな発見。さらに台湾内で他の地方へ引っ越しを経験されている方は、各地の味の違いを説明してくださり、勉強にもなりました。

ここでご紹介した魯肉飯以外にも、都内近郊で高雄や花蓮の味わいも楽しめる店があります。今後、魯肉飯を食べる際、どの地方か気にしてみると、ぐっと世界が広がるかもしれませんよ。

※この記事では、台湾の多くの店の表記に準じ「魯肉飯」と記しています。店名および各店のメニュー表記が「滷肉飯」となっている場合はそれに準じます。


文中でご紹介したお店

帆帆魯肉飯(ふぁんふぁんるーろーはん)
東京都世田谷区三軒茶屋1丁目5-17(MAP
営業時間
火木金ランチ12:00-15:00(L.O.14:30)ディナー17:00-20:00(L.O.19:30)
土日12:00-19:00(L.O.18:30)
月水定休
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【台北の味】阿Q麺館(あきゅうめんかん)
東京都江東区東砂7-10-12(MAP
TEL 080-4341-0066
営業時間
ランチ11:30-14:00 ディナー17:30-22:00
月火水定休
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【台中の味】台湾カフェ小玉(こたま)
茨城県つくば市吉瀬1876-1 つくば文化郷別館1階(MAP
TEL 029-845-3110
営業時間
ランチ(金土日のみ)12:00-15:00
ディナー(金土のみ)18:30-21:30 ※予約制 1人2,000円~
オフィシャルサイトInstagram

【台南の味】Taiwan Bee
東京都千代田区外神田6-10-3(MAP)※コロンホテル1F
営業時間
ランチ(火~金)11:00-15:00、ディナー17:00-21:00
土日祝12:00-21:00
TEL 03-6284-4606
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【屏東】街角饅頭店 吉祥天
東京都杉並区西荻北3-11-18(MAP
TEL 03-6913-5659
営業時間 11:00-15:00 ※ディナーは予約制。要問い合わせ
不定休
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参考文献・サイト
『吃的台灣史:荷蘭傳教士的麵包、清人的鮭魚罐頭、日治的牛肉吃法,尋找台灣的飲食文化史』(貓頭鷹出版 作者:翁佳音、曹銘宗)
『今日の東アジア料理史研究所』とろみ肉飯(滷肉飯)※上記の書籍の一部翻訳あり
『偶上福爾摩沙』你吃的是滷肉飯還是肉燥飯?南北美食戰爭正式開打!
『吃的台灣史』北部「滷肉飯」與南部「肉燥飯」差別不只在名稱,外觀不同,內容也不一樣
『西城』「ルーローハンを食べに行こうぜ」老闆,滷肉飯一碗!索艾克×西城 台湾台北老派特輯


ライター(TEXT&PHOTO):はっしー
学生時代に中華圏の近代史を学び、中華POPSを愛聴。上海および香港在住を経て、現在は日本在住。中華料理は食べる専門だったのが、作るほうにも目を向けるようになったのはここ数年。上海界隈から南の沿岸部、香港、マカオ、台湾の味が好み。>過去記事はこちら