焼きそばタイプも見逃せない!新疆名物・もちもち炒米粉と、米粉の名産地・江西炒米粉

スープに入った米粉をつるつると啜り上げるのもたまりませんが、焼きそばのように炒めて食べる米粉もあります。ご紹介するのは、辛味の効いた炒米粉(チャオミーフェン)。汁なしでも、お腹の中から温まります!

④池袋『火焔山 新疆・味道 新疆米粉専門店』の炒米粉(炒めビーフン)

新疆ウイグル料理店『火焔山 新疆・味道』が、米粉(ミーフェン)専門店として近隣に構えた店がこちら。米粉というと中国南方のイメージがあるかもしれませんが、新疆でも米粉は名物のひとつです。

『火焔山 新疆・味道 新疆米粉専門店』の外看板。

この店でも、周りを見渡すと多くのテーブルに運ばれているのが新疆名物の炒米粉(炒めビーフン)。肉は牛肉または鶏肉、辛さは微辣・中辣・爆辣から選択可能。牛肉・中辣で注文すると、赤が濃い! 豆板醤と辣油がたっぷりと米粉に絡んで、中辣でも辛味がガツンと効きます!

『火焔山 新疆・味道 新疆米粉専門店』の炒米粉(炒めビーフン)。

さらに具にはセロリと葱がたっぷりなのが嬉しい。豊かな香味を生みますね。汁ありの米粉ではありませんが、辛さでいつの間にか口中のみならず全身ホットに!

太目の米粉を使います。

店では米粉だけでなく、大盤鶏(鶏肉とジャガイモの新疆風煮込み:ダーバンジー)などの料理や、小麦粉の麺も食べられます。メニューはQRコード読み取り式。米粉は「米粉系列」のタブを開けて注文してください。

なお、中国物産店でも「新疆炒米粉」のパッケージをよく目にします。キャッチに「爆辣」「火辣誘人などとと書かれているように、辛味が要の味付けです。気になる方はインスタント麺売り場を見てみてくださいね。

中国物産店で販売されているインスタントの新疆炒米粉。

⑤入谷「中国江西料理 龍艶閣」の江西炒米粉(江西焼きビーフン)

日本でまだ少ない“江西省の料理を食べることができる店”として、認知度上昇中の『龍艶閣(りゅうえんかく)』。こちらでは「中国江西名物ビーフン」メニューがランチタイムから楽しめます。

「中国江西料理 龍艶閣」の「中国江西名物ビーフン」メニュー

江西料理の最大の特徴は、四川・湖南・貴州に引けを取らぬ辛さ。中国で辛さを表現する言葉は実に多彩ですが、江西は香辣・鮮辣(香り高い生唐辛子のストレートな辛さ)が効いています。

こちらで注文したのは江西炒米粉(江西焼きビーフン)。「辛さはどのくらい?」「中くらいかな。(江西人の)皆さんの普通でお願いします!」「すんごい辛いよ〜!大丈夫?」といったやりとりの後、「炒米粉、中辣!」と厨房へオーダーを通す声を確認。…大丈夫だったかな?と少しドキドキしながら待つ時間も楽しいもの。

味わいは中辣(中辛)でも唐辛子たっぷり、湯気とともに立ち昇る香りがもう辛い! 具には搾菜と青梗菜の豊かな風味と食感、卵がまろやかな後味を生み、食べ出したら止まりません。辛味を口の中でもしっかりと感じつつ、滝汗をかきながら一気呵成に完食してしまいました。

なお「中国江西名物ビーフン」メニューの中には、江西省省都の名物南昌拌粉(南昌和えビーフン)もありました。グランドメニューとは別刷りで用意された、中国語のみの「江西菜単(江西料理のメニュー)」にも米粉が載っており、ディナータイムも楽しめます。


記事でご紹介したお店

①本格湖南料理 李厨(りちゅう)高田馬場店
東京都新宿区高田馬場3-4-16 MKビル2階(MAP
TEL 03-6886-9751
ランチ 11:00-15:00
ディナー 17:00-24:00(23:00 L.O.)
不定休

②隴垣金城(ろうえんきんじょう)蘭州清湯牛肉面
東京都新宿区西早稲田1-9-10 扶桑ハイツ早稲田1F(MAP
TEL 03-6233-8278
ランチ 11:30-14:30
ディナー 16:30-20:00(スープがなくなり次第終了)
土曜定休

③回転火鍋 なべ丸
東京都台東区上野5-25-17 東成ビル1F(MAP
TEL 03-6881-6676
ランチ 11:30-15:00(14:30 L.O.)
ディナー 17:00-22:00(21:30 L.O.)
無休

④火焔山(かえんざん)新疆・味道 新疆米粉専門店
東京都豊島区南池袋1-20-11 森下池袋第5ビル 1F(MAP
TEL 03-6709-0342
ランチ 11:00-15:00(14:45 L.O.)
ディナー 17:00-23:00(22:30 L.O.)
不定休 1月1日〜年始休み

⑤中国江西料理 龍艶閣(りゅうえんかく)
東京都台東区入谷2-30-8 大久保ビル1~2F(MAP
TEL 03-3874-4033
ランチ 11:00-15:00(14:30 L.O.)
ディナー 17:00-23:00(22:45 L.O.)
無休

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text & photo :アイチー(愛吃)
中華地方菜研究会〜旅するように中華を食べ歩こう』主宰。中華料理にまつわるコーディネート、アドバイス、監修などを行う。一つの「食」を愛し、味も知識も徹底的に極めた「偏愛フーディスト」がプロデュースする期間限定レストラン『偏愛食堂』中華料理担当として、多彩な中華地方菜の楽しさを伝えている。★アイチー執筆・出演記事はこちら