緑の唐辛子が白くなる!究極の飯泥棒「白辣椒炒鹵味」でノンストップモツ
中国ではそれぞれの地域に唐辛子をおいしく食べる方法があるが、湖南省らしい唐辛子の加工品に、白辣椒(バイラージャオ)がある。
白辣椒(バイラージャオ)は、直訳すると白い唐辛子という意味だ。唐辛子といえば鮮やかな色が特徴だが、青唐辛子を熱湯に通し、ザルに並べ、風通しがよく日当たりのいいところでしっかりと太陽に晒すと、徐々に色が抜けて白くなっていく。
湖南省ではこれを刻んで軽く塩漬けにしたり、乳酸発酵させた唐辛子加工品として料理に使う。生唐辛子や乾燥唐辛子にはない爽やかな辛味が特徴で、噛みしめてもそれほど辛くなく、料理にするとほのかなうまみもある。
なかでも「湘南飯店」の料理人の出身地である衡陽市は、白辣椒の主要な産地。香りが良く、風味が強いといわれ、定評があるのだ。
そんな白辣椒を使ったおすすめの料理が、モツの煮込みを炒めた白辣椒炒鹵味(バイラージャオ チャオ ルーウェイ)である。

鹵味(ルーウェイ)とは、醤油やスパイスを使った調味液(鹵汁:ルージー)で味付けした煮込みのこと。中華おでんのような雰囲気で、モツ、卵、厚揚げなどが定番の食材だ。
その鹵味のなかでも、豚耳や牛の胃袋など複数のモツ煮を取り合わせ、白辣椒、ネギ、生姜などの香味野菜と炒め合わせたのが白辣椒炒鹵味(バイラージャオ チャオ ルーウェイ)。鹵味だけ食べてもおつまみに最適だが、白辣椒と炒めると、無限に酒を呼び、無限に米を呼ぶ。
この料理を口にしてまもなく、円卓を囲んでいた8人全員がたまらず白米を注文した。最初は4杯だけでいいか…なんて言っていたのに、1人1杯はマストと全員の本能が叫んだ。「湖南の白い唐辛子×モツ煮×炒める=無限酒・無限白米」という公式は覚えておきたい。
Made by 鮒(フナ)。魚のパイタンで味わうぴゅるぴゅるの米粉麺「衡阳鯽魚湯米粉」
最後にもう一品だけ選ぶなら、米粉(ミーフェン)を推したい。これは米の粉でつくられた麺のこと。中国南方ではメジャーな主食で、ぴゅるぴゅる、つるんとした食感と、軽い食べ心地が味わえる。
なかでも、この店ならではの逸品が「衡阳鯽魚湯米粉(衡陽名物 白濁したフナスープの米粉麺:衡阳鲫鱼汤米粉)」だ。

この料理は、フナを多めの油で煎り焼き、そこに生姜などの薬味と水をたっぷりと加え、強火で炊いて白湯(パイタン:白濁したスープ)を作り、米粉(ミーフェン)を入れて食べるというもの。
その持ち味は、魚の白湯(パイタン)特有のクリーミーで滑らかなテクスチャーと、肉の白湯にはない軽やかさ。ここでは味がいくぶん抜けた肉塊と干し椎茸もスープの中に入っていたので、これらもうまみの補強に使っていると思われる。
まったく辛くない料理であり、ランチメニューでも試せるので、こちらもぜひ体験していただきたい。
集え円卓の騎士たちよ!まだまだ食べたい湖南料理
いろいろ注文した中から3品を選んでみたが、他にも試してほしい料理はまだある。
例えば「小炒湖南香干」は、燻製した押し豆腐の湖南風唐辛子炒めだ。湖南省といえば、腊肉(干し肉)も燻製で仕上げるのが特徴。燻香と唐辛子の香りが合わされば、この上ないつまみになる。
また、ランチセットでも提供される「湘南泡菜」は、キャベツや大根などを乳酸発酵させた漬物で、ほどよい酸味が箸休めに絶妙。何人かで円卓を囲むなら、こういうものが一品あるとちょうどいい。

バエる料理という観点だと、八芒星の形をした「南瓜烙(ナングゥァールゥオ)」も捨てがたい。カボチャを細切りにしてでんぷんをまぶし、表面をカリッと揚げ焼いたこちらもおつまみに最適。
カボチャはほくほくとした食感を持つバターナッツを使っていることもあり、心地よい食感とほの甘さに癒やされる。

もうひとつ、野菜の料理で素材力を感じるのは「油渣上海青」。小塊にカットしてカリッと揚げ豚の脂と青梗菜と炒めており、シャワッと崩れるラードの香ばしさがたまらない。

このように、料理を挙げていくと切りがないが、グランドオープン前でもかなり楽しめるというのはわかっていただけたかと思う。
ちなみに、今回は8人で円卓を囲み、お酒も少々飲んで1人6,000円程度。「裏メニュー」にはすっぽん、熊の掌など高級食材もずらりと並んでおり、こちらは今後のお楽しみ。
湖南料理店にもいろいろあるが、衡陽名物が味わえ、素材を活かした中国料理がお好きな方なら、きっと楽しめるはずだ。
湘南飯店(しょうなんはんてん)
東京都台東区西浅草3-25-11(MAP)
※かっぱ橋道具街通り沿い。台東区立中央図書館そば
TEL 03-6231-6971
営業時間
11:30-12:00(L.O.14:00)
17:00-22:00(L.O.20:00)
X|Instagram|Table Check(予約)
※グランドオープンまではサービス料および個室料はなし
※グランドメニューにある料理でも欠品していることはあります
TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)







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