一面に広がる菜の花畑をイメージさせる黄色い皮と、あたたかな色合いのピンクや緑の彩り。春らしい、まさに「眼福」「口福」な一品ですね。
この点心を作られたのは、2016年、新たに古樹軒の料理教室『中国料理の友』のレギュラー講師になられた点心師・茂手木章先生。色鮮やかな菜花焼売、作り方のポイントはどこにあるのでしょうか。
【菜花焼売の作り方】
まず作るのは黄色い皮。材料は卵、水溶き片栗粉、塩で、これらを箸で混ぜ合わせます。この時、ホイッパーなどを使うと、コシのない生地になってしまうのでご注意を。ムラのない黄金色に仕上げるため、混ざったら丁寧に濾しておきます。
続いて生地を焼きますが、ここでは焦がさないよう、フッ素樹脂加工のフライパンなどを使うと便利。油を薄く引いたフライパンに生地を広げ、片面にじっくりと火を通しましょう。もう片面は油が付かないよう、フライパンをサッと撫でる程度の仕上げ返し。
火が通ったら、直径約7.5㎝の型でくりぬきます。皮の残りは、具の菜の花の残りと一緒に炒め、おかずにすると無駄がありません。
餡はむきエビ、筍、豚の背脂、そして菜の花の茎。菜の花の茎は輪切りにし、さっと炒めることで鮮やかな緑色に。炒めずにそのまま混ぜ込んでしまうと、くすんだ色になってしまいます。また、ごま油を入れることで、香り高い仕上がりに。餡を包むときは、油が付いていない面に載せることで、餡と皮が剥がれず、きれいに蒸し上がります。
最後は十分に湯気が上がった蒸篭で5分ほど蒸したらできあがり。そのまま味わうのもよし、赤酢を付けていただくのもよし。鮮やかな点心で春の訪れを楽しみましょう。
料理:茂手木章(点心師)
撮影:2016年2月9日の 古樹軒の料理教室にて
中国語料理名:菜花烧卖 (cài huā shāo mài / ツァイ ファ シャオ マイ)
text 近江文代
photo 西田伸夫