中国14億人の胃袋を満たす最強の家庭料理
中国の一般家庭で、ほぼどの地域でも作られている料理といえば、トマトと卵の炒めもの(西紅柿炒鶏蛋|西红柿炒鸡蛋)だろう。広大な中国は、地域によって主食が異なり、味付けもガラリと変わるが、トマトと卵は大陸のどこでも手に入りやすい食材で作れるとあって、中国人ならだれでも知っている料理といえる。
とはいえ、どこも同じかというとそうではない。砂糖を入れる派、にんにくを入れる派、炒めてから取り出す派など、細かく見るとそれぞれにこだわりがある。そんななか、見た目でわかる最も大きな違いは「つゆだく」か「つゆなし」かである。
つゆだくORつゆなし、どっちが好き?
「つゆだく」は、たっぷりのトマト汁の中に、炒めた卵と、少々ぐでっとなったトマトが入ったビジュアルがそそる。このタイプは、半分くらい味わったら麺を投入し、セカンドステージを楽しむのが最高of最高。むしろそのために作りたい。
そして「つゆなし」は、ふんわりと炒めた卵でトマトを包み込むように仕上げた卵料理だ。多くの家庭や店における定番の仕上げはこちらである。ごはんのおかずにぴったりで、この一品と、青菜炒め、白ごはん、漬物があれば完璧な献立ができあがる。
初めて「つゆだく」を食べたとき、その汁気のおいしさに震え、麺を入れたときの箸の止まらなさに夢中になった。一方、「つゆなし」を初めて食べたときは、やさしさと飽きのこない味わいに感動した。
そこで80C(ハオチー)では「どの主食と食べるか」に焦点を当て、「つゆだく」と「つゆなし」をそれぞれプロに教わってきた。