東京は日に日に中華圏化している…? そう思えてくるほど、ここ数年 “まるで中国” な中華料理店や食材店が都内各所にオープンしています。

特に池袋〜高田馬場〜新大久保、上野御徒町、錦糸町~新小岩~小岩界隈の動きは、80C(ハオチー)フォロワーの皆様ならよく知るところですよね。

例を挙げれば、中華式のフードコート「友誼食府」や「海底撈火鍋」「沙県小吃」などの現地有名チェーン店、地方菜(中国の一地方の郷土料理)に特化した店も続々登場。

そこで日本人から耳にするようになったのが、「行ってみたはいいが、漢字ばかりのメニューで何を注文していいかわからない」「行ってみたいが、どこに行っていいかわからない」という声です。

こういう壁張りメニューこそが本当の店のおすすめだ。「李厨 高田馬場店」で撮影。

そんな疑問に答えるように発売されたのが、現地系中華料理を巡るガイドブック攻略!東京ディープチャイナ(産学社)。

ここで紹介されているのは、本のサブタイトルにある通り「海外旅行に行かなくても食べられる本場の中華全154品」。紹介対象を中華圏のオーナーおよび料理人が腕をふるう店と料理に絞っており、海外旅行に行けなくなってしまった今だからこそ、こうした店で旅の気分を味わってほしい! という想いが込められています。

「本場の料理」といっても中華圏は広く、食材や料理の価格帯、手のかかる料理かどうかはさまざま。その点、ここで採り上げているのは小吃(軽食)や家常菜(家庭料理)が中心で、気負わず食べられるものばかり。

いずれも現地の庶民的な料理を紹介しており、巻頭ページには「この本を各店共通メニューだと思って使ってください」という宣言もあるほど。

重慶名物の豌雑麺(豌杂面)。えんどう豆と挽き肉を入れた麺料理。新大久保「辣遇見麻」で撮影

企画を立ち上げたのは、ライターの中村正人さんと、編集者の碓井正人さんという “ダブル正人” 。

中村さんは、かつて『地球の歩き方』で中国東北地方や極東ロシアなど “極東アジア” のガイドブック制作に携わっており、碓井さんは中国シリーズ全般に携わった経験のある方。その視点で見てみると、本書の構成や筆致も往年を彷彿とさせるものがあります。

本の内容は巻頭グラビア、地方ごとの料理分類、料理写真とその説明に、それらが食べられる店の紹介、コラム、マップなどで、どんな料理がどの店で食べられるかをA5サイズの本に凝縮。料理のキャプションが充実しているので、パラパラとめくって眺めて食べたい料理を探すのにも適していそう。

さらにガイドブックに先行して、ウェブサイトとYouTube『東京ディープチャイナチャンネル』も開設。あれこれ眺めているうちに「この料理を食べるために、この店行ってみよう」とわくわくしている自分がいるかもしれませんよ。

『攻略!東京ディープチャイナ』
東京ディープチャイナ研究会 編
産学社
1,375円(税込)
発売日:2021年6月30日
書店発売日:2021年6月22日
ISBN978-4-7825-3563-9 C0026
A5判/112ページ

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TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)