いざ実践!自作の地三鮮に進化はあるか?
帰宅してからさっそく作ってみた。ジャガイモは表面をたわしで洗い、皮のまま器にいれてラップをふわっと掛けて600Wレンチン6分。冷めて少し固くなるのを待ってから8等分。
ピーマンは、小さく切りすぎないように、頭を切り落としてから縦横半分に切り、4等分。ナスは乱切り。大きく切り過ぎないよう注意していたら、却って薄くなってしまった。太いナスだったので、先に半分に切るべきだったか。
にんにく、生姜は普段細かく刻みがちなので、意識して大きめに粗みじん。豆鼓は家に貴州豆豉(もとい干し納豆)しかなかったので、これで代用。豆豉醤はあったので、それを入れた方が近かったかも知れない。
家には「SABOTEN」の合わせ調味料の材料にあった、自家製チキンスープも水溶き片栗粉もないため、鶏スープの素(顆粒)、片栗粉、水大さじ2で代用した。参考までに、私のレシピはこちら。
<主材料> ナス1本(149g)、ピーマン2個(60g)、ジャガイモ小2個(222g) <薬味> にんにく1片(6g)、しょうが1片(8g)、長ネギ(5cm) <調味料・香辛料> 貴州豆鼓(14g)、豆板醤(小さじ1)鷹の爪(2本) <合わせ調味料> 砂糖 小さじ1、紹興酒小さじ1、醤油小さじ1、オイスターソース小さじ1、鶏スープ(顆粒)小さじ2分の1、片栗粉小さじ1、水大さじ2 ※胡椒、仕上げのごま油は入れ忘れ |
野菜の食感を決める“揚げ”プロセス
在宅勤務中は日々中華を作っていたが、既に外食生活に戻っているため、使い古しの油がほとんどなく、店とは異なるが新品の油を鍋に注いだ。
ジャガイモは表面が薄く色付くまで揚げるだけで、特に問題なし。新しい油だと、このまま食べてもおいしそう。
ナスとピーマンは、高温の油にナスを入れて10秒→上げる直前にピーマンを入れる、とやるつもりが、ナスの投入と引き揚げの双方に手間取っている内に、少し火が通り過ぎてしまった。ここはステップを踏んで、別々で揚げるのがいいかも。
香り高い風味を引き出す“炒め”プロセス
野菜の下ごしらえが終わったら、炒めダレの調理に取りかかる。まず、豆板醤を炒めて香りを出し、続いて薬味を投入。
のんびり炒めていたせいか、豆板醤、にんにく、生姜、豆鼓を少し焦がしてしまった。結果的にカリカリした食感も悪くなかったが。手早く仕上げましょう。
炒めた薬味に合わせ調味料を入れたら一気に粘度が上がってしまったので、水で調整。投入時には火加減を弱くして様子を見るか、もう少し片栗粉を少なめ、または水を多めに入れておく方がよさそうだ。
最後に揚げた野菜を絡めてできあがり。
プロに教わった後の地三鮮、味はどうだ?
こうして作り上げた地三鮮は、見た目はまるで外で食べる料理のよう。自分が作ったものにしては、具材の大きさが揃っていること、黒くて照りがあるのがポイントか。
食感は、ピーマンに火が通り過ぎてしまった事が反省点。ナスも若干その傾向があるが、これくらいトロトロの方が個人的には好み。ジャガイモはちょうどいい。
味付けにうまみとコクとパンチが感じられ、理想の印象にだいぶ近いぞ。一方でタレと具の絡みが不十分に感じたのは、具が少し多かったこと、タレの粘度が足りなかったこと、塩気の薄い貴州豆豉(もとい干し納豆)を使ったこと、あたりが原因か。地三鮮はもちろんだが、炒めものや中華の調理の際、今後に生かせそうな学びを以下にまとめておく。
【まとめ】今後も活用できそうな学び・にんにくは潰し、生姜ともに粗みじん。細かく刻みすぎず、食感と香りを残す。 |
反省点は色々あるものの、自作料理としては十分なクオリティ。もともと自分で作っていたバージョンは、豆板醤以外に辣油、粗挽き唐辛子、糍粑辣椒(練り唐辛子)、花椒などを入れてほぼ四川料理になっていたので、だいぶ料理のルーツに揺り戻された思いです。
取材協力:中国発酵料理と日本ワイン SABOTEN(さぼてん)
住所:千葉県成田市花崎町846-15(MAP)
アクセス:JR成田駅から徒歩1分、京成成田駅から徒歩4分
電話:070-4167-6716
営業時間:18:00~22:00(21:00 L.O.)
定休日:木曜日
TEXT アベシ
PHOTO アベシ(自作料理)、サトタカ(SABOTEN)