一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。

そこで頂戴した「いいね!」とコメント、シェア、リーチ数をポイントに換算にして、7月23日~8月15日に掲載したひる中華ベスト8を算出したのが当コーナー。さて、いつも応援してくださっている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったランチとは…?

 

8位

現代の「スタミナうまに麺」650円
215ポイント

こってりデラデラとした餡のインパクトからか、まずは変化球のこの一品がランクインです。

現代

 

「スタミナ」とは茨城県水戸・ひたちなか界隈の共通言語で、揚げレバー(またはモツ)と野菜が入った甘辛酸味餡を、むっちりとした極太麺に絡めて食べるというご当地中華のこと。最近のB級グルメブームで地味に脚光を浴びている「スタミナ」ですが、この界隈の人たちにとっては、もう何十年もそこにあるため、わざわざ紹介するまでもないといったら言いすぎでしょうか。恐らく日立製作所や陸上自衛隊に訪れる出張族の口コミで広がったんじゃないかと推測しています。

スタミナという名前の通り、ボリュームの多さは言うまでもありませんが、下味付きでかなりカリッと揚げたレバーと、カボチャが妙に食欲を刺激するので、洗面器のようなどんぶり1杯をいつの間にか完食してしまうというのが、このメニューの「強さ」であり「凄さ」。この界隈を訪れたら、ぜひ一度はチャレンジしてほしい麺のひとつです。ちなみに通年メニューで「スタミナ冷やし」というのもあって、こちらも根強いファンが多いです。

(2012年8月7日掲載)


 

7位

ローソンの「ろーそん亭 本格辛味麻婆丼」498円
227ポイント

お次はまさかのコンビニ中華がランクインしています。

ローソン

 

「本格」とか「四川風」とか謳っていても、実はそれほどでもないんじゃないの…と思いきや、その強気な価格設定とネーミングに違わず、花椒もちゃんと効いていて「これはうまい」と思ってしまった、いや思わずにはいられなかった衝撃作品。「ちょっと手軽に中華ランチを食べたいな」という時に、「コンビニ弁当もいけるんだ!」という思いと希望を抱かせてくれた、エポックメイキング的な麻婆丼でした。

ちなみにこの「ろーそん亭 本格辛味麻婆丼」が切っ掛けとなり、「他のコンビニ中華料理もいけるんじゃないか?」と手を出し始めたのがコンビニ冷やし担々麺。最後は後輩に自転車を借り、遠くのコンビニまで汗をかきかき買いに行って制覇した「コンビニ冷やし担々麺レポート」はこちらです。

(2012年8月15日掲載)


 

6位

上海チキン 大塚小閣楼の「担担麺」980円
229ポイント

実はこの店の担担麺は個人的に大変好みで、満を持してのおすすめでした。

小閣樓

 

ここがいいね!というポイントは、香ばしく煎った松の実のコクと、惜しみなく散らした刻み香菜。芝麻醤を惜しみなく使ったクリーミーなスープは口から離れ難く、飲み干すために思わず麺をおかわりしたくなります。芝麻醤が多めの担担麺というのは、かん水が強すぎたり、つるつるしすぎている麺だと、味のバランスやスープの絡み具合が悪くなるように思いますが、その加減がちょうどいいのも、ぐいぐい食べさせてくれる理由でした。

ちなみにこの店のメニューは力強い筆文字でババンと書いてあり、店主の親父さん同様大変インパクトがあります。

(2012年7月26日掲載)


 

5位

雲林坊の「汁なし担担麺と麻婆豆腐かけご飯(小丼)のセット」1,000円 231ポイント

お江戸情緒溢れる老舗が並ぶ神田須田町・淡路町界隈の人気店「神田 雲林(ゆんりん)」が出店した、担担麺と麻婆豆腐の専門店。九段下が一号店、秋葉原に二号店がありますが、実食したのは九段下店です。

台南茶寮

 

こちらは食券制で全席カウンターというカジュアルな店構えで、バリバリ花椒が効いた四川の味を提供するスタイル。特に「汁なし担担麺」はピーナッツ、ゴマ、刻みネギがたっぷりかかっていて、花椒の香りのみならず、食感での香ばしさも際立っている一品でした。プラス100円で「麻・辣激増し」もできますが、取材班はそのままで十分汗だくでしたね。

(2012年8月8日掲載)


 

4位

台湾小皿料理 台南茶寮の「角煮ごはん」800円
232ポイント

なんとなく現地っぽい色合いと盛り付けで、第4位にランクインしたのが台南茶寮の「角煮ごはん」。こちらは証券会社が軒を連ねる中央区茅場町で、相場に一喜一憂する男たちに憩いのひと時を提供してくれるお店です。

台南茶寮

 

大きめの角煮が2切れに、そぼろ状になったひき肉、こっくりと煮込まれた豚肉と相性抜群の高菜、そしてドーンと乗った思い切りのいいチンゲン菜という組み合わせは、まさに飾りっ気のない盛り付けの男メシ。決め手は奥に見えるバナナでしょう。人柄のよさそうな雰囲気のママさんに、味噌汁と一緒に「どうぞ~」と差し出されると食欲も増し、煮汁が染み込んだごはんを無我夢中でかっこみたくなるのは、きっと私だけではないはずです。

(2012年8月14日掲載)


 

3位

銀座 桃花源の「ビジネスランチ(麻婆豆腐・芙蓉蟹蛋)」1,370円 244ポイント

世の中に今ほど四川料理がなかった時代から、花椒がバリバリ効いた麻婆豆腐を食べさせてくれる店だった桃花源(とうかげん)。 現在はホテルコムズ銀座内のレストランとなりましたが、その味と空間はかつての三井アーバンホテル時代の雰囲気のまま。新橋・銀座界隈において、いつも安定したおいしさを提供してくれる四川料理の重鎮が第3位にランクインです。

桃花源

 

麻婆豆腐の辛さは2種類選べますが、やはりここに来たらヒイヒイ言いながら四川風を食べたいもの。それと調和をとるように、もう一品頼んだのがふっくら優しい芙蓉蟹蛋(カニ玉)。これらメインに豆腐のスープ、ごはん、四川風漬物、シーガルフォーのお水を入れたオリジナルウォーターボトル(しゃれています)がついて、サービス料なし1,370円はなかなかお値打ちです。建物は昔ながらのホテルとあって天井が高く、テーブルの間隔もそこそこ広く、一皿あたりのボリュームもあるので、みんなで料理を取り分けながら楽しむランチにおすすめですね。

もし、ここでお財布に余裕があるなら、今では食べさせてくれる店が少なくなった香蕉抜絲(バナナの飴炊き)をぜひオーダーしたいところ。目の前で飴を美しく絡めてくれるパフォーマンスは必見です。余談ですが、夜早めの時間に行くと、銀座のお姐さん方に会う確立が高く、昼と夜でまた違った顔を見せてくれる店でもあります。

(2012年8月3日掲載)


 

2位

赤坂 榮林の「酸辣湯麺」1,260円
262ポイント

こちらは酸辣湯麺発祥の店。元祖・発祥という言葉に「ここは押さえておかなくては」という義務感と使命感が沸き起こり、スタッフ2名がかりで訪問したランチです。

榮林

 

気になる具材は、豆腐干、干ししいたけ、ネギ、ハム、豚肉、たけのこ、そして卵。同店が監修する袋ラーメンの名作、明星「中華三昧 酸辣湯麺」とどっちがおいしいか?というのも興味深いところでしたが、これが意外に甲乙つけ難い!

本家はその場で酢を入れているだけあって、あと味の爽やかさがありますが、中華三昧の濃厚なコクもまた違ったおいしさでなかなかのもの。あえて言うなら、本家は卵の量がほどよいのに対して、中華三昧は1袋600ccのスープに卵1個はちょっと多いかな…?ということで、やはり本家の作りたてに敬意を表したいと思いました。

中華三昧 酸辣湯麺

ちなみに同店では、ランチ価格1,260円の酸辣湯麺が、月曜日限定で1,000円でいただけます。店頭では「中華三昧 酸辣湯麺」のカップラーメンバージョンも販売しており、後学のため買って帰ったのは言うまでもありません。

(2012年8月1日掲載)


 

1位

谷記(くき)の「干焼蝦鶏蛋+毎日の一品」680円
370ポイント

さて、栄えある1位は、意外なダークホース、東京東エリアのアジアンタウン・錦糸町の谷記(くき)でした!

谷記

 

同店の強みは何といってもボリューム。干焼蝦鶏蛋(エビ玉子チリソース)に「毎日の一品」をつけて680円というお値打ち価格も魅力ですが驚くなかれ。よくありがちなハーフサイズセットではなく通常サイズが2皿!しかもご飯もどんぶりでドンと来て、おかわり&大盛り無料。午後から力仕事だとか、夜ごはんが何時になるかわからない…という踏ん張り時にもってこいのランチですね。この日の毎日の一品は白切鶏(蒸し鶏ネギソース)ですが、もはやどちらがメインかわかりません(笑)。

ちなみに仕事を終えた後に寄ると、一品料理+生ビールで577円のセットが待っています。それでも充分安いのに、他の料理も概ね300~800円くらいという…!このインパクトに「安さ爆発中華の谷記」と胸に刻まれました。

(2012年8月4日掲載)


 

実はなんとなく始めてしまった「ひる中華」ですが、開始してまもなく、皆様から「いいね!」やコメントで応援をいただけたおかげでモチベーションも上がり、既に1ヶ月以上、ウィークデーに連日掲載しています。おひる前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら「やっぱりランチは中華がいいな」と思っていただけたら幸いです。

 


ポイントの算出方法
Facebookの「いいね!」「コメント」1件につき3ポイント、「シェア」等その他アクション1件につき3ポイント、リーチ(タイムラインに流れた数)を1ポイントとして換算し、その合計点で算出しています。みなさんの「いいね!」やコメントがポイント増に繋がります。


Text 佐藤貴子(ことばデザイン)
Photo 小杉勉、佐藤貴子(ことばデザイン)

 


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