一日三度の食事の中でも、圧倒的に外食率が高まるランチ。その一食に中華料理への愛を託し、お昼に食べた中華を語るという、80C(ハオチー)のFacebookランチレポートが「ひる中華」です。
そこで頂戴した「いいね!」とコメント、シェア、リーチ数をポイントに換算にして、9月18日~10月15日に掲載したひる中華ベスト8を算出したのが当コーナー。さて、いつも応援してくださっている中華のプロや食いしん坊の皆様が「いいね!」と思ったランチとは…?
上海創作家庭料理 家家厨房(ジャージャーチューファン)の
「麻婆豆腐ランチ」880円 227ポイント
8位にランクインしたのは、アジア料理激戦区、墨田区錦糸町にある「上海創作家庭料理 家家厨房」。中国食材店の営業マン、K岡さんから「グツグツと音を立て溢れんばかりに土鍋に盛られて登場する、一番人気のメニュー」と言われて食べに行ったランチです。
溢れんばかりに…というか、既に溢れてますよね。そして、この大胆な溢れっぷりが食欲を高めてくれる…。ええ、きれいなばかりがそそる盛り付けじゃないということを、この店は私に教えてくれました(遠い目)。
肝心のお味の方は、熱々の餡は辛さの中にも甘みがあり、挽き肉がたっぷり入って食べごたえ十分。麻辣の強さはそれほどでもないので、辛さが苦手でたっぷり食べたい方におすすめですね。ちなみにスープ、サラダ、デザートにもっちりとした杏仁豆腐付きでライスはおかわり自由、ランチタイムは17時までという、サービスも麻婆豆腐も溢れてうれしい家家厨房でした。
(2012年10月9日掲載)
上海小皿料理 一品香の「日替りランチ」500円
252ポイント
新生銀行が1979年より調査・発表している「サラリーマンのお小遣い調査」。2012年の平均ランチ金額は510円でしたが、昨今それを身を以って実践しているコスギ調査員訪問店の、まさに平均価格的なランチがランクインしています。しかし、平均よりもすごいのはそのボリューム!
千葉県市川市本八幡にあるこちらのお店は、水餃子、杏仁豆腐、ライス、スープ、サラダがセルフサービスで食べ放題。これらは作り置きですが、メイン料理の青椒肉絲だけは作りたての熱々が出てきます。500円といえばコンビニ弁当と変わらない価格。この内容でこの値段なら、多少作り置きでも納得できてしまうもの。これだけでも十分お得なんですが、会計したら缶ジュースをもらいました。いったいどこまで出血大サービスなのか…!
(2012年9月20日掲載)
飲茶□居酒屋 香港亭の「日替りランチ」500円
256ポイント
「冷やして食べると思っていた生トマトが、温めてもいける!」という感動と、「この料理を初めて食べたのが雲南省の山奥の少数民族の村で、見ると思い出が呼び覚まされる…」ということから、トマト卵炒めを見ると無条件に反応、オーダーしてしまうというコスギ特派員の思い入れが伝わったのか、6位は「トマト卵炒め」のランチがランクインしています。
日本の中国料理屋さんのグランドメニューではあまり見かけないトマト卵炒めですが、中国ではとても庶民的な料理のひとつ。中華料理はベタッとして油っぽいと思っている人ほど、この料理をいただいたら、そのやさしさと軽やかさにハッとするような気がします。
ランチをいただいた飲茶居酒屋 香港亭は、都内近郊に24店舗、高松に1店舗チェーン展開するお店。ランチはもちろん、トマト卵炒めはグランドメニューのひとつになっています。訪問した小岩店では、中華wiki「中華鍋」でご紹介したスタイルのように、ランプシェードに中華鍋を使っているのもユニークでしたね。
(2012年9月24日掲載)
MASA’S KITCHEN 47の「小さなランチコース」3500円
270ポイント
食にこだわりのある方と会食するなら、懇意にしている店か、話題の店か…。
ということでセレクトされた話題のミシュラン星取り店、恵比寿の「MASA’S KITCHEN 47」が5位となりました。
こちらの3500円のコースは前菜4種、小籠包、揚げもの、野菜の湯引き、主菜、坦々麺、デザートで〆。大海老を丸ごと1本巻いた春巻、レタスの湯引き、穴子を丸ごと1本揚げた黒酢ソースがけなど、全体的に素材の色や形をわかりやすく生かしたお料理が印象的でした。
一般論として、コース料理の価格は食材の原価に比例して高くなるわけですが、それはえてして「高級中華=伊勢海老、あわび、ふかひれ、北京ダック」と記号のようになりがちなのも事実(料理ジャンルにもよりますけれども)。その一方で、「見慣れた素材を中華の技法で食べさせる」という発想は、お客さんにとっては新鮮だよなあ…という想いを抱かせてくれたレストランでもありました。
ちなみに同店の特等席は広めのカウンター。目の前で調理の過程を見て楽しんで、その場ですぐに作りたてをいただける贅沢がここにあります。
(2012年9月25日掲載)
中国糖質制限料理 梅花の「980円ランチ」980円
278ポイント
4位には、先だって『ガイアの夜明け』で紹介されたり、外食だけでやせるおやじダイエット部新橋支部の拠点になるなど、幅広く注目・活用されている「中国糖質制限料理 梅花」がランクインしました。
いただいたのは、6品のおかずから2品が選べ、とろろ昆布とエノキ茸の豆腐麺と、羅漢糖を使った杏仁豆腐がセットになった980円ランチです。おかずは1人前の約70%の量×2皿、さらに汁物もあるので食べごたえは十分。この日は豆腐と青菜の腐乳炒め、麻婆豆腐をオーダーしましたが、どちらも糖質制限を感じさせることなくおいしくいただきました。
ここは以前より新宿で中国料理店を経営していたオーナーさんが糖尿病になってしまったのを機に作られた店。病気の方の強い身方になってくれるのはもちろんですが、健康な人にもメリットがあります。なぜなら糖質を制限すると、食後の血糖値が急激に上下しないため、眠くなりにくいんですね。事実、食べた後もシャキシャキ動けて眠くなりませんでした。ちなみにお食事の合計熱量は489kcal、糖質は6.3g、なんと砂糖小さじ1杯強!午後もしっかりがんばりたい、仕事の合間のランチにはもってこいです。
(2012年10月15日掲載)
中華料理 飛龍閣の「四川風麻婆豆腐ランチ」600円
290ポイント
3位には「麻婆豆腐week」の中でご紹介した門前仲町「中華料理 飛龍閣」がランクインしています。
いつもはオーダーした後、あれこれメモをとりながら料理を待っているのですが、なんとこの四川風麻婆豆腐ランチはオーダー後約30秒くらいで登場!すぐ出てきて、ぱっと食べたいサラリーマンのひる中華ニーズに応えつつ、一食600円というローコスト提供にも繋げているランチですね。
味付けはバランスがよく、花椒はそれほどきつくないので、現地風が好きな人には多少物足りないかも。肌寒さを感じる今の季節、ほんのり身体を温めてくれる辛さの麻婆豆腐でした。
(2012年10月11日掲載)
中国酒家 大三元の「辣醤麺(ラージャンメン)」850円
308ポイント
2位は「食べログ」の錦糸町中華ランキングでも高い人気を誇る「大三元」です。
初訪問ということで、お店の方に「一番人気のあるメニューは何ですか?」という質問したところ、返答されたのがこちらの辣醤麺(ラージャンメン)。
辣醤とは辣椒(ラージャオ:唐辛子)を使った醤(ジャン:味噌)のことで、豆板醤のように発酵させていないため、熟れていない、さっぱりとして鮮烈な辛さが特徴。いただいてみると、細麺とともにすすった若干とろみのあるスープは酸っぱ辛い感じ。具の肉味噌とも相まって、担々麺×酸辣湯麺という感じの、味わい深い仕上がりでした。
そしてこの辣醤麺をすすりつつ、ふと隣の席を見て目が釘付けになってしまったのが牛腩炒麺(和牛バラ肉やきそば)。すぐさま再訪して食べたのですが、こちらは八角が香る牛バラ肉が麺の上に山盛りなった一品。噛まずとも肉の繊維にそって崩れるほどやわらかで、またもや至福のひる中華…。食べて納得の大繁盛店でした。
(2012年10月5日掲載)
寧波家郷料理 源来酒家の「麻婆カレー麺」1050円
311ポイント
そして今回一位を飾ったのは、神保町と九段下の中間地点にある「寧波(にんぽう)家郷料理 源来酒家」の麻婆カレー麺でした!
誰もが知っているもので、意外性のある組み合わせを作るというのはヒットの法則のひとつ。これもまた例に漏れず「麻婆豆腐」と「カレー」という二大巨頭の掛け合わせによる同店の密かな名物料理です。
麻辣のしっかりした麻婆豆腐、日本のルーで作った甘めのカレー、そして温泉卵が石鍋で煮えたぎりながら出てくるという、高レベルの和中韓ハイブリッドは思わずうなる旨さ。甘さと辛さの絶妙なバランスが保たれた濃厚スープと、そのインパクトに負けない太麺が本当によく合っていました。
ちなみにこの「麻婆カレー麺」ができたのは約1年前。もともとあった麻婆麺にアレンジを加え、スタッフ全員で考えて誕生したのがこちらの一品だそう。食べる前にスープの飛び散りをガードする紙エプロンをくれたり、スープを飲むためのレンゲと、具をすくうための穴空きレンゲの両方を添えてくれたりするのも食べ手にとってはうれしい配慮でしたね。ごはんが好きな方には麻婆カレー丼もあるのでぜひお試しを。
(2012年9月28日掲載)
さて、今回のひる中華ランキングはいかがでしたでしょうか?こうして日々中華を食べていると「安くない、珍しくない、そしてうまくない」という体験もたまーにあります。そこで感じるのは「珍しくない料理は、高くてもいいが、うまくなければいけない」ということ。老舗というのは、それを徹底しているから長続きしているのかもしれないなあ…と思ったりする今日この頃です。
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「ひる中華」は、80Cスタッフがランチに食べた中華料理を、Facebookで連日レポートしています。おひる前のお腹が空きそうな時間に更新していますので、中華画像を見ながら、食べたい中華・好みの中華を見つけていただけたら幸いです。みなさまも、どうかお近くにある気になる中華料理店のランチがあったら、ぜひ編集部までお寄せくださいね。
ポイントの算出方法
Facebookの「いいね!」「コメント」1件につき3ポイント、「シェア」等その他アクション1件につき3ポイント、リーチ(タイムラインに流れた数)を1ポイントとして換算し、その合計点で算出しています。みなさんの「いいね!」やコメントがポイント増に繋がります。
Text 佐藤貴子(ことばデザイン)
Photo 小杉勉、佐藤貴子(ことばデザイン)