昼だけじゃ店の本領はわからない!ということで、今年6月から開始した80C(ハオチー)のFacebookディナーレポートが「よる中華」。月曜に店の紹介、水曜にその中から料理を1点紹介する中で(一部例外あり)、今回は料理のリーチ数ベスト8をご紹介。この店に行ったらぜひこの料理を頼んでほしいと思える“イチ押し”が出揃いました。
※集計期間は2014年6月11日(水)~12月3日(水)です。
中央区築地「東京チャイニーズ一凛」の白い麻婆豆腐
726リーチ
食べたら病みつきに!誰もが頼んでしまう名物白麻婆
通称「白麻婆」とは、至極軟らかな絹豆腐、牛肉、浅漬けの搾菜をダイスカットにし、塩味で炒めて皿に盛り、上に辣粉をかけ、熱々の油をジューッと注いで煙を立てて作られる「豆花牛肉」のこと。
仕上げは皿の上でラー油を作るような感じなので、登場するや嗅覚を持っていかれる香り高さ。まろみ、辛み、うま味、香り、食材の食感などが口の中で溶け合う感覚は一度食べるとクセになること必至。ふと周りを見渡してみると、ほとんどのテーブルにこの料理が上がっているという、同店人気の一品です。
(2014年8月13日掲載)※アラカルトで注文可能
台東区上野「三百杯」の韭菜合子(ジウツァイフェァズ)
778リーチ
中国東北地方の屋台が目に浮かぶ、素朴な小吃を上野で
餃子のようで餃子でない、素朴な中国東北家庭料理。韭菜=ニラ、合子=身とフタとが合う入れものという意味で、ニラと卵の炒めものを小麦粉の皮に包み、二つ折りにして焼き上げた軽食です。
子どもがほおばったら顔の半分ほどはありそうな大きさで、ところどころ焦げているのもおいしさのうち。元々は屋台料理らしく、大らかな雰囲気がある一方で、口のところを細かくひねった鎖辺(スォビィェン)という閉じ方に、中国らしい繊細さも感じる一品。
(2014年10月22日掲載)※アラカルトで注文可能
港区赤坂「うずまき」の本日の魚料理
1066リーチ
漂う香りは焼き魚、実際に出された料理は…!?
カマスの腹に薄く生地を塗り、鍋で煎り焼きした“脆皮(ツイピー=クリスピーな皮)”な魚料理。皮のパリパリと腹のパリパリの間に、ふっくらと繊細なカマスの身がサンドされた、非常にユニークな一皿です。
このままでもおいしいのですが、もち粟に少量の山芋を混ぜ、スープでのばした餡をかけていただくという食べ方も。新物のもち粟はミルクのような優しい香り。たっぷりカマスにかけてみると、生地をまとった腹はへこたれず、ちゃんと最後までクリスピー。調理中に漂っていた香りは完全に焼き魚でしたが、まさかの展開が待ち受けていた一皿。
(2014年11月19日掲載)※コース料理の中の1皿
世田谷区経堂「蜀彩」の沸騰魚
1092リーチ
唐辛子と山椒と魚が壺の中で踊り、四川の香りを撒き散らすスペシャリテ
唐辛子と山椒の粒しか見えませんが、壺の中にはもやしなどの野菜と白身魚がたっぷり。食べる直前に、10種類の香辛料を入れて1時間弱火で加熱したという香味油を一気に回しかけて供する新派四川料理。テーブルの上で油をかけると、唐辛子と山椒が小躍りし、「四川バンザーイ!」と叫びたくなるような香りが立ち昇ります。
たっぷりの油を使うにも関わらず、油っぽさを感じさせない軽ーい仕上がりは、油の温度が的確ゆえ。そして魚の食感は舌をすべるように滑らか。「龍の子」や「川香苑」で腕を磨いた村岡シェフのスペシャリテ、ここに来たらぜひ味わってほしい一品。
(2014年12月3日掲載)※アラカルトで注文可能
新宿区新宿「シェフス」の上海蟹みそ坦々麺
1137リーチ
殻をむかなくても人を黙らせる、最強の上海蟹料理
料理名には坦々麺とありますが、和え麺です。白い麺の上に、いったい何杯の蟹味噌を使ったんだろう?というほどたっぷりの味噌。あれこれ頼んでお腹いっぱいになったからといって、蟹の季節はこれを頼まずしてこの店を出るなかれ。甘く、ふくよかで、どこまでもやさしく、上質な上海蟹味噌だけが持つ甘味に満ちた一皿。殻がむいてある蟹でも、うまい蟹は人を無言にさせるのです。
(2014年10月29日掲載)※アラカルトで注文可能(季節限定)
新宿区百人町「大豊収」の羊肉串(ヤンロウチュァン)
1147リーチ
あなたは違いのわかる人になれるか?4種類の羊肉串食べ比べ
現地系中国東北料理の店に欠かせない料理といえば羊肉串。ここではその味付けが選べるのがユニークで、
1:丰收(フォンショウ)=日本語で豊作→(店名は大豊収=大豊作)→店の特製味
2:延辺(イェンビィェン)=中国北東部に住む朝鮮族の味
3:新疆(シンジィァン)=中国の西端地域の味→シルクロード味
4:特辣(ターラー)=とっても辛い味
と、4本それぞれ味付けが違います。よく見るとスパイスの配合や分量が異なりますが、口に含むと意外と判別が難しいもの。で、改めて店員さんに尋ねると、違いがわかる…。テレ朝の「芸能人格付けチェック」じゃあないですが、これがわかったら、中華業界人的には格付けがかなり上に行きそうです。ぜひお試しあれ。
(2014年9月3日掲載)※アラカルトで注文可能
杉並区西荻窪「仙の孫」のエビ、季節野菜の手づくりおこげ 川エビの卵入り 1205リーチ
野菜たっぷり、手づくりおこげで皆の視線を独占!
これを頼むと誰もが振り向きますね。三か月間乾燥させたという自家製のおこげを軽やかに揚げて、たっぷりの野菜とエビの餡を熱々のうちに回しかける。雷のようなジャーという音、立ち昇る香り、煮えたぎる鍋の中に「なんだなんだ」と注目を集める。そう、鍋巴料理はそそるのです。
川エビの卵こと蝦子(シャーズ)は、中華の天然だしの素ともいえる食材。蝦子のコクと旨み、野菜や海老の新鮮っぷり、おこげのカリッとしなっとした食感など、さまざまな要素が鍋の中で踊り歌って一つになる…。「蝦仁雷鍋」と書かれた別称がピタッとくる、五感ワシづかみの一品です。
(2014年9月24日掲載)※アラカルトで注文可能
目黒区八雲「わさ」の鮎の春巻
1648リーチ
鮎のおいしさを頭から丸かじり!旬を楽しむニッポンの中華
同店の夏の風物詩・鮎の春巻。鮎の形の春巻を、生の蓮の葉にくるっと包んでガブリ。すると、鼻先を蓮の芳香がかすめたのち、意外な食感と味わいが訪れるのです。
頭はシャワッとクリスピーに揚げられ、身はふわっとふかふか。肝は調味され、苦味というより旨みがじわり。なんとこの料理、一度鮎をおろして、部位によって適した下ごしらえを施したのち、元の魚の形に戻して春巻で仕上げるという手の込みよう。鮎の小骨や苦味が苦手な方も、これなら鮎をまるごと満喫できます。なんとも繊細な、旬を愉しむニッポンの中華です。
(2014年10月1日掲載)※夏のおまかせコースの中の一品
よる中華ランキング料理編、いかがでしたでしょうか。ひと口に中華といっても、どの地方の料理か、もしくはどんな傾向の料理を出しているのかはさまざまですので、その店らしさが表れた料理を選ぶことが高い満足感へと繋がります。その点、こちらに掲載されている料理は「ここに来たらぜひ頼んでほしい」と思える料理揃い。アラカルトで頼める料理は、ぜひトライしていただけますと幸いです。
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「よる中華」は、80Cスタッフがディナーに食べた中華料理をFacebookでレポートしているものです。投稿はウィークデーの昼前後。80Cの中華画像で、みなさまの食べたい中華・好みの中華を見つけてくださいね。
Text & Reserch 佐藤貴子(ことばデザイン)