日本の在来野菜&漬物×中国東北料理のコラボレーション。古くて新しい中華の楽しみ方がここに!

味坊』の名でピンと来た方。そうです! 湯島界隈に、あの『味坊』の姉妹店『味坊鉄鍋荘』がオープンしました。

同店は、中国東北料理×自然派ワインで大人気の『味坊』オーナー・梁宝璋(リョウ ホウショウ)さんと、『メトロミニッツ』『旬がまるごと』などの編集長を経て、現在は「和食給食応援団」のプロデュース等を手掛ける編集者・小林淳一さんが共同創業した中国郷土料理店。

梁さんと小林さんは、互いの店とオフィスが至近で、長い付き合いのある間柄。以前より「故郷・チチハルの家庭の味と雰囲気を日本で再現したい」と考えていた梁さんのアイデアに、日本各地の食材に精通した小林さんのセンスとネットワークが加わって、日本の在来野菜や漬物などを、中国東北地方の料理で楽しめる店となっています。

梁さんが以前から「これを出したい」と言っていたのが、トウモロコシ粉を水で練って作る鍋貼(グゥォティェ)。先のややとがったトウモロコシ粉の蒸しパンを窩头(ウォトウ)といいますが、中国東北式の鍋貼は、その生地を鍋肌に貼り付け、鍋の中の水分で蒸し焼きにしたものです。

中国東北式の鍋貼(グゥォティェ)

料理の仕上がりを眼前の鉄鍋で待つ愉悦

この店の内装の多くは梁さんと小林さんによるDIY。まず目を引くのがテーブルの真ん中にはめ込まれた鉄鍋です。

この鍋で、常時5~7種類ほど用意されるその日のスペシャリテを煮たり、温めたりしつつ、前菜を食べ、酒を飲みながら料理の仕上がりを待つ…というのが「味坊鉄鍋荘」の楽しみ方。

テーブルはそれほど大きくないため、どこに座っても鍋の熱気が顔に伝わり、おいしい湯気を囲めば気分はチチハルへ。 鍋は1卓に2つあるので、できれば4名以上で行って、みんなで鉄鍋を囲めば、気持ちまでもアツくなること間違いなし!

羊のスペアリブと青森産干し大根のブツ切りの煮込み。大根は干すと風味が凝縮して濃い味に。左の状態まで厨房で仕上げたら、卓上の鉄鍋に移動、さらに20分ほど煮込むと食べごろに(写真右)。

食材には「在来津軽清水森ナンバ」や干し大根、鍋料理の〆には「大鰐温泉もやし」など、小林さんがセレクトした日本の東北地方の食材に、中国東北地方の調理法を掛け合わせているのもこの店ならでは。中国料理を通じて、知られざる日本の食材を発見する楽しみもここに。

前菜の定番・凉拌干絲(干し豆腐の和えもの)には「在来津軽清水森ナンバ」を使用。味坊とはひと味違った、キリリと引き締まった味付けが楽しめます。
水煮羊肉(羊肉の麻辣煮込み)の〆は、青森産の大鰐温泉もやしとセリ+セリの根というのもユニーク。
羊のアキレス腱、心臓、レバーなどを盛り合わせに。中央に盛られているのは、青森の在来種の枝豆「毛豆」を塩漬けにして発酵させ、乳酸発酵させた「豆漬け」(緑の方の豆です)。乳酸発酵させる技法は、中国の漬物である泡菜、酸菜と同様です。

料理を担当するのは、北京出身のベテラン料理人・張子謙さんと、黒竜江省出身で小麦粉料理を得意とする馬延平さん。入って奥、右端の席は厨房の真ん前の席となり、調理の躍動感も楽しめます。

鍋を振るのは北京出身のベテラン料理人・張子謙さん。

[追加情報]2016年1月25日(月)グランドオープン決定!

同店は2015年11月からのプレオープン期間を経て、2016年1月25日にグランドオープン。当面はコース主体のお店として営業し、5,000円(前菜5品+泡菜(発酵漬物)2品+鉄鍋料理2品+饅頭&蒸(水)餃子+デザート)と、3,500円(前菜3品+泡菜(発酵漬物)2品+鉄鍋料理1品+饅頭&蒸(水)餃子+デザート)の2通りを提供する予定です。

鉄鍋料理はその日の仕入れ状況によって内容は異なりますが、4種類(肉料理2種類・魚料理1種類・野菜×白湯1種類)から好きな鍋を選ぶことができます。また、いずれのコースにも、前菜(500円~1,280円)や鉄鍋料理(980円〜1,680円(1人前))の追加もOK。

気になるドリンクは『神田 味坊』同様にワインが充実。3,000円台を中心に、2,800円~8,000円まで幅広い価格帯のボトルを取り揃えています。混雑時には相席になる可能性もありますが、鍋と料理とおいしいお酒を挟んで向かい合えば、お隣さんとも盛り上がってしまうかも…!

味坊鉄鍋荘(あじぼうてつなべそう)

住所:東京都台東区上野1-12-9(地図
アクセス:千代田線湯島駅から徒歩1分、銀座線上野広小路駅&大江戸線上野御徒町駅から徒歩3分、JR御徒町駅から徒歩5分
※黒門小学校そば
TEL:03-5826-4945
OPEN 18:00-23:30
※混雑時は予約時に相席をお願いする可能性があります。