「よる中華」は、80C(ハオチー)のFacebookページで連載中のディナーレポート。2016年下半期は、2016年7月6日~12月20日にポストしたリーチの集計ベスト8を発表します。最も多くの方にご覧いただいたのは、どの店のどの料理に…?

 

8位

杉並区西荻窪「仙の孫」で四川火鍋
4859リーチ

●こんな方におすすめです
・本格的で容赦ない麻辣火鍋が食べたい
・新鮮な野菜と内臓が大好き

仙の孫

西荻窪にこの店あり!
四川料理「仙の孫」の男らしく上質な火鍋

まず8位は素材にこだわり、技法にこだわる、こだわりの火鍋がランクイン!

同店の麻辣スープは、香辛料を牛脂で炒める現地伝統の仕込み方。化学調味料は不使用で、つけだれとなる薬味と調味料はずらりと12種類もあり圧巻。普通は瓶詰が当たり前の腐乳、芝麻醤、珍しい水豆豉までしっかり手作りしています。

この日の食材は、牛ハツモト、センマイ、ハツ、ガツ、肺、チチカブ、鶏のハラミにレバー、きんかん…とピカピカの内臓三昧。
大分から直送されてくる野菜は、シェフのおじいさま、おばあさまが手塩にかけて育てた旬の味で、見るからにエネルギーをもらえそう。

2種類あるスープのもう片方が、酸白菜と発酵筍の白いスープというのも嬉しいポイント(日によって異なります)。今回は火鍋でしたが、お料理もいいですよ。

2016年8月5日掲載:サトタカ訪問


 

7位

杉並区荻窪「北京遊膳」でおまかせ
5402リーチ

●こんな方におすすめです
・古い北京料理が気になる
・北京ダックが大好き
・やさしい味わいを好む
・リビングレジェンドの店に行きたい

北京遊膳

リビングレジェンドの北京料理。
いつか行くなら早く行くのが吉!

7位は荻窪の裏路地で開業25年、斎藤永徳シェフの北京料理店がランクイン。

ここでは蟹を使わず蟹の味を生み出す卵料理「赛螃蟹(サイパンシェ)」や、軟らかな身の魚に衣を付け、衣にスープを煮含めた「鍋塌魚片(グゥォターユイピェン)」など、イマドキの店ではなかなかお目にかかれない一品料理がいただけます。

皮の内側にたっぷりと脂を蓄えたピカピカの北京ダックはスペシャリテ。手づくりの薄餅、甜麺醤、細く切り揃えられた葱ときゅうりは最高のコンビネーション。余った甜麺醤はリクエストすれば持ち帰りできます。

昔の料理でも味が古びていないのは、洗練されているということなのでしょう。古い料理と古臭い料理があると思いますが、こちらは前者。味と技の継承のため、どなたか弟子入りする方はいないかなあ。

2016年12月19日掲載:サトタカ訪問


 

6位

新宿区荒木町「の弥七」でおまかせ
5417リーチ

●こんな方におすすめです
・旬のぜいたくな味わいを中華で堪能したい
・日本酒で中華を楽しみたい
・ひとひねりある料理にぐっとくる

の弥七

一見「和」、食べれば「中華」。夜のコースは御馳走です!

6位は荒木町の入り口に店を構える「の弥七」のおまかせがランクイン!

同店は中国料理に軸足を置きながら、和食の料理人にも度々学んで研鑽を積んでいる山本眞也さんがオーナーシェフ。

河豚の白子、松茸など、日本の旬のぜいたく食材を、その風味を殺さずに、美しく力強く、中国料理として食べさせてくれます。

また、料理の魅力を捉え、それを増幅させるようなアイデアが豊富。この日出てきた脆皮鶏(ツイピージー:パリパリ皮の鶏料理)は、その食感を最大限に味わってもらおうと、肉を貼り合わせ、表も裏もパリパリ仕上げ。

ご本人は控えめで謙虚な方ですが、料理は雄弁で堂々。夜はコースのみ3種類の提供で、昼は1000円台となかなかおトクですよ。

2016年9月7日掲載:サトタカ訪問


 

5位

江東区三好「C’s Kitchen」で熊本復興チャリティーディナー 5840リーチ

●こんな方におすすめです
・料理人のタマゴを育てたい
・熊本の食材を食べて復興を応援したい

C's Kitchen

7名の北海道出身料理人が集結!
熊本応援企画を開催

5位は「C’s Kitchen」で開催された、熊本復興チャリティーディナーがランクイン!

この素敵な企画を手掛けたのは、北海道にある「光塩学園調理製菓専門学校」の卒業生有志7名。テーマは熊本の食材と、学校のある北海道の食材のコラボレーションをテーマに、見事なコースを組み立ててくれました。

料理人は「東京ガーデンパレス」「Jasmine」「龍王」「花梨」「芝蘭」など、各店で修行する若手が集結し、料理ごとに厨房担当と接客担当を入れ替えるという連携プレー。

こちらは単発企画ですが、会場になった「C’s Kitchen」では、35歳以下の若手料理人を一日料理長に、毎週水曜日のランチを提供する「わかば食堂」を開催中。こちらもぜひお越しください。

2016年8月11日掲載:ナガノ訪問


 

4位

大阪市北浜「火の鳥」でアラカルト
6390リーチ

●こんな方におすすめです
・昔ながらの北京・広東名菜を味わいたい
・カウンターでおいしいものをつまみたい

火の鳥

大阪で大人気!古典料理を古びない味で提供

4位は大阪は北浜にある、カウンターメインの人気店がランクイン!

こちらは一見、いまどきのすてきな中国料理店。ですがメニューをめくるとマニアック。「こんな料理名初めてみたな」というものもあり、なまこ料理だけで1ページあるというのも凄い。

オーナーシェフの井上さんは、1920年代、広州の四大酒家(四大レストラン)に数えられた「文園酒家」の名菜、百花雞に感動し、古典料理に開眼。

開業したら必ずやろうと決めたこの料理をはじめ、昔の広東料理と北京料理をベースにした料理を提供しています。

店内はゆったりとしたカウンター+半個室で、おひとりさまでもお酒を飲んでくつろげる雰囲気。古典的な料理が揃う店ですが、全く古臭くないところは技と食材のなせる業ですね。

2016年7月8日掲載:サトタカ訪問


 

3位

千代田区平河町「赤坂四川飯店」でおまかせ
6449リーチ

●こんな方におすすめです
・大人数で宴会したい
・包丁の技に見惚れたい
・老舗の総合力を実感したい
・陳建一さん、建太郎さんに会いたい
・厨房見学したい(要予約)

楽記

老舗のチーム力と総合力と実感!
端正で美しい包丁技も必見

赤坂本店は人数を揃えた宴会や「この四川料理を作ってほしい」「あの味を確認したい」というときにおすすめの店。同店の知識とチーム力は非常に頼れる存在で、しっかりとしたサービスも安心です。

前菜でいつも感じるのは、包丁の技の美しさ、盛り付けの端正さ。祝い事の宴席には鶏などの彫り物が添えられることもあり、古きよき中国料理の伝統を感じさせてくれます。

この店ならではと思うのは、事前に相談の上、厨房見学ができること。料理の道を志す人は、体験すればそのホスピタリティにも感激するはず。私は何度訪れても、心に来るものがありますよ。

また、日程が合えばテレビでおなじみの陳建一さん、建太郎さんにも会えます。今回は「建一会長の料理が食べたいです」とお願いしていたところ、麻婆豆腐、魚香肉絲、宮保鶏丁を作ってくださいました。そのトークはまるでテレビの料理番組生放送さながらで、もはやエンターテインメント!

2016年10月14日掲載:サトタカ訪問


 

2位

港区西麻布「麻布長江 香福筵」でおまかせ
6625リーチ

●こんな方におすすめです
・中華の技術に裏打ちされた創作を楽しみたい
・とはいえ古典料理も大好きだ

麻布長江 香福筵

中国料理の古典をばっちりキメつつ、
大胆で遊び心ある創作がすごい

2位は80Cにたびたび登場いただいている「麻布長江 香福筵」のコース料理がランクイン!

同店のオーナーシェフ・田村亮介さんは、古典的な料理を手掛けつつ、中国料理の印象を覆す皿を打ち出してこられる方。

ここに来たら、アラカルトなら清湯(澄ましスープ)と煮込み料理を食べたいところですが、真骨頂を楽しめるのはコース料理。

季節を感じられるのはもちろん、皿から皿へと繋いでいくことを考慮し、後味まで設計された流れに舌と心を任せてみましょう。

メインの写真は『随園食単』にも載る燻煨肉(シュンウェイロウ)。モダンなクリエイションは他で出合えないものですが、これまたなかなか他でいただけないもの。

攻めた内容のコースは、常に多方向にアンテナを張り、チャレンジしている田村シェフの姿と重なるのでした。

2016年9月5日掲載:サトタカ訪問


 

1位

渋谷区桜丘町「スーツァンレストラン陳」で菰田総料理長presents『俺のガチ四川 PART2』 7236リーチ

●こんな方におすすめです
・菰田シェフに宴会の料理を考えてもらいたい
・四川料理で季節を感じたい

スーツァンレストラン陳

菰田シェフ渾身のコース料理!
夏の川味、ここにあり

そして栄えある1位は、昨年3度開催した『俺のガチ四川』シリーズでした!

このシリーズは「高級食材は不要!ガチの四川料理を菰田総料理長に作ってもらおう」というテーマ宴会。

その直前に、成都、宜賓、自貢、重慶と四川を巡り、料理もトークもパワーアップした菰田シェフ。現地の味を取り入れながら、渋谷で繰り出された料理がこちらです。

季節が夏だったこともあり、キレのいい辛さ、爽やかな風味、細かく華やかなシビレは、じとっと汗ばむ夏を爽やかに飛ばしてくれるかのよう。

生のぶどう山椒のオイルを使ったしゃぶしゃぶが出たり、泡辣椒(唐辛子を発酵させた漬物)をイカと野菜をスープ仕立てにしたりと「風味で夏を表現するとはこういうことか」と勉強になりました。

〆は甘いもち米を使った、どっしりとした温かい八宝飯が登場。これが旧来のドレンチェリーのどぎつい色をイメージしたら大違い。センスのよさに一同唸って宴もたけなわとなりました。

2016年8月3日掲載:サトタカ訪問


 

さて、2016年下半期の「よる中華」ランキングはいかがでしたか? 今回は8店中4店舗が四川料理をベースとした店でした(仙の孫、麻布長江 香福筵、赤坂四川飯店、スーツァンレストラン陳)。

しかも3位と1位は老舗の四川飯店系列。いずれもチーム力のある店で、宴会対応力も高い店です。ここぞというときの候補店になさってみてはいかがでしょうか。

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「よる中華」は、80Cスタッフがディナーで食べた中華料理を、Facebookでウィークデーにレポート。80C Facebookページに「いいね!」すると、毎日中華情報がご覧になれます。ぜひここで食べたい中華、好みの中華を見つけてくださいね。


Photo 佐藤貴子、長野秀紀
Text 佐藤貴子

 


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