日本語表記:獅子頭
日本語読み:ししとう
中国語表記:狮子头
北京語読み:シー ズ トウ
発音記号 :shī zǐ tóu
獅子頭は、中国八大系料理のうち、江蘇省の淮揚(わいよう)料理の伝統的なメニュー。
ネギ、ショウガなどを練りこんだ挽き肉を、こぶし大の肉団子にした料理。土鍋に弱火で長時間加熱してつくる清燉獅子頭が、ポピュラーなメニューである。
特に、上海蟹を練りこんだ清燉蟹粉獅子頭(チンドゥン シェフェン シーズトウ)は、揚州(江蘇省)の名物料理となっている。
諸説・伝承
その始まりは、聖徳太子が「日出ずる処の天子、書を日没する処の天子に致す」の書を送った隋の皇帝・煬帝(ようだい/在位:西暦 604 – 618)に遡るとされる。
煬帝が揚州を巡幸したとき、同地の四大景勝地、万松山、金銭墩、象牙林、葵花崗を気に入り、その地をテーマとした料理、松鼠桂魚、金銭蝦餅、象牙鶏、葵花献肉を作らせた。この葵花献肉(意味=ヒマワリ肉団子)が、今日の獅子頭の元となった。
時代は下り、唐の時代の料理人・韋巨元(ウェイ ジュユェン)がある宴席でこれらの料理を振る舞ったところ、一同が絶賛。その中で葵花献肉は、ヒマワリからライオンに格上げされ、獅子頭と呼ばれるようになったといわれている。
獅子頭のレシピ
「蟹粉獅子頭」 上海ガニ入り 肉団子煮 |
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「揚州獅子頭」 揚州風肉団子煮込み |
蟹粉獅子頭 「紅焼獅子頭」 肉団子の醤油煮込み |
「砂鍋獅子頭」 肉団子の土鍋煮込み |
関連項目
『獅子頭(シーズトォ)』
中国人作家として初めて芥川賞を受賞した楊逸(ヤン イー)が朝日新聞夕刊に連載していた小説。獅子頭作りの腕で評判となり、日本の料理店にスカウトされ、妻子を残し日本へとやってきた中国人料理人の物語。
類似注意!
揚州(ようしゅう:扬州 ヤンジョウ yáng zhōu)
獅子頭が名物の揚州は、歴史的地名として楊州と呼ばれた時代もあったが、現在は江蘇省揚州市となっている。出身の著名人に、奈良時代に日本に渡来した唐の僧・鑑真や、元中国国家主席の江沢民などがいる。
「中華好き人口を増やす会」第一回座談会にご参加いただいた南條竹則氏絶賛の店「楊州飯店」が2010年まで東京・江戸川区で営業されていたが、店主高齢のため惜しくも閉店となった。ここの香腸が食べられなくなったことは、日本の中華料理業界の大いなる損失であるようだ。こちらの”よう”は楊枝の楊州。
そして、南條氏おススメのお店「八海楼」(東京・荒川区/惜しくも現在は閉店)では、揚州出身の店主による写真のような揚州料理を食べることができた(要予約)。
前出の「諸説・伝承」に記してある松鼠桂魚(桂魚の唐揚げ甘酢あんかけ ※揚げた桂魚の形がリスの尾に似ていることからこう名付けられた)に連なるであろう葡萄魚は絶品であった。
脚注・出典
百度百科「狮子头」(中国のサイト)
Research: Xiao Shan-Mian & Chuka Lovers(シャオ・シャンミェンと中華ラバーズ)