表記   :酒醸
日本語読み:ちゅーにゃん
北京語読み:ジゥ ニァン
発音記号 :jiǔ niàng
簡体字  :酒酿

【概要】

もち米に麹を加え、発酵させた調味料。甘みがあり、アルコール分を含む。
中国各地で使われており、特に陕西省、四川省、江蘇省、浙江省、北京などで好まれている。地域によって呼び名が異なり、江米酒(jiang mi jiu)や、四川省では醪糟(lao zao)、雲南では甜白酒(tian bai jiu)としても知られる。

【製法・原料】

浸水したもち米を蒸篭で蒸した後、40℃前後まで冷まし、適量の水と米麹を混ぜ合わせ、フタをして3日間程度寝かし発酵させる。

【諸説・伝承】

中国最古の漢字事典『説文解字』に、中国伝説の王朝である夏(B.C.2070年頃 – B.C.1600年頃)を創始した帝の禹に、中国酒の始祖とされる儀狄が酒醪を作って献上したが、これは今日の酒というよりも、むしろ醪糟(酒醸)のようなものという記述がある。まさに中華四千年の歴史を通じて食されてきた食材と言えるが、日本ではマイナーな食材の部類であることは否めない。

【主な使用法】

代表的なところでは、乾焼蝦仁(海老のチリソース煮)にコクと甘みを加える隠し味として用いられている。長江流域や台湾などでは、お湯で溶いて白玉を浮かべた酒醸湯圓(酒醸圓子、酒醸丸子ともいう、温かな白玉団子)も人気のメニューとなっている。

【関連項目】

塩麹

2011年後半よりNHKの情報番組「ためしてガッテン」の影響でブームが到来している「塩麹」は、酒粕をベースにしている点においては同じである。酒醸は甘いが、塩麹はしょっぱい。

ヒガシマル醤油

国産の酒醸の主力ブランド。原材料は米と酸味料。化学調味料、保存料、着色料、甘味料は使用していない。2号缶(900g)入りで流通している。酒醸缶

チューヤン

かつてテレビ番組『進ぬ!電波少年』(日本テレビ製作)の企画「電波少年的アフリカ・ヨーロッパ大陸縦断ヒッチハイクの旅」に出演していた香港人チューヤンは、本名、謝(チェ)昭仁の広東語発音である。

【酒醸を使ったレシピ紹介】

乾焼有頭蝦(殼付き車海老のチリソース煮)
芝麻湯圓(ごま餡入り白玉団子)
酒漕紅蕃薯(サツマイモの甘酒煮)
宮保鶏丁(鶏肉のピリ辛炒め カシューナッツ入り)
豆豉梭子蟹(ワタリ蟹のブラックビーンズソース炒め)
炸烹鰻魚(鰻の辛子酢炒め)
粉蒸猪肉(豚肉とさつまいものお米まぶし蒸し)
松茸牛肉片(和牛もも肉と松茸の炒めもの)
黒椒炒鮮貝(ホタテ貝と白舞茸の黒胡椒炒め)
金醤猪心(ハツの味噌炒め クレープ包み)
水煮時魚(季節魚の四川風唐辛子水煮)

【脚注・出典】

維基百科「醪糟」(wikipedia 中国語版)
江米酒的做法及营养知识详细介绍
塩麹ブームのきっかけ
製法(中文)


Research:Xiao Shan-Mian & Chuka Lovers(シャオ・シャンミェンと中華ラバーズ)