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中華学習室 糖醋

2012/9/12up

甘酢味

【糖醋】táng cù タンツゥ

日本人にとって古くからなじみのある「酢豚」。あの甘酸っぱい独特の味わいは、他のどの料理でも味わえない、いかにも中華料理らしいおいしさですよね。

酢豚
そんな「酢豚」には中国語でいろんな言い方がありますが、代表的なもののひとつに「糖醋肉(táng cù ròu タンツゥロウ)」、または「糖醋肉塊 táng cù ròu kuài タンツゥロウカイ」という表現があります。
この中に含まれる漢字で、肉は読んで字の如く「肉」。となると…、もうおわかりですね。「糖醋」の「糖」は砂糖、「醋」は酢のことで、ふたつ合わせると「甘酢風味」。つまり、酢豚の味付けになるんです。

揚げ

そもそも「糖醋」とは「溜法(liū fǎ リィウファ)」という調理法のひとつで、素材の旨みをできるかぎり留めて加熱し、水溶き片栗粉などでとろみを付けた調味液をたっぷりと絡ませることを特徴としています。

また、油で揚げてから調味するものが多いのは、まず、食材の表面を高温で瞬時に固めて皮膜を作り、その水分や旨みを食材の中に留めた方が、「溜法」という調理に適しているから。カリカリの食材に、とろ~っとした餡の組み合わせは、おいしさを保つための最強の組み合わせなんですね。

北京料理では「糖醋鯉魚(鯉の甘酢餡かけ)」、江蘇料理では「糖醋黄魚(石持ちの餡かけ)」が有名であるように、「糖醋」の料理は地域によってさまざまな名物があります。また、「糖醋茄子(茄子の甘酢餡かけ)」や「糖醋里脊(豚ヒレ肉の甘酢餡かけ)」は、中国では家庭料理とみなされているのは、糖醋が広い地域で使われている調味法ということの証。中国各地で楽しめる調理法なので、覚えておくと便利ですよ。



「糖醋」な料理





参考文献 
『中国料理技術大系 烹調法』社団法人日本中国料理調理士会 編(2000年)
『中国料理小辞典』福冨奈津子 著(柴田書店 2011年)
Text 山田早苗


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カテゴリ:
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記事公開日: 2012/9/12

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