『月刊専門料理』2016年4月号は1冊まるごと中華特集!

食の専門出版社による、プロのための料理専門誌といえば『月刊専門料理』。料理人の皆さんからは「この雑誌に出るのが憧れ」「若いころ、この雑誌のお世話になった」なんて声も聞かれる、歴史ある雑誌です。

同誌は今年2016年でなんと創刊50周年。その記念として、編集部が全力を挙げて取り組んでいるのが「〇〇料理の50年」シリーズ。2016年4月19日発売号は、まるごと1冊中国料理特集となります。

『月刊専門料理』
『月刊専門料理』2016年5月号 特別定価1,620円(税込)

編集長にきく見どころ、読みどころとは?

同号の見どころは大きく2つ。まずひとつは、過去50年間の日本の中国料理の歴史。そしてもうひとつは宴席料理です。その内容について、淀野編集長はこう話します。

「歴史については、専門料理の50年分の料理写真を1966年から順を追ってまとめ、さらに日本と中国の50年の社会背景、料理界の動きをまとめた年表で、『中国料理界の50年の流れ』がわかりやすく理解できる、保存版的な内容です。

宴席料理はホテル・街場を牽引する18店63品を新規に取材しました。中国料理の高い技術と、ダイナミズムが発揮された宴席料理が60頁以上に渡ってズラリと並んだ誌面は圧巻。中国料理ならではの独創的な盛りつけは、他ジャンルの料理人も大いに刺激を受けるのではと思います」。

撮影風景
宴席料理撮影のひとコマ。

進化する日本の中国料理を振り返り。目次はこれだ!

ここのところ「中華特集が少ない!」と言われていた同誌ですが、ひと通り取材を終え、編集長は中国料理にどんな印象を持たれたのでしょうか。尋ねてみると、

西洋料理に比べて中国料理は変化がないと思われがちですが、こうして50年分の料理写真を並べて見ると、盛りつけ、器使い、扱う素材、そして料理の構成の仕方が、時代とともにどんどん変わっていることがよくわかります。また、勢いがあって、勉強熱心な若手シェフたちが増えていますよね」と淀野編集長。

また、「専門料理と私」という企画で取材した山本豊シェフからは「『専門料理』は中国料理の今を伝えてきた雑誌。これからも業界を盛り上げていってほしい」との言葉があり、背筋が伸びる思いだったとか。

『料理通信』
2016年5月号目次①(クリックで拡大)
『料理通信』
2016年5月号目次②(クリックで拡大)

現在は「技術講座」「色味追索」の2本の連載に加え、昨年3月号の「仏×中に見る スパイスとハーブ使い」などの特集をしていますが、中国料理単体での特集号はなんと今号が10年ぶり。

編集長からは「できるだけ定期的に中国料理特集を組んで、中国料理界を盛り上げていきたいですし、『中国料理に進んでよかった』と思ってもらえるような誌面を作っていきたいです」と力強いお言葉。今号はもちろん、今後の『月刊専門料理』にも乞うご期待!


Text サトタカ(佐藤貴子)
Photo 柴田書店 提供