甘酸っぱく爽やかな風味の酸梅湯(サンメイタン|suānméitāng)は、中国でメジャーな健康ドリンク。中華食材店にあるペットボトル入りや、中国料理店のドリンクメニューでも見かけたこともあるだろう。

酸梅湯は季節を問わず楽しめるが、実はこれから迎える蒸し熱い季節にこそ愛飲したいドリンクだ。なぜなら酸梅湯には、喉の渇きを癒やし、汗のかき過ぎを防ぎ、火照った身体の熱をクールダウンし、胃腸の不調を整えるといった健康効果が期待されるからだ。

なかでも鍵となるのが烏梅(うばい)である。烏梅とは、未成熟の青梅を黒くなるまで燻製して乾燥させたもので、その匂いは「梅」というより「燻し香の塊」のよう。この成分こそ、酸梅湯を酸梅湯たらしめているものなのだが、この薫香に配慮しているのか、ペットボトルやシロップ状の濃縮酸梅湯は、烏梅の香りがあまり感じられないものが多い。

烏梅(うばい)。古くは奈良時代、遣唐使によって貴重な漢方薬(生薬)として日本にも伝わっている。

そこで当記事では、酸梅湯の成分はそのままに、蒸し熱い梅雨から夏にかけて楽しめるアレンジをご紹介。どれもおすすめの飲み方なので、たっぷり作って、いろいろ楽しんでみてほしい。

30分でできる酸梅湯(サンメイタン)づくり

酸梅湯は加糖濃縮したボトルタイプもあるが、アレンジを楽しむなら乾物から煮出して作るといい。その理由は、甘さと濃さを自分好みに調整できるからだ。

作り方は簡単で、中華食材店や通販で酸梅湯用に配合された乾物を買って、30分くらい煮出すだけ。今回は池袋の「友誼商店」で購入した酸梅湯のもとを使用した。

烏梅(うばい)、山査子(さんざし)、陳皮、甘草など8種類の乾物(生薬)を取り合わせた酸梅湯のもと。中華食材店で600円くらいだ。

商品の裏面の作り方は、100gの酸梅湯の材料(1パック)に対し、2400~2500gの水を加えて加熱し、沸騰したら弱火で25分煮るとある。しかし、今回は基本的に“割って楽しむ”ために作るので、規定の水分量の75%に該当する1800gの水で煮出した。

作り方は酸梅湯のもとに水を加え、沸騰したら弱火で25分煮るだけ。簡単だ。
25分後。美しい紅茶色の酸梅湯ができあがった。
煮出した後の材料は取り除く。

なお、ほんのり甘みをつけておくと、そのままでも飲みやすいので、氷砂糖を8~10粒くらい入れておくといい。煮出した後の材料をザルなどで取り除き、ボトル等に詰めれば準備は完了。それではアレンジにいってみよう!

酸梅湯紅茶|アイスティーで、驚くほどスムースな飲み心地に。

アイスティーと酸梅湯の組み合わせは、これ以上ないほどスムースな飲み心地だ。紅茶の持っている華やかな香り、心地よい渋み(タンニン) と、酸梅湯の酸味やほのかな渋みが調和し、「まるで最初からこういうドリンクがあったのか?」思うほど。

ペアリングの際、「色が似ているものを合わせると合いやすい」という大雑把な考えがあるが、これは酸梅湯アレンジにもいえることだ。

[作り方]アイスティーと酸梅湯を1:1でグラスに入れる。好みで氷を入れてできあがり。

酸梅湯あんずラッシー |ヨーグルトでつくる、とろける爽涼感!

酸梅湯あんずラッシー

酸梅湯の味の要、烏梅(うばい)のクセを劇的に和らげ、おいしいコクを加えてくれるのがヨーグルトだ。酸梅湯の酸味とヨーグルトの酸味が心地よく沿い、乳成分によって烏梅の薫香はマスキングされる。

また、ヨーグルトと酸梅湯を取り持つ“つなぎ”となるのがあんずジャムだ。ヨーグルトと酸梅湯だけだと味がボケがちなところ、あんずの甘みと酸味が、ドリンクの味わいをまとめてくれる。ここでは糖分を使わずに作った、アヲハタ『まるごと果実』を使用。自然な甘みが酸梅湯とヨーグルトの両方に調和する。

砂糖を使わずに作ったフルーツスプレッド、アヲハタ「まるごと果実」と「プレミアム湯田ヨーグルト」を使用。

ちなみに、ドリンクヨーグルトを使うと手軽&ダマにならずに混ぜることができるが、機能性ドリンクヨーグルトを使うと、それ特有の風味が前に出てしまう。酸梅湯の風味をキレイに生かすなら、プレーンヨーグルトか、それに近い味わいのドリンクヨーグルトを使うのがおすすめだ。

[作り方]プレーンヨーグルト大さじ1(10〜15g)、杏ジャム大さじ1強(18g)酸梅湯80ccをグラスに合わせる。ヨーグルトと杏ジャムを混ぜた後、酸梅湯を少量入れて滑らかに溶かし、残りの酸梅湯を入れるとよい。氷を入れて楽しむ。

日中ダブル梅ドリンク(酸梅湯梅酒・ダブル梅サワー)

左が酸梅湯梅酒、右がダブル梅サワー

左は日本の梅酒と中国の酸梅湯を取り合わせた一杯。どちらも梅なので、合わないわけがない。

使った梅酒はアルコール度数14%。適度なとろみと厚みがあり、酸梅湯の風味に落ち着きをもたらしてくれる。梅酒と酸梅湯の割合は好みだが、1:4の比率にすると3%弱のアルコール飲料となるので、夏にさっぱりと楽しむにはおすすめだ。

[作り方]梅酒40cc、酸梅湯120ccをグラスに合わせ、氷を入れる。

梅酒はチョーヤ「プラIQ」。酸梅湯に加えると、味の重心が下がり、落ち着いた風味となる。

また、ノンアル派には梅酒ソーダテイストの「ウメッシュ ノンアルコール」割りをおすすめしたい(写真右)。

同商品は、完熟南高梅に、血糖値が上がりにくいブルー・アガペシロップ、炭酸を使っており、そのまま飲むとなかなかチャーミングな味わい。「ウメッシュ ノンアルコール」の素直な味と、酸梅湯が持つ燻香、酸味、柑橘香といった複雑な風味。この2つが重なると、互いのよいところを引き出し、爽やかで飲みやすくまとまる。

[作り方]酸梅湯と「ウメッシュノンアルコール」を1:1でグラスに注ぎ、氷を入れる。

ウメッシュノンアルコールと酸梅湯。見た目は地味だがうまい。

複雑味を完璧に補完!酸梅湯可楽(酸梅湯クラフトコーラ)

市販のコーラに酸梅湯を合わせるだけで、一気にクオリティの高い大人向けのクラフトコーラになる。 

トクホのコーラがあるので合わせてみた。輪切りレモンもぜひ。

そもそもコーラの原型は、シナモン、クローブ、カルダモンなどのスパイスとハーブに、砂糖と酸味を足して作られたもの。酸梅湯もまた烏梅、山査子、陳皮、甘草といった中国のハーブ&スパイスの塊である。

しかしながら現在、市販のコカ・コーラにこのようなスパイスは入っていない。そこで酸梅湯の出番だ。コーラの強炭酸と甘さに、酸梅湯の燻香、生薬の複雑な風味が加われば、ベタついた甘さはリセットされる。薄切りにしたレモンを1枚加えれば、炭酸の泡でフレッシュな酸味が鼻を刺激。コーラを飲むなら毎回このアレンジでもいいかも…?そう思える一杯だ。

[作り方]酸梅湯とコーラを1:1でグラスに入れる。薄切りにしたレモン、氷を入れて楽しむ。

圧倒的な“涼”!酸梅湯ミントソーダ

ミントをたっぷり突っ込んだグラスに、酸梅湯と強炭酸を注ぐ。

最後に、どこまでもシュワッと爽やかになりたいなら、ミントをたっぷり入れたグラスに酸梅湯と強炭酸をどうぞ。

ミントをマドラーでがしがし潰してぐっと飲めば、たちまち爽やかさで目が覚める。甘さはないが、それがいい。風呂上がりにさっぱりとキメたいときに。

[作り方]グラスにミントをたっぷり入れ、酸梅湯とソーダを加える。ミントは手のひらに挟んでパンと叩いてからグラス入れると香りが立ちやすい。

梅雨から夏は酸梅湯ライフ。割って爽やかなひとときを

ほかにも、ジュニパーベリーの香りが特徴のジンやジンソーダで割ったり、ジャスミンティーで割るのもよさそうだ。ともあれ、酸梅湯さえあれば、市販のドリンクやヨーグルトでアレンジは自在。梅雨から夏にかけて、じめじめと蒸し暑い時季、身体の中からスッキリととのっていこう。

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RECIPE&TEXT&PHOTO サトタカ(佐藤貴子)