2008年版(2007年発行)からスタートし、2026年版(2025年発行)で19回目の刊行となる『ミシュランガイド東京』。

広く深くガストロノミーを体験できる都市として、世界中から東京のセレクションに注目が集まる中、今年はデザートコースのレストランも含め、全526軒(三つ星12軒、二つ星26軒、一つ星122軒、ビブグルマン114軒、セレクテッドレストラン252軒、ミシュラングリーンスター13軒)が選ばれています。

中国料理店の掲載は、2018~2020年版は26軒、2021年版は27軒、2022年版は25軒、2023年版では22軒、2024年版は35軒、2025年版は31軒と推移しており、2026年は新店を含む34軒です。

「飄香」の熊谷泰代さんが「サービスアワード」を受賞!

大きなニュースは、今年のスペシャルアワード。一つ星に輝いた「飄香(ピャオシャン)」の統括マネージャー・熊谷泰代さんが、サービスアワードに選ばれたのです。兼ねてから「中華料理店はサービスが弱い」と言われることが多かったのですが、この受賞は感涙の快挙!

熊谷泰代さん(写真:本人提供)

サービスアワードとは、プロフェッショナルで魅力的な接客を実践し、レストランでの体験を特別なものにする“サービス”に対する情熱を称え、個々のサービスマンの卓越した技能とホスピタリティを評価するものです。

ミシュラン側は、「熊谷泰代氏は、『飄香』の井桁シェフを支えながら、銀座と六本木の姉妹店を統括し従業員を束ねています。接客では空間や雰囲気、食体験すべてに心を配り、流暢な料理説明を通じてシェフの熱意やレシピの意図を伝えます。会話を交えながらゲストを和ませ、心地よい体験を生み出しています」と発表しています。このコメントは、熊谷さんの接客を受けた方なら納得も納得でしょう。

『飄香』のコースのひと品。

80C(ハオチー)では2016年、同店が麻布十番に本店を構えていた時代に「惚れる!中華のサービス」と題して、熊谷さんのインタビュー記事をご紹介しています。今から9年前の記事ですが、当時から変わらぬ温かなサービスが、大きな表舞台で高い評価を得たのは何より嬉しいこと。

今回の受賞にあたり、熊谷さんから「井桁シェフのお料理に導かれた賞です。シェフに深く感謝感謝です。また、沢山の方々が自分ことのようにサービスアワードの受賞を喜んでくださり、こんなに幸せな事はないなぁ、と実感しております。身に余る評価として、今後、更に精進致します!」というコメントをいただいています。本当におめでとうございます!

熊谷さんのインタビュー記事「惚れる!中華のサービス」(2016年)

さて、それでは『ミシュランガイド東京 2026』に掲載された34軒(星付き7軒、ビブグルマン6軒、セレクテッドレストラン21軒)をご紹介していきましょう。

※()内は所在区/最寄り駅です。
※新たに加わった店はNEWマークをつけています。

[三つ星]和魂漢才。日本が世界に誇る中国料理店「茶禅華」。

「茶禅華」のコースのひと品より、秋なすの雲白肉。

茶禅華(港区/広尾)

三つ星の定義は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」を提供しているレストラン。日本初にして、今年も中国料理店で唯一の三つ星となった『茶禅華』が、6年連続でその栄誉に輝きました。

創業以来、川田智也オーナーシェフが大切にしているのは「和魂漢才」の精神。中国料理の技を軸に、日本の食材と精神性で表現される料理と世界観は、世界中の美食家を惹きつけてやみません。

また、川田さんは日本の豊かな海と食文化の未来のために活動するNPO「Chefs For The Blue」のメンバーとしても活動しており、持続可能な水産資源の利用に真摯に取り組む姿が印象に残ります。今後、日本のガストロノミーと社会をつなぐ大きな役割も担っていくことでしょう。

[二つ星]6年連続不在の二つ星。

二つ星の定義は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」を提供しているレストラン。熟練した技術だけでなく、目を見張る食材の質や独自性など、洗練された料理を提供する店がセレクトされています。『ミシュランガイド東京2026』全体では26軒ありましたが、6年連続で中国料理店の二つ星はありませんでした。

[一つ星]技・空間・センス。すべてにおいて東京らしさが光る6軒。

「慈華」のランチコースのひと品(2025年)

一つ星の定義は「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」を提供しているレストラン。食材の質、料理の技術、味付けの完成度など、そのカテゴリーの模範となる店をセレクトしています。『ミシュランガイド東京2026』では122軒、中国料理は昨年より2軒減の6軒です。

残る布陣は変わりなく、伝統的な技術に裏打ちされた、その店ならではの中国料理、または王道の伝統料理(香港料理の「鴻禧」)が楽しめるレストランばかり。いずれも上質で落ち着いた雰囲気も魅力で、どなたと一緒に訪れても、おいしく豊かな時間が過ごせるはずです。

慈華(itsuka)(港区/外苑前)
一平飯店(港区/麻布十番)記事2022年の記事
港式料理 鴻禧(こうき)(港区/虎ノ門)
ShinoiS(シノワ)(港区/白金高輪)記事2019年の記事
Series(シリーズ)(港区/六本木)
飄香(ピャオシャン)(渋谷区/広尾)記事2022年の記事

「一平飯店」のコースより脆皮鶏(2024年)
『港式料理 鴻禧』のコースより、清蒸鮮魚(写真の魚種はハタ)(2023年)

[ビブグルマン]上質な普段使いに。食いしん坊と連れ立って出かけたい6軒

「新楽記」の焼味盛り合わせ。鶏と背脂、レバーを重ねて焼いた「金銭鶏」があるのも嬉しい(2025年)

ビブグルマンの定義は「良質な食材で丁寧に仕上げ、価格以上の満足感が得られる料理」を提供する店。『ミシュランガイド東京2026』では114軒中、中国料理は6軒紹介されています。

新顔には、王道の香港料理が楽しめる「新楽記」が登場。また「仙ノ孫」は中国料理人を中心とした勉強会やコラボ会を定期的に開いており、業界の交流と発展に持続的に寄与する存在となっているのも注目です。

jeeten(ジーテン)(渋谷区/代々木上原)
仙ノ孫(杉並区/西荻窪)
日々の中華食堂(渋谷区/代々木上原)
中国四川料理 梅香(メイシャン)(新宿区/神楽坂)
REI(渋谷区/代々木八幡)
新楽記(新宿区/四谷)NEW

[セレクテッドレストラン]インスペクター(調査員)が紹介したい21軒

「旧雨」のコースより、小冬瓜の蒸しスープ。コンセプト、量、居心地すべてが妙齢女子にほどよい塩梅(2024年)

2024年版から新たに加わった「セレクテッドレストラン」は「インスペクター(調査員)が紹介したいレストラン」。星などの評価ではなく、決まり次第公式ウェブサイトで発表されています。

こちらは昨年の227軒から252軒に数を増やしており、中国料理は21軒。食にこだわりのある方を誘いたいレストランが揃っています。

O2(オーツー)(江東区/清澄白河)記事2018年の記事
広東名菜 赤坂璃宮(港区/赤坂)
旧雨(新宿区/西早稲田)NEW記事>2025年の記事
Ji-Cube(ジーキューブ)(港区/六本木)
西麻布 香宮/NISHIAZABU SHANGU(港区/乃木坂・六本木)NEW記事2022年の記事
旬華 なか村(中央区/東日本橋)
Sense(センス)(中央区/三越前)
中国菜 漢(中央区/八丁堀)
中国菜 華丘房(かきゅうぼう)(港区/白金高輪)
中国菜 灯菜(HINA)(目黒区/中目黒)
中国飯店 琥珀宮(千代田区/東京)
中国飯店 富麗華(ふれいか)(港区/麻布十番)
東京チャイニーズ 一凛(中央区/新富町)
乃木坂 結(港区/乃木坂)(中央区/新富町)
の弥七(新宿区/四谷三丁目)
初音(目黒区/目黒)NEW
ヘイフンテラス(中央区/日比谷)※ザ・ペニンシュラ東京
MIMOSA(ミモザ)(港区/表参道)
新富町 湯浅(中央区/新富町)
YAUMAY(ヤウメイ)(中央区/東京)
Wakiya 一笑美茶樓(港区/赤坂)

「の弥七」のコースより前菜盛り合わせ(2024年)
「赤坂璃宮 銀座店」のランチより、胡桃の担々麺を友人とシェア。点心、焼味もおいしい(2025年)

書籍の『ミシュランガイド2026』は、昨年よりさらに早い9月30日に発売予定。今から店を選べば、余裕を持って年末年始の食事や会食のスケジュールがたてられそうですね。これを機に、東京で素敵な時間が過ごせそうなレストランを探してみてはいかがでしょう。

過去の『ミシュランガイド東京』掲載の中華料理店はこちら(2016~2025年)
ミシュランガイド公式ウェブサイト|東京の中華料理のセレクション


TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)