食べたい。でも、軽くあってほしい。ふと消化力の衰えを感じたとき、心の奥底にそんな気持ちが芽生えてくる。以前と同じように活動しているのに、なぜか肥る。

そんな大人の階段を上ったら、身体を意識的に動かすと同時に、高タンパク・低脂肪な食材を適切に選ぶスキルを身につけたい。できることなら尿酸値を上げず、痛風にもなりたくない。そこでお薦めしたい食材がある。

鶏むね肉超え!? 高タンパク・低プリン体の「腐竹(ふちく)」とは

それは腐竹(ふちく|fǔzhú(フーヂュウ))だ。腐竹は大豆の加工品で、乾燥湯葉の一種。タンパク質含有量は100g中42~45g程度。生の鶏むね肉(皮なし)が23.3gなので、圧倒的な高さだ。また、大豆タンパクなので消化吸収もよく、プリン体も少ない。

腐竹(ふちく)。腐とは大豆の加工品のこと。竹の如く細長い形状をしている。

上の写真の通り、腐竹はひだ状になった湯葉が棒状にまとまったような形をしており、味を含ませたり、絡ませるのにはぴったりだ。

中国では、羊しゃぶしゃぶ(涮羊肉)の具にしたり、セロリなど食感のよい野菜と合わせて冷菜にするのは定番の使い方。実は日本にもかなり昔から輸入されているので、中華好きなら知っている方も多いかと思う。

しかし、家で活用しているという声はあまり聞かない。そこで、今回は腐竹を使って、あっさりとして食べごたえがあり、腹持ちもよい精進煮込みのレシピをご紹介したい。一度この味付けを覚えれば、鶏肉や豚肉を加えたアレンジも無限にできる。

腐竹(ふちく)とキノコのオイスターソース煮込み(腐竹菌子煲)

材料 大皿または小鍋ひとつ分(約2~3人前)
腐竹(ふちく) 60g(乾燥の状態)
・しいたけ 3個(約50g)
・えのき 80g
・葱 6片(斜め切り。約20g。多くてもOK)
・生姜 1片(薄切り)
・炒め油 大さじ1
・小葱 少々(彩りと香り付けに。スナップエンドウなどでもOK)
▼調味料(合わせておく)
・オイスターソース 大さじ1
・醤油 大さじ1
・紹興酒 大さじ1(なければ日本酒でもOK)
・砂糖 小さじ1弱
・水 150~200cc
▼仕上げ
・水溶き片栗粉(片栗粉小さじ1+水小さじ2)
・葱油またはごま油 少々

作り方のポイント
オイスターソースはメーカーによって味に差があり、甘みや風味が異なるので、調味中に味見をして加減すると、より自分好みに仕上がる。要は醤油と合わせてバランスをとればいい。

1:腐竹を水またはぬるま湯で戻す

適当な長さに折ってジップロックなどに入れ、フタをしておくとこぼれないので安心。

およそ1時間くらいで戻るが、前日から一晩浸しておいてもいい。戻す過程で、水の色が茶色くなったときは水を替える。60gの腐竹を戻すと200gくらいに膨らむ。

1時間後。一晩おいても崩れることはない。

2:材料を切る

腐竹を食べやすい長さ(7~8cm)に切る。しいたけは薄切り、えのきはいしづきを取り、葱は斜め切り、生姜は薄切りにする。

食べやすい大きさに切る。煮込むので、小さすぎないほうがい。
ジップロックのフタは食材置きにも使える。しいたけはスライスに。

3:合わせ調味料・水溶き片栗粉をつくる

調味料と水を合わせて、合わせ調味料を作る。味の骨子はオイスターソースと醤油。最後に土鍋仕立て(土鍋煮込み風)にする場合は、水溶き片栗粉も用意しておこう。

4:葱・生姜→きのこの順に、香りを確認しながら材料を炒める

鍋(中華鍋・ウォックパン・フライパンなど)に油を入れ、葱と生姜を炒めて香りが出たら、きのこを入れて、ところどころ焼き色がつくまで炒める。

最初に葱・生姜を炒める。香りが立つまで。
きのこはところどころ焼き色がつくと香ばしさが増す。

3:腐竹を軽く炒め、合わせ調味料を入れてふたをして5分煮る

煮ている間に、水が蒸発して焦げないよう留意する。

きのこにところどころ焼き色がついたら、戻した腐竹を加え、さらに炒める。全体がしんなりとして一体感が出てきたら、合わせ調味料を入れ、ふたをして中火で5分間煮て、材料に味を煮含めたらできあがり。仕上げに葱油かごま油をたらし、小葱を散らして盛り付ける。

皿盛りにする?土鍋仕立てにする?

写真のような土鍋仕立てにする場合は、合わせ調味料の水を200cc強にし、仕上げに水溶き片栗粉を加えてさらに煮立て、とろみをつけて仕上げると、食感がよくなる。

皿に盛り付けて仕上げる場合、合わせ調味料の水を150cc程度にする。この場合は、水溶き片栗粉を使わなくてもいいだろう。

腐竹は水で戻すとむっちり、もっといえば、水で戻す前はバリバリの食感なのに、煮込んだらこんなにゆるとろ質感になるのか!とその変化に驚くはずだ。

精進食材3種取り合わせで満足感しっかり。これぞ腐竹の実力!

腐竹のとろっと滑らかな食感と、きのことオイスターソースのうまみ、焼いた葱の香ばしさ。そんな食材の風味が三位一体となった、腐竹(ふちく)とキノコのオイスターソース煮込み(腐竹菌子煲)。あっさりしているのに食べごたえがあるとは、まさにこの料理のためにある言葉だ。そして、精進にこだわらなければ、おすすめのトッピングもある。

とろとろ湯葉にカリッと卵。卵は両面しっかり焼きが正義。

食感のよさを追求するため、卵は中までややしっかり火を入れることをおすすめする。

そう、卵のトッピングが最高なのだ。お粥油条をのせるように、とろっとしたものにカリッとしたものを取り合わせるのは、この上なく相性がいい。

四川省や重慶の麺料理の如く、多めの油で煎り焼いた卵をトッピングすれば、表面のガリガリとした食感と卵の黄身のコクが絶妙なアクセントとなり、食欲を加速させる。なんなら卵を2個トッピングしたくなる美味さだ。

高タンパクで腹持ちよし。腐竹は想像以上に使える

鍛えている人にとって、タンパク質は重要な栄養素だが、腐竹はタンパク質を豊富に含む保存食として非常に優秀である。

参考までに、私が使った腐竹は100g中タンパク質が42.5g。今回は60g使ったので、25.5gのタンパク質含有量となる。さらに卵を加えると、プラス6g。つまりこれ一皿で、合計31.5gのタンパク質がとれてしまう(2人でシェアして食べると約16g)。その観点からも、卵は腐竹と相性最強のタンパク質ブースト食材といえる。

なお中国では、腐竹・干し椎茸・木耳(キクラゲ)の3種の乾物を精進で煮込むことが多い。いずれも水で戻す時間が必要なので、作る日の前の晩から同時に水に浸しておけばOK。椎茸が乾物になるだけでぐっとうまみが増すので、この場合はオイスターソースを使わなくてもよさそうだ。

また、精進だとあっさりしすぎると思うなら、鶏肉や牛肉を加えてもいいし、これからの季節はスナップエンドウを彩りに加えるのも気が効いている。健康を意識しながら、腹持ちよく、重たくなく、中華に親しめる腐竹。もちろん、身体が締まるか締まらないかは、あなた次第です。


RECIPE & TEXT & PHOTO:サトタカ(佐藤貴子)