モーガ肉夹馍
モーガ肉夹馍

世界のアキバのはずれで肉夹馍(ロージャーモー)を齧る

今では日本のポップカルチャーの発信地の一つとして、日々進化を続けている秋葉原ですが、昭和生まれの私がイメージする電気街としてのイメージも、今は昔と言ったくらいに様変わりしてしまいましたね。YMOファンだった高校生時代、シンセサイザーが欲しいけれど高価すぎて手が出ないので、デモ機を触りによく行っていたLaoxも今では中国資本の傘下となり、爆外中国人団体を目にするのも日常の光景です。

電気街時代はどこで食事にするか困るくらいの飲食店事情でしたが、世界のAKIBAへと変貌を遂げた今では、飲食店もよりどりみどり。

であるならば、大得意様である中国の方々のお口にあう現地系料理を提供するお店が無い方がおかしいと思っていたら、今年3月に秋葉原の歩行者天国が終わる蔵前橋通り沿いに西安小吃の肉夹馍(ロージャーモー)と凉皮(リャンピー)のお店がオープンしました。

外神田「MOOGA(モーガ)」
外神田「MOOGA(モーガ)」

他のところでもちらほら食べられる様になってきてはいますが、そういったお店は雰囲気的に現地色が強すぎて、中国料理マニア以外の日本人には今ひとつ入りづらいところが多いように思われます。しかし、こちらのお店は、入りづらさゼロのお洒落な造りです。

メニュー
メニューリスト

アキバの街で食べ歩きしたいというのならば肉夹馍単品をテイクアウトというのもありですが、店内で食べるのならばセットメニューが断然お得です。

こちらのお店が見かけによらずただ者ではないと思わせるのが、肉夹馍も凉皮も2種類用意しているところです。肉夹馍はふわふわ生地で挟んだ荷葉餅(フーイェビン)タイプと、カリッと表面を焼き上げた生地の白吉餅(バイジービン)タイプ。そして凉皮は、小麦粉から作った幅広タイプの面皮(ミィェンピー)と、米粉から作ったうどん風の米皮(ミィピー)。

モーガ+リャンピーセット850円
モーガ+リャンピーセット850円

今回選んだのは白吉餅モーガ+面皮の組み合わせ。

入店時にレジで先払いでオーダーし、着席して出来てくるのを待ちます。まず先に面皮がやってきました。

小麦粉から作った幅広タイプの面皮(ミィェンピー)
小麦粉から作った幅広タイプの面皮(ミィェンピー)

辛さの指定もできましたが、今回は通常の辛さでお願いしました。丼の底のタレと良く混ぜていただきます。

少し酸味のあるようなサッパリとした辛さが、飲めるラー油と言った感じで、これからの暑くなる季節にはよく合いそうです。

カリッと表面を焼き上げた生地の白吉餅(バイジービン)
カリッと表面を焼き上げた生地の白吉餅(バイジービン)

続いてお待ちかねのモーガ(肉夹馍)が到着。

赤身と脂身のバランスが絶妙な臘汁肉(ラージーロウ)
赤身と脂身のバランスが絶妙な臘汁肉(ラージーロウ)

中国で食べた安い肉夹馍は、脂身の多い肥肉(フェイロウ)タイプでしたが、こちらのはあまり脂身は感じなかったので赤身肉の痩肉(ショウロウ)タイプかと思いましたが、料理の説明を見てみたら、赤身と脂身のバランスが絶妙な臘汁肉(ラージーロウ)とのこと。

肉夹馍(ロージャーモー)の調理風景
肉夹馍(ロージャーモー)の調理風景

30種類のスパイスで煮込んだ肉を一日寝かせてから出しているそうです。

ピリ辛でつるモチっとした凉皮と、パリっとして少し甘めの肉夹馍の、異なる味と食感が楽しめるのはいいですね。ちょっとケチって飲み物はサービスのお冷やにしてしまいましたが、凉皮が通常でも意外と辛かったのと、白吉餅がパリッとした食感の良さの反面、少しパサツとしたところもあるので、100円プラスしてソフトドリンク付きのセットにすれば良かったかなと思うのでした。

天井にもマスコットキャラクターが。
天井にもマスコットキャラクターが。

天井に描かれたお店のマスコットキャラクターも、秋葉原っぽくてカワイイ。手書き簡体字バリバリで、日本人客はハナから見込んでいませんというような感じのお店も雰囲気があって面白いのですが、こういった本格的だけど、ライトな感じで入りやすいお店も増えてくれるとこれまたいいですよね。

 

MOOGA(モーガ)
住所:東京都千代田区外神田3-7-8 インタスビル1F(地図
電話:03-3527-1689
アクセス:銀座線末広町駅 徒歩1分/JR秋葉原駅 徒歩6分
営業時間:平日7:00~22:00/土日祝日11:00~22:00
定休日:不定休

 


text & photo 小杉勉