駅前中華三ツ巴!日暮里「京の華」包囲網拡大中
読みようによっては和風で風雅な店名とは裏腹に、黄色に赤の明朝体でがっつり中華な店「京の華」をご存じだろうか。現在、このグループが日暮里駅を取り囲むように、じわりと店舗を増やしている。
1店舗目は日暮里駅東口からすぐ。大きな面台でバン!バン!と職人が麺を打つ姿が見えるこの店では、蘭州拉麺が流行るずっと前から手打拉麺が名物。焼き小籠包も人気がある。
2店舗目は日暮里駅西口を出て「夕焼けだんだん」の入口にある「谷中の華」。「深圳」の跡地にあり、週末のみの営業だ。3店舗目は「京の華」の隣にある「千の華」。魯肉飯と麺線の店だが、残念ながら現在は休業状態。
そして4店舗目である。なんとここが「馬賊 日暮里店」の真上。もともと「京の華」は「馬賊」同様、麺台前がガラス張りで手打拉麺がウリの店だ。それだけに「まさかここにまで…!?」と思った地元住民は少なくあるまい。
しかし安心してほしい。満を持してオープンしたこの店は、がっつり台湾料理を食べさせてくれる店だった。
台湾便當を買って電車に乗ればリアル駅弁!
まず店に入って目に留まるのは、twitterでもご紹介した台湾便當のラインナップだ。アルミの弁当箱には、毎年夏に台湾東部を走るSLのイベント列車「仲夏寶島號」の文字。持ち帰り用は木製の容器にはなるが、ここで便當を買って電車に乗ればリアル駅弁!とテンションが上がる。
ちなみに日暮里駅は京成スカイライナーの停車駅で、成田まで37分という速さ。今はまだ難しいが、やろうと思えば〈台湾に行く前に車内で台湾便當を食べる〉なんてこともできてしまう。
三杯鶏に炸紅糟肉♪台湾の人気料理が目白押し!
厨房で鍋を振るのは台湾出身の料理人さん(とても日本語が上手)。メニューには三杯鶏(サンベイジー:鶏とバジルの炒め煮:写真)や、蚵仔煎(オアジェン:カキのオムレツ)をはじめ、台湾好きなら「あーこれこれ!」という料理がずらりと並ぶ。
つまみにぴったりの炸紅糟肉(ザーホンザオロウ:紅糟漬けの揚げ豚)は、豚肉にしっかりと馴染んだ紅糟(ホンザオ)の風味がたまらない。
花ニラをたっぷり使った松花蒼蝿頭(ソンファツァンイントウ:花ニラ・ピータン・豚挽肉のピリ辛炒め)は、ビール党も白飯党も等しく目尻を下げる一皿。
ニラよりも甘くやさしい風味の花ニラに、コクとふくよかさを増すピータン、豚挽肉が一体となった炒めものを口に入れたら、ある人は白飯を夢中で掻き込み、ある人はぐびーっと飲み干したくなるだろう。ピータンは前菜の冷たいものしか食べたことがないという方にも、この温かいピータン料理はぜひ試してほしい。
あるとつい頼んでしまう、という方も少なくない魯肉飯(ルーローハン)は、脂控えめで肉汁じゅわり。ちょっとだけ汁物がほしいときは、一口台湾担仔麺や一口台湾担仔米粉がやさしく口を癒し、腹を温めてくれる。
店の看板は春先からついていたものの、新型コロナ前の影響もあり、店のお姉さん曰く「6月に店を開け始めるようになった」という「京の華 別亭」。9月に2度ほど訪れてみたが、まだ比較的空いているようだ。
台湾への想いを募らせている方は、日暮里駅前でサクッと台湾成分を補給に、ぜひ2階への階段を上がってみてほしい。
京の華 別亭
東京都荒川区西日暮里2-18-2 イトウビル2F(MAP)
TEL 03-5615-2247
営業時間 当面は昼11:00~15:00 17:00~22:00(L.O.21:30)※ショップカードの営業時間(23:30まで)と異なるのでご注意ください。
日曜定休
TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)