賑やかな都心から離れた、葛飾区の住宅地のど真ん中。店の方曰く、公共バスは2時間に1本、車通りも決して多いとは言えないこのあたり。

歩くこと、どの駅からも15分~20分強。綾瀬駅(千代田線・常磐線)、亀有駅(常磐線)、お花茶屋駅(京成線)、堀切菖蒲園駅(京成線)を結ぶエリアのやや北側、いわばちょっとした陸の孤島に、2019年2月、中華業界の実力派シェフチームが腕を振るう、一軒家レストランがオープンしました。

ORIENTAL CHINESE GALLERY 外観

凄腕シェフが勢揃い!料理は高級ホテルクオリティ

料理は、正統派の広東料理に加えて、エキゾチックな南方の風味も多々。照りと甘みが食欲をそそる広東式の蜜汁叉焼や、フカヒレの姿煮といったディナーで食べたい料理もあれば、シンガポールチキンライスの名で親しまれる海南鶏飯やラクサヌードルなど、華僑の影響を受け、東南アジアで愛されている気軽な料理も味わえます。

そしてそのいずれもが、実にキレイなホテルクオリティの味わいだという…。

GALLERY名物 シンガポールチキンライス チキンスープで炊き上げた特製ジャスミンライス 3種の特製ソースで (スープつき)。ランチで1,000円(税別)。
GALLERY シンガポールラクサヌードル。数種類のハーブと海老の出汁が効いた、スパイシーでコクのある味わい。ランチ1,000円、ディナー1,200円(各税別)

それもそのはず、同店の運営を手掛けるのは、鄧徳勝シェフと中里卓シェフがタッグを組んで設立したKISEKI JAPAN。

鄧シェフは、前職でマンダリンオリエンタル東京「SENSE(センス)」の料理長として、同店をミシュランスターレストランに導いた広東料理人。そしてパートナーの中里シェフは、グランドハイアット東京「CHINA ROOM(チャイナルーム)」料理長、シンガポール料理「新東記」総料理長を務めてきた腕のあるアイデアマン。そんな2人の強みが融合され、初の出店に至ったのがこの店というわけ。

そして2人を師に、メインで鍋を振る松原大輔シェフは、ウェスティンホテル東京「龍天門」、東京ステーションホテル「カントニーズ 燕 ケン タカセ」と、広東料理の名店で腕を磨いた1986年生まれの実力派。さらに脇を固めるのは、松原さんと同じ「カントニーズ 燕 ケン タカセ」で腕を磨いた臼井元気さんという布陣です。

ラクサにも使われているサンバルが激ウマ…!ちょっとした調味料も手抜きなし。

油彩に彩られた、アットホームな一軒家レストラン

それにしても「なぜここに?」。鄧シェフにそう問うと、シェフが「SENSE」にいた頃からの、常連のお客様の御縁なのだそう。

レストランになった一軒家は、もともと材木問屋で使っていた建物。改装にあたっては、中華の専門厨房と料理用エレベーターを設置し、他の部分はそのまま二階建ての家そのものなので、まるで家に招かれて食事をしているような雰囲気も持ち味です。

また、店内にはオーナーがコレクションしているという松井純夫画伯の油彩も。同氏の絵画は富士山や浅草雷門をはじめ、日本の風景が描かれており、随所で絵画を鑑賞できるのも特色となっています。

ORIENTAL CHINESE GALLERY 店内。ちなみに絵の購入は要相談とか。

そして、都心の高級ホテルなら2倍はするであろう丁寧な料理がここならフレンドリーな価格。ランチは1,000円(税別)に、前菜350円、点心3種盛り合わせ350円、デザート200円と好みで追加できるのもうれしいところ。

ランチの前菜盛り合わせ。この日はよだれ鶏、特選クラゲの冷製、青ザーサイと野菜のオリジナル酢漬け。

もし、昼に2名であれば、2,800円(税別)で、気仙沼産のフカヒレ煮込みがついているランチコース(2名~)もおすすめです。というのも、家鴨、鶏、豚足でとった白湯(パイタン)の滋味が味わえるから。その旨みをまるっと湛えた贅沢な一皿は「食べねば損」の域ですよ。

白湯のもととなる家鴨、鶏、豚足の山。これでボディのしっかりしたスープをとります。

おすすめは内容重視の「WHITE PAGE」

夜のコースは4,800円、6,800円、8,800円(各税別)に加え、特別コースの「WHITE PAGE」10,000円(税別)が最上級。内容はゲストの希望も鑑みたおまかせですので、「今日は食べるぞ!」と気合いを入れて行く場合は、こちらのコースが最も満足感を得られるはず。

気仙沼産希少な青鮫 三陸の風熟成ふかひれ煮込み(価格はグラムによって変動)

駅から徒歩はやや遠いものの、おいしいものがあれこれ食べられること間違いなし。特にホテルクオリティの広東料理や、シンガポールテイストの洗練された料理に興味がある方におすすめです。


ORIENTAL CUISINE GALLERY(ギャラリー)
住所:東京都葛飾区西亀有2-45-16(MAP
アクセス:綾瀬駅から徒歩15分、亀有駅から徒歩19分、お花茶屋駅から徒歩20分、堀切菖蒲園駅から徒歩22分
電話:03-6875-8899
ランチ11:30~14:30 ディナー17:30~21:00L.O.
定休日:火曜日
専用駐車場あり(3台/無料)


text & photo サトタカ(佐藤貴子)