師走の本格的な寒さを吹き飛ばす、あったか~い料理を食べたい!
師走の忙しさでゆっくり食事の時間をとりにくいからこそ、おいしい料理をサッと食べて満たされたい!
そんな時にぜひ味わってほしいのが米粉。“こめこ”ではなく、米の粉でつくられた麺“ミーフェン”です。
米粉は、ベトナムのフォー(幅広米粉麺)や、ブン(断面の丸い米粉麺)と同じような食感で、主に中国南方で愛されている主食のひとつ。グルテンが含まれていないので、小麦アレルギーがある方も安心して食べられます。
特に2022年は米粉を食べることができる店がグンと増えた印象。そこで当記事では、冬の寒さに負けないよう、食べてしっかり温まる米粉料理を集めました。
つるりと喉越しのよい米粉がまとう味わいをテンポよく啜ればたちまち胃袋は満足!“五者五様”の熱々のおいしさ、いずれも発汗必至です!
米粉は中国語でミーフェン(mǐfěn)ですが、店舗によっては日本人になじみのあるビーフン(福建省南部や台湾での読み方)と記されています。当記事では、本文はミーフェン、店でビーフンとしている表記はそのまま記載します。 |
①高田馬場『本格湖南料理 李厨』の酸菜魚米粉(酸っぱい漬物と白身魚のビーフン)、牛雑米粉(牛モツビーフン)
東京を代表する湖南料理店のひとつ『李厨』。湖南省では米粉がよく食べられているとあって、各店とも米粉は定番メニューとなっています。
なかでも酸菜魚米粉(酸っぱい漬物と白身魚のビーフン)は、発酵由来の酸辣(スァンラー)が味の決め手。酸っぱい高菜の漬物と白身魚は相性抜群。黄色のスープの淡い色合いに油断しそうですが、激辛唐辛子・小米辣(シャオミーラー)の漬物が、高菜の漬物に姿を紛らせながら、辛味をしっかり効かせています。さらに赤唐辛子の辛味も加わり、米粉を啜り始めてほどなく汗がジワリ。
肉のボリューム感を求めるなら、牛雑米粉(牛モツビーフン)もおすすめです。牛モツはもちろん、牛バラ肉の塊、プルンプルンのスジもゴロゴロ入って食べごたえ十分。鮮やかな紅色のスープは激辛を覚悟させるインパクトがありますが、牛のうまみが溶けだしており、口当たりはまろやかです。
どちらもスープがおいしいので、ついゴクゴク飲んでしまい、食べ終えた頃には全身ポカポカに。どちらの米粉も、『李厨』各店はもちろん、高田馬場の姉妹店『湘遇TOKYO』、大塚『李厨&湘遇コラボ店』でも食べることができますよ!
②早稲田『隴垣金城 蘭州清湯牛肉面』の麻辣米粉(マーラーミーフェン)
早稲田界隈の学生に大人気!『隴垣金城 (ろうえんきんじょう)蘭州清湯牛肉面』は手打ち・手延べの蘭州牛肉麺(蘭州拉麺)専門店。小麦粉の麺の店かと思いきや、以前からメニューに並んでいた米粉に、ここ最近注目が集まっています。
なぜなら店主が療養中のため、麺打ちは目下休止中。そこで「手打ち麺の代わりに」と食べてみたら「これもおいしい!」の声が続々あがり始めているのです。
スープの味付けは辣味(ピリ辛)と酸辣(黒酢を効かせた酸っぱくて辛い味)のチョイスが可能。具は牛肉または牛モツが選べ、押し豆腐の細切り(豆腐干絲)が食感のアクセントになっています。
ベースのスープは清湯(透き通ったスープ)で、写真の麻辣米粉(マーラーミーフェン)にはほどよい辛さの自家製辣油がたらり。それらのおいしさは、看板メニューの清湯牛肉麺同様。麻辣米粉にはさらに花椒を加え、痺れをビシッと効かせています。
③御徒町『回転火鍋 なべ丸』の肥腸粉(モツビーフン)
店名の通り、回転寿司のレーンに火鍋の具が回る『回転火鍋 なべ丸』。ひとりでも楽しめる火鍋の店ですが、実はこちらも米粉ラインナップが充実しています。
なかでもスタミナがつきそうな一杯が肥腸粉(モツビーフン)。スープの中には、じっくり煮込んだ柔らかな肥腸(豚の大腸)がたっぷり。そしてビーフンの量もたっぷり!レタスとニラがモリモリ入って、高菜漬けと酸豆角(発酵ササゲ)がまろやかな酸味を与えています。
「辛いの大丈夫?」「大丈夫!」というやりとりを経て調えられた辛さは、喉越しマイルドでちょうどよく食べやすい印象。しかし気づけば額に汗がじわりと滲み、心地よく温まっていたのでした。
食後の嬉しいサービスは、小さなお碗で出されるあずきスープ(紅豆糖水)。冷んやりとした飲み心地で、やさしくクールダウンしてくれます。