表記 :馬鹿
日本語読み:ばろく
北京語読み:マー ルー
発音記号 :mǎ lù
簡体字 :马鹿
和名 :満州アカシカ
中国東北部に生息する大型の鹿。肉は美味で食用となり、皮も良質である。オスは立派な角をもち、毎年春ごろに生え変わる。
【鹿茸(ロクジョウ)】
「馬鹿につける薬は無い」とよく言うが、馬鹿の成長期の角は、漢方では鹿茸(ろくじょう)として薬となっている。
その用途は、強壮、強精、鎮痛に用いられる。ただし、梅花鹿(満州シカ)のもののほうが馬鹿のものよりも高級とされているが、それは別に馬鹿にしているわけではなく、その品質のためである。
中国では古来より鹿は精力が強く、長寿と考えられており、「南山多鹿、毎一雄游、牝百數至(超訳:南山には鹿がたくさんいて、牡鹿一匹には百匹くらいのガールフレンドがいる」(『抱朴子』)、「鹿一千一年為蒼鹿,又五百年化為白鹿,又五百年化為玄鹿(超訳:千年生きた鹿は青鹿となり、さらに500年生きると白鹿となり、もう500年生きて2000歳ともなると黒鹿となる)」(『述異記』)などの記述がみられる。そのため、鹿の肉はもちろんのこと、発育の速やかな角も精力増大に効果があるとされてきたのである。
【東新馬鹿(ドンシンマールー)】
2007年6月1日、黒龍江省ハルピン市の玉泉鹿茸研究所で、新種のアカジカである東新馬鹿が公開された。同記事にて、バカでかい角を持った馬鹿が確認できる。
>>『名前は「馬鹿」でもバカにできません!巨大な角は精力剤―黒龍江省』
【関連項目】
馬鹿(ばか)
絶倫の象徴が馬だけでなく、鹿もそうだったことに、「馬鹿(ばか)」の語源が求められそうな気がしないでもない。
大馬鹿(おおばか)
エルクの名でも知られるアメリカアカシカは、中国語表記では加拿大馬鹿(ジァナーダーマールー)。加拿大(カナダ)/馬鹿と言うことであるが、加拿/大馬鹿(おおばか)と見えてしまうことは否めない。
モンジバカ mão de vaca
ブラジリアン柔術で手首を極める技の名称。折り曲げた手首の形が似ていることから、ブラジルの公用語のポルトガル語で「牛(vaca)の手(mão)」を意味する。バカと発音するのは、牛のことで、残念ながら馬や鹿ではない。
【脚注・出典】
『中国食品事典』書籍文物流通会 編(1970年)
『和漢薬百科図鑑[Ⅱ]』難波恒雄 著(保育社 1980年)
Research: Xiao Shan-Mian & Chuka Lovers(シャオ・シャンミェンと中華ラバーズ)