2008年版(2007年発行)からスタートし、2025年版(2024年発行)で18回目の刊行となる『ミシュランガイド東京』。

世界中の美味が集まる東京は、世界で最も多くのミシュランスターが輝く都市。今年は昨年より3軒多い507軒のセレクションのうち、三つ星12軒、二つ星26軒、一つ星132軒、ビブグルマン110軒、昨年から始まった新カテゴリのセレクテッドレストラン(調査員が薦めたいレストラン)227軒、ミシュラングリーンスター(サステナブルガストロノミーを実践するレストラン)12軒となっています。

中国料理店の掲載は、2018~2020年版は26軒、2021年版は27軒、2022年版は25軒、2023年版では22軒、2024年版は35軒と推移しており、2025年版は31軒

そのうち、星付きは9軒、ビブグルマンは5軒、セレクテッドレストランは17軒となりました。さっそく掲載店をご紹介していきましょう。

※()内は所在区/最寄り駅です。
※新たに加わった店はNEWマークをつけています。

[三つ星]日本が世界に誇る中国料理店。

茶禅華(港区/広尾)

「茶禅華」の雲白肉。

三つ星の定義は「そのために旅行する価値のある卓越した料理」を提供しているレストラン。日本初にして今年もなお日本唯一、中国料理店の三つ星となった『茶禅華』が、5年連続でその栄誉に輝きました。

同店の根幹にある想いは、川田智也オーナーシェフが創業時に掲げた「和魂漢才」。中国料理の技を軸に、日本の食材で、日本の精神性をもって表現された中国料理の世界は、ここでしか体験できないもの。世界中のフーディーを惹きつけてやまない、日本が誇るレストランです。

▶ミシュランガイドの記事|茶禅華“東京に輝いた三つ星の軌跡” 茶禅華 川田智也氏

[二つ星]昨年同様の不在。

二つ星の定義は「遠回りしてでも訪れる価値のある素晴らしい料理」を提供しているレストラン。

『ミシュランガイド東京2025』全体では26軒ありましたが、5年連続で中国料理店の二つ星はありませんでした。

[一つ星]ここぞという日に。東京らしさが光る8軒。

「一平飯店」コースより

一つ星の定義は「近くに訪れたら行く価値のある優れた料理」を提供しているレストラン。『ミシュランガイド東京2025』では132軒、中国料理はそのうち8軒です。

選ばれた中国料理店は、しっかりとした伝統料理が楽しめるレストランであるか、伝統的な技術をベースに、独自の世界観が光る創作をされているレストランという印象を受けます。いずれも今の東京を感じさせるセンスがあり、上質で落ち着いた雰囲気も魅力です。

慈華(itsuka)(港区/外苑前)
一平飯店(港区/麻布十番)<記事2022年の記事
港式料理 鴻禧(こうき)(港区/虎ノ門)
中国飯店 琥珀宮(千代田区/東京)
ShinoiS(シノワ)(港区/白金高輪)<記事2019年の記事
Series(シリーズ)(港区/六本木)
飄香(ピャオシャン)(渋谷区/広尾)<記事2022年の記事
中国飯店 富麗華(ふれいか)(港区/麻布十番)

[ビブグルマン]上質な普段使いに。食いしん坊と連れ立って出かけたい5軒

「仙ノ孫」の自家製皮つき干し肉と広東白菜の炒め

ビブグルマンの定義は「良質な食材で丁寧に仕上げ、価格以上の満足感が得られる料理」を提供する店。『ミシュランガイド東京2025』では110軒中、中国料理は5軒紹介されています。

ラインナップを見ると、いずれもアラカルトでメニューが選べ、比較的カジュアルにおいしいものが楽しめる店ばかり。食いしん坊と連れ立って出かけたいですね。

jeeten(ジーテン)(渋谷区/代々木上原)
仙ノ孫(杉並区/西荻窪)
日々の中華食堂(渋谷区/代々木上原)
中国四川料理 梅香(メイシャン)(新宿区/神楽坂)
REI(渋谷区/代々木八幡)

▶ミシュランガイドの記事|ミシュランの「ビブグルマン」とは?

[セレクテッドレストラン]インスペクター(調査員)が紹介したい17軒

「の弥七」のコースの一品

昨年2024年版から新たに加わったのが「セレクテッドレストラン」。ミシュランガイド公式ウェブサイトによると「インスペクター(調査員)が紹介したいレストランを、先行公開」していくもの。星などの評価ではなく、決まり次第公式ウェブサイトで発表されています。

こちらは昨年の194軒から大きく増えて227軒のセレクションで、中国料理は17軒。選ばれた中国料理を見てみると、誰かとおいしいものを食べるために予約をして出かけたい店、という印象を受けます。ビブグルマンのように雰囲気も価格もカジュアルではないですが、食にこだわりのある方を誘いたいレストランが揃っています。

O2(オーツー)(江東区/清澄白河)<記事2018年の記事
広東名菜 赤坂璃宮(港区/赤坂)
Ji-Cube(ジーキューブ)(港区/六本木)
旬華 なか村(中央区/東日本橋)
Sense(センス)(中央区/三越前)
中国菜 漢(中央区/八丁堀)
中国菜 華丘房(港区/白金高輪)NEW
中国菜 灯菜(HINA)(目黒区/中目黒)NEW
東京チャイニーズ 一凛(中央区/新富町)
Toki(目黒区/目黒)
乃木坂 結(港区/乃木坂)
の弥七(新宿区/四谷三丁目)
ヘイフンテラス(中央区/日比谷)
MIMOSA(ミモザ)(港区/表参道)
新富町 湯浅(中央区/新富町)
YAUMAY(ヤウメイ)(中央区/東京)
Wakiya 一笑美茶樓(港区/赤坂)

『ミシュランガイド2025』は、従来12月上旬に発売されていましたが、今年は大きく前倒しとなり、10月22日に発売となりました。忙しくなりがちな師走ではなく、この時期の発表ならば余裕をよって忘新年会の予定も立てられますね。

ミシュランガイド公式ウェブサイトでは10月17日から掲載店を紹介中。これを機に、改めて訪れたいレストランを探してみてはいかがでしょうか。

過去の『ミシュランガイド東京』掲載の中華料理店はこちら(2016~2024年)
ミシュランガイド公式ウェブサイト|東京のセレクション


TEXT & PHOTO サトタカ(佐藤貴子)