Chuka Lovers

中華好き人口を 増やす会 第7回: 汁なし担担麺・青山椒・カレーの時代が到来

当コーナーは「中華好きを増やす」というミッションのもとに集まった、同士たちのトークセッション。中華を愛し、中華に一家言あるメンバーが、円卓と料理を囲んで、熱く語り尽くします。

 ※このシリーズは、3月8日に新橋亭新館にて行われた座談会「第1回 中華好き人口を増やす会」の模様をお届けします。


2012/6/6up

7:汁なし担担麺・青山椒・カレーの時代が到来


南條 思うんですけどね、担担麺でも成都風の、汁なしはどうでしょう。以前は辛さが駄目な人が多かったけど、今はみんな慣れてきたし、辛いのが好きになってきたから、もういっぺん本腰入れてやったら当たるんじゃないのかな。

―― そもそも成都派の担担麺ってどういうものなんですか。

南條 僕が成都で食べたのは汁なしでした。他にもいろいろあるかもしれません。

古川 確かに、四川ファンが増えてるのは間違いないと思うんです。花椒のしびれる味、麻辣系は確実に浸透してきている。でもまだ少数派ですよね。

南條 でも、ここ数年で日本人はだいぶ辛いものに対する耐性が上がってますから。

古川 有名な話ですけど、辛いものを食べると痛点が刺激され、エンドルフィン、快楽物質が出るらしいですね。だからくせになる。そうしてだんだん慣れていって、10年ぐらいのレンジで見ると、辛いものに耐えられるレベルも上がっていくという。

南條 四川とか湖南に行くと、1日目と2日目でだいぶ舌が変わっていることに気づきますよね。

―― まさに辛いものに対する耐性が上がっていくんですね。

新橋亭の汁なし担担麺

新橋亭の汁なし担担麺


古川 それと、青花椒の香りをつけた料理も、個人的には浸透してほしいと思いますね。あれはライムのような香りですごくいいじゃないですか。四川系の中でも新しい香り、インパクトのある香りとしてけっこう日本人に受け入れられるんじゃないかな。


青山椒油「藤椒油」(三明物産)







中国のカレーペースト「印度香 咖喱油」


―― これ、オイルですよね。

古川 これはオイルです。まだ花が開く前の花椒のオイル。本当に香りがよくて。

福島 これ、三明物産でも取り扱っているものですか。

古川 いえ、これは私が出張行った時にたまたま、何本か持ってきたうちの1本です。昔は上海では見かけなかったんですけど、最近は上海、香港でも見かけますね。

福島 そのエリアに四川料理の店がすごく増えたっていう話ですもんね。紹興のあたりまで増えてるみたい。

南條 紹興に?

福島 ええ。増えているのは四川料理、それとカレーライスです。何年か前に行った時「カレーなんか絶対に食べない」って現地の人が言ってたのに、この前「あなたが言っていたとおり、10年後にはカレーを食べる文化になりました」って言われました(笑)。

古川 中国は今、カレー味と四川の辛い味、この2つが沿海部でものすごく広がってるんですよね。ラーメン食べてもカレー味だったりしますし。個人的にはぜひ外食店、とくにバーミヤンさんなんかでまたやっていただきたいのは、クミンも含めたカレー系ですね。ぜひトライアルしていただければうれしいです。


カレーが来ている

髙橋 そしたら、後に続く流れができますかね。

古川 やっぱり先に外食で火を付けていただいて、火付け役となったメニューが家庭の食卓にちょっと遅れてやってくるのが自然な流れ。「ああ、なんか食べたことある」っていうぐらいにならないと、なかなかご家庭では…。

―― 手に取っていただけないという。

田中 でも、日本で中国系のカレー料理っていうのはそんなに浸透してないですよね。

古川 ないですね。最近だと思います。

―― カレー味は、上海辺りからでてきたんですか?

古川 いや、もともとは香港。最近は上海です。

田中 以前からある古い料理は咖喱鶏塊(ガーリーチーカイ)ですね。

咖喱鶏塊(ガーリーチーカイ)

咖喱鶏塊(ガーリーチーカイ)


古川 あれはほんとおいしいですよね。

田中 僕が中華ではじめて習った鶏料理が咖喱鶏塊だったよ。で、お客さんがごはんにかけてくれって言うんで、咖喱牛喃会飯(ガーリーニュウナンホイハン)が出てきた。あと、今はカレー粉を揚げものに使うんですね。ひき肉の中に隠し味で入れたり、調味料の隠し味として。

古川 火鍋でも、上海はカレーが徐々に浸透していますね。スープベースが白と赤だけじゃなく、きのこ系の薬膳系スープと、カレースープっていう組み合わせで。

―― 台湾海鮮の薬膳火鍋はカレー風味が強いですけど、ああいう感じですか?

古川 はいはい。

田中 四川火鍋ではないのね。

古川 いくつか系統があるんです。イギリスが統治していた影響で、インドから渡ってくる香辛料を使った、わりとスパイシーな香港系のカレーと、東南アジア、マレーシアあたりから入ってきている、ココナッツを使ったマカオ系のカレーと。また、上海はそれとも違う新疆系のスパイスで、クミンがちょっと立ったような感じ。

福島 小尾羊(シャオウェイヤン)はそっちじゃなかった?

古川 そうですね。

福島 赤の方に、よくみるとクミンが入ってる。

田中 しかし、中華にカレーが浸透するのは、料理形態が少なすぎないかな。本流でないというか、中華にはカレー味もあるっていうのがピンとこない。

古川 今はわりと結び付けにくいっていうのが事実だと思います。日本におけるカレーって、ものすごい位置付けになっちゃてるんで。



>NEXT TALK 「香りを食べるということ」



>>今までの「中華好き人口を増やす会」一覧


Text 佐藤貴子(ことばデザイン)
料理撮影 林正 / 西田伸夫


カテゴリ:
Chuka Lovers

記事公開日: 2012/6/6

※情報は掲載時のものです。内容は後日変更される可能性がありますので御了承ください。