Cooking & Recipe

家で中華SPECIAL 自家製干し肉“腊肉”を作ろう①

肉を干して熟成を待つ、その時間までも愛おしい…。中華の干し肉こと腊肉(ラーロウ)の2種の作り方を徹底解説。これであなたも干し肉名人!

2017/3/9up

自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



干して熟成を待つ、その時間までも愛おしい!
おいしい腊肉(ラーロウ)の作り方

腊肉(ラーロウ / là ròu)とは、中国料理における漬け干し肉のこと。特に四川省や重慶市、湖南省、広東省などでは腊肉づくりがさかん。冬場に街を歩けば、家の軒先やマンションの一角、路上など、あちこちで肉を干す風景が見られます。

そもそも腊肉の「腊」とは旧暦12月のことで、この時期に肉を干すことがその名の由来。今では干し肉を総じて腊肉と呼ぶことが多いようです。


こちらは成都市の街角。街路樹にも干す!


昨今は日本の中国料理店でも自家製する店が増えてきており、じわじわと腊肉の風味と料理が広がっている模様。そこで今回は、家でその腊肉を作ってみよう!という企画です。聞き慣れない言葉でちょっと難しく感じるかもしれませんが、中国の家庭でも作っているくらいですから難しくはありません。

何より楽しいのは、軒先に肉をぶら下げ、日々肉が締まっていく様子を確認していると、実に豊かな気持ちになれること。また、1つあれば炒めもの、炊き込みごはん、煮込みスープ、シンプルに蒸してお酒のつまみなど、いろいろな料理に使えます。


腊肉と白菜の煮込み


今回作り方を教わってきたのは、伝統料理をベースに独自の味づくりを展開する「麻布長江 香福筵」の田村亮介オーナーシェフ。同店で作り分けている数種類の腊肉の中から、さっぱり塩燻製タイプと、こっくり醤油漬け干しタイプ、2種類の作り方をご紹介します。


教える人
田村亮介さん

「麻布長江 香福筵」オーナーシェフ。1977年東京生まれ。中国料理店を営む家に生まれ、料理の道へ。1999年「麻布長江 西麻布店」で研鑽を積み、台湾で精進料理を学んだのち、2006年料理長、2009年店を継いで「麻布長江 香福筵」を開業。現在は四川料理を中心とした伝統的な料理をベースに、モダンで創作性のある中国料理を提供している。



腊肉づくりへの道

肉の選び方

腊肉を作るとなったら、スーパーはまたは肉屋へGO!買い求めるのは、肉と脂の層がある肉、すなわちバラ肉(三枚肉)です。

バラ肉は、赤身と脂肪が層になっているため、干して肉が締まったときにパサつきにくい肉。また、その脂も調理に使えるため、腊肉や腸詰にも適しています。

選び方のコツは、「肉の専門店で購入する場合、肉と脂がきちんと層になっているところをカットしてもらうといいでしょう。なるべく均一な太さのところで切り出せれば、下味を均一に入れることができるので作りやすいです」と田村シェフ。

なお、「麻布長江 香福筵」ではバラ肉1枚を切り出して使うため、あばら骨(肋骨)周辺の“ゲタ”がついた部分は、凸凹をカットして形を整えるそう。


左側の骨を外した跡が“ゲタ”。バラ肉の中でも厚みのあるところです。


また、店では皮付きの豚バラ肉を使用。家庭では皮なしが手軽でおすすめですが、噛むときに感じられる皮独特の弾力と旨みは皮付きならでは。中国でも皮付きで作られますので、本格的に作りたい方はトライしてみては。

皮付きの場合、時には皮に毛が残っていることもありますので、気になる時は、剃る、炙る、毛抜きで抜くなどしてきれいにしましょう。


白い部分は皮。コラーゲンの豊富な部位です。



塩漬けか醤油漬けか?
さらに燻製してもおいしい!

腊肉は、腌(イェン /yān = 漬け込み)を経てから干すのが特徴で、漬け込む材料を塩ベースか、醤油ベースにするかで仕上がりの風味が異なります。

塩漬けは、塩と香辛料がベースとなり、比較的さっぱりとして、使う料理をあまり選ばないのがメリット。特にこれからの季節、土鍋煮込みや菜飯にぴったりです。

一方、醤油漬けは、醤油に酒と複数の香辛料を加えた漬け汁を使うため、醤油独特のこっくりとした旨み、奥行きのある味わいが身上。いかにも中国料理らしい香りが食欲をそそります。


左が塩漬け、右が醤油漬けタイプ。


さらに干した後、燻製するという選択肢も。現地では風味をよくするだけでなく、保存性を高める目的でも燻製しますが、日本の家庭で作る場合は好みの問題。仕上げの燻製で、食欲をそそる燻し香をまとわせることができます。


塩燻製、醤油味、さらに燻製…。さあ、どの味付けでいきましょうか。まずは次ページで、塩燻製タイプの作り方をご紹介します。


NEXT>ほのかな燻香が食欲をそそる!
プロに教わる塩燻製腊肉(ラーロウ)


自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方

② さっぱり塩燻製

③ こっくり醤油味

④ 腊肉料理2選

⑤ 手抜き干し肉

⑥ 腊肉の地域性



Text 佐藤貴子
photo 丸田歩

カテゴリ:
Cooking & Recipe

記事公開日: 2017/3/9

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