自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方 ② さっぱり塩燻製 ③ こっくり醤油味
④ 腊肉料理2選 ⑤ 手抜き干し肉 ⑥ 腊肉の地域性

 

まず教わったのは、塩漬けしてから軽く燻製をかける、塩燻製タイプの腊肉です。

塩漬けの材料は塩と花椒というシンプルさ。肉本来の味を生かしやすく、使える料理の用途が幅広いのが特徴。そのまま蒸して、薄切りにして食べてもしょっぱくない、ほどよい塩加減に仕上がります。

材料(※豚バラ肉1本あたりの分量)

・豚ばら肉ブロック…300g前後
・塩…肉の重量の1.5~2%(4.5~6g)※ここでは「伯方の焼き塩」を使用
・花椒…15粒

燻製材料
・烏龍茶…5g(リーズナブルなものでよい)
・生米…10g
・砂糖… 5g
・花椒…10粒

※写真では3本分仕込んでいます。
※制作日数の目安は、漬け込み3日、乾燥約2週間、合計約17日間です。

 

塩燻製腊肉の作り方|塩漬けと乾燥の方法

① 肉に小さな穴をあける

まず、バラ肉をミートソフター(写真)やフォークなどでまんべんなく刺します。これは、刺すことによって肉や皮に細かな穴があき、肉の中まで均一に味を染み込ませるため。皮付きを使う場合、皮が硬いので意識的にしっかりと刺します。

 

② 塩を煎る(1本の場合このプロセスは不要。3本以上作る場合におすすめ)

鍋に塩と花椒を入れて煎ります。この工程は、塩の水分を飛ばしてサラサラにすることで、肉への浸透をよくするためのもの。煎ることで、花椒の香りもほのかに立ってきます。

③ 焼き塩を冷ます

終わったら、熱くなった塩の粗熱をとります。熱いまま塗り込んでしまうと、肉に火が通ってしまうので、必ず冷ますこと。

※レシピ通りに1本だけ作る場合は、塩の量が少なく煎りにくいため、この過程は省略します。花椒だけ軽く煎って香りを出してもいいでしょう。

④肉に塩を塗り込み、冷蔵庫で3日置く

塩と花椒を手で肉に揉み込みます。塩の分量は肉の重さの1.5~2%。「これはそのまま食べられるくらいの控えめの塩分濃度です。1.5%ならそのままおつまみで食べられる程度。2%なら煮込み料理などに適しますね」(田村シェフ)。

④ 3日置いて、水分を取る

下の画像が3日漬け置きした肉です。塩を揉み込んだことによって肉の水分が抜け、肉の表面に水が浮いてきますので、厚手のキッチンペーパーで拭き取ります。

花椒はこの段階で取り除いておきましょう。

⑤ 干す

ここまで来たら、いよいよ干す段階へ!叉焼用フックに肉を刺して、吊るす準備をします。

吊るす場所のは、風通しのよい場所に2週間ほど。人や猫およびカラスによる盗難の心配がなければ、ベランダ等の屋外でも大丈夫です。ただし、雨に当たらないように注意しましょう。

ちなみに皮付きの場合、硬い皮の方から刺した方がスムーズに入ります。ご家庭で1~2本干す場合は、クリーニング等でもらうワイヤーハンガーを曲げて使うと便利ですよ。


ハンガーの先に肉を差し込みます。三角形の底辺を引っ張って伸ばすと、物干し竿などに通せます。

⑥ 干し上がり

2週間干してこうなりました。触ってみて、周りが硬くなりつつも、芯に柔らかさを感じる段階が仕上がりの目安です。

この状態で、塩味の腊肉としてはいったん完成。20分ほど蒸した後(皮付きは40分ほど)、薄切りにして食べると、風味のよいハムのよう!

なお、干す日数は5日~7日くらいでも大丈夫です。干せば干すほど肉は硬く締まっていきますので、まずは2週間で作って状態を確認したのち、次回以降は自分好みに調整するのがおすすめです。

中華鍋で手軽にできる燻製のやり方

先ほどの状態でも十分おいしいのですが、今回は燻製方法も教わりました。田村シェフが燻材にしているのは、烏龍茶、生米、砂糖の3種類。そこに今回は花椒の香りをまとわせます。

燻材にはそれぞれ目的があり「米は香ばしさ、烏龍茶は香り、砂糖は色付けのために使います」と田村シェフ。

「それぞれ配合のバランスを変えてもよく、米が多めなら『米薫〇〇』、お茶が多めなら『茶薫〇〇』というように中国料理名を変えることもできます。烏龍茶は高級なものでなくて大丈夫ですよ」。

燻製するときは、鍋が焦げないようアルミホイルを敷き、燻材を乗せ、その上に網を張って、腊肉を乗せます。

煙が出ていることを確認したら、ふたをして、燻しはとろ火で40~50分。冷燻のイメージで、肉の中までしっかり、じっくり燻製香をまとわせます。

ついに完成!塩燻製腊肉

燻製が終わったらついに完成!この状態で冷蔵庫で1か月ほど保存できます。

そのまま蒸してスライスし、つまみとして食べてもおいしいのですが、炒めものや煮物など、この後いろいろな料理に使えるので夢広がります。

続いてご紹介するのは、香り高い醤油漬けの腊肉レシピ。こちらもプロで作っている方が多い1本です。

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自家製中華干し肉“腊肉(ラーロウ)”を作ろう

① 肉の選び方 ② さっぱり塩燻製 ③ こっくり醤油味
④ 腊肉料理2選 ⑤ 手抜き干し肉 ⑥ 腊肉の地域性

 


TEXT サトタカ(佐藤貴子)
PHOTO 丸田歩、佐藤貴子(ハンガー)