大根と塩でつくる台湾の味! 自家製菜脯(ツァイプ)の作り方
中華食材店やオンラインストアで台湾産の菜脯が買えるようになった今日この頃。日本で入手できるのは、基本的に熟成期間が長くない、黄土色っぽいものが一般的です。一方、台湾の市場で買う場合、日本ではほぼ入手不可能な真っ黒な老菜脯も選べます。
また、菜脯は自作することもできます。ちょうど冬場は大根が旬を迎え、空気が乾燥するので自作に最適な季節。ここでは家庭で作りやすい菜脯のレシピをご紹介します。
<菜脯(ツァイプ)の材料> 大根 1本(沢庵用の干し大根でも可) 塩 大根の重量の5% |
[1]大根を皮付きのままカットし、天日干しで表面を軽く乾かす。
大根は、1本を横2分の1、または3分の1にカットしたあと、縦に4等分、6等分、8等分など、お好みの細さに切り分けてから天日干しします。
天日干しの加減は、表面がちょっと乾いたな…という程度まで。なぜ皮を付けたまま干すかというと、完成したときにコリコリとした食感が出るからです。気になる方は、無農薬栽培のものなどを使いましょう。
雨天が続くようなら、天日干しをしないで室内干しでもOKです。また、沢庵用の干し大根が手に入るなら、この工程は省いてください。ちなみに私がいろいろ試してみて、最も作りやすかったのは8等分だったのでご参考までに。
[2]大根の重さの5%の塩をまぶし、まんべんなく擦り込む。
カットした大根にまんべんなく塩を擦り込みます。沢庵用の干し大根を使う場合、太いものだと塩が浸透しづらいので、縦にカットしてから使ったり、塩を2度擦り込むのをおすすめします(量は1回目の半分で)。
[3]重しをして、大根の水分を出す。
網ザルなど、穴の開いた入れ物などに大根を入れ、上に重しをして水を落とします。室温が高めの家は、冷蔵庫に入れると安心です。
ちなみに家の場合、電鍋の内鍋に水をたくさん入れたものを重しとしました。水分は、大根3分の1本に対して100cc~200ccぐらい出てきます。
[4]水分が少し残る状態まで、昼間に天日干しする。
昼間に天日干しをします。干し上がりの目安は、完全には乾燥しておらず、手で曲げられるくらいの軟らかさです。しっかりと留められるピンチハンガーに大根を吊るすと便利です。
干し時間は太陽光の強さや湿度、大根の太さによって異なりますが、強風が多く、湿度の高いところに住んでいる私の場合、大根は横3分の1、さらに縦8等分にカットした状態で、丸2日間干してちょうどいいくらいでした。

ずっと大根につきっきりではいられなかったため、4等分や6等分のカットではなかなか大根の水分を飛ばすことができず、カビが発生しやすかったです。
また、夜は屋内に取り込み、カビが発生しないように冷蔵庫で保存します。この過程で水分が多く感じる場合は、再び重しをして大根から水を出してください。

[5]熱湯消毒済の瓶に大根を詰めて、冷蔵庫に保存し、熟成させる。
干した大根を、熱湯で煮沸消毒した瓶に入れて保存します。このとき、大根はビンに沿って曲げて入れられるぐらいの硬さがちょうどいいです。少しでも水分がないとうまく発酵しないので、カラカラに乾燥させ過ぎないようにしましょう。ここでうまく発酵が進めば、何年も持ちます。

しかし、乾燥し過ぎたとしても食べられないわけではないのでご安心を! たまごと炒めて菜脯蛋にしたり、スープに入れれば、普通の大根とは違う食感と味わいが楽しめます。

最後に、菜脯でつくる台湾の家庭料理、菜脯蛋の作り方をご紹介します。簡単にできておいしいので、ぜひトライしてみてください!