【脆】cuì(ツイ)
日本語では「脆い(もろい)」という表現で使われる脆(ツイ)。それを食の世界に当てはめてみると、もろい→崩れやすい→サクッ、パリッ…ということで、脆は食感を表す言葉になります。
カリッ、サクッ、パリッとしたものであれば調理法は問わず、焼いたり、揚げたりと素材やお店によって様々に表現されているのが「脆」。料理名では、「香脆×食材」「脆皮×食材」という表現をよく見かけます。
「香脆(xiāng cuì / シィァン ツイ)」は、パリパリの食感に加えて、食材の香ばしさが楽しめる料理で、エビやカニのように殻が付いている食材で使われるのが定番。揚げたての甲殻類から立ちのぼる香り…。そのおいしさ、想像できますよね。
また、脆皮(cuì pí / ツイ ピー)」は鶏翅(鶏の翼=手羽先)、乳猪(仔ブタ)など、皮付き肉に使われるのが定番。パリパリに焼かれた皮と軟らかくジューシーなお肉…、こちらも想像するだけでもよだれが出てしまいそうです。
パリパリ好きのあなたは、この単語を覚えておくと、中国のレストランできっとおいしい思いができるはずです。
「脆」な料理
参考文献 『中国料理小辞典』福冨奈津子 著(柴田書店 2011年)
Text 山田早苗