もくじ
1 ビーフンと呼べるのは米粉でつくるビーフンだけ!
2 練って練って押しまくる!ビーフンの生地づくり
3 目から鱗!蒸したての生ビーフンの味とは?
RECIPE:美味しくて手軽!ビーフンのかんたんレシピ
続いて郭さんが見せてくれたのは、直径十数センチほどの、つやつやと輝く米団子。
実はこれ、先ほどの袋の中に残った米粉を型に入れ、三分(さんぶ)ほど蒸したもの。水気を吸った米粉が、まったく姿を変えて登場です。

「ビーフンの軟らかさはこの段階で決まるんだ。ほら、よく見てみて。断面を見ると、火が通っている半透明の部分と、芯の方に火が通っていない不透明の部分があるでしょう?この状態でしっかり混ぜ合わせるのが大事なの」と郭さん。

3分間蒸したの断面。周囲は半透明で、芯は不透明なのがわかります。
つまり、同じ米でも異なる状態のものが混ぜ合わせることで、ビーフン独特の弾力性が生まれるというわけ。しかもこれを「1度だけでなく2度繰り返すことで、風味と食感が高まる」のだそうです。

米団子を練る作業は三代目の奥様・林美津さんと未来の四代目の彼女の共同作業。

米団子を投入すると、中で揉みしだかれ、スクリュー状になった生地が練り出されます。
「触ってごらん。最初のとは感触が違うだろう?」そう言って差し出された二度練りの生地は、ブリリンッとした弾力を保ちつつ、指で潰れる軟らかさになっています。

伸ばし突き出し再び蒸して…ビーフン作りは重労働!
さらに続けて行うのは伸ばし作業。これは、ビーフン生地を押し出す前に、その型に合わせて生地をまとめる仕事。「使う機械は100年前から使っているもので、日本の“サクラ”というモーターを使っているよ」と郭さん。

モーター「サクラ」を搭載した、三馬力のビーフン伸ばし機。

「ここで厚さを絶妙に調整することが、次の工程でスムーズに麺が押し出されるか否かを決めるんだ。固すぎると押し出す穴に生地が詰まり、時間がかかりすぎてしまうからね」ということで、機械の調整は三代目の連進さんが担当。繊細な指先の感覚と、長年培われた判断が生かされます。

こうして均一に伸ばされた生地は、ビーフン生地を押し出すための穴あき皿と同じ直径になるよう、くるくると巻かれて成形され、押し出し機の中に投入。すると、みるみるビーフンらしい見た目の麺に…!


ビーフンを押し出すための型。穴は直径1ミリにも満たない大きさです。


しかし、これだけではまだコシのあるビーフンの食感は生まれません。麺状になった米の生地を、どうやって半透明のビーフンに仕立てるのでしょうか。ラストは熱い龍の髭と激しく戦う、ビーフン作りのクライマックスへ…!
>NEXT TRAVEL:目から鱗!蒸したての生ビーフンの味とは?
取材・文・撮影 佐藤貴子/ことばデザイン








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